シャンパーニュにおいては、
青=ポメリー
かな?
でも、やっぱり黄が一番有名です。
そして、緑とピンクが揃えばゴレンジャー・・ですか?
さておき、長年愛され続けるにはそれ相応の品質の高さが必須。
高いレベルで安定し続けることで飲み手の信頼も厚く、シャンパーニュを代表する生産者の一つである事は間違いありません。
さて、シャンパーニュを手掛ける生産者は数えきれないほど多いですが、その中でも多くの日本の消費者の方々に飲まれ(口コミされ)、そして口コミ評価の高い銘柄はどれか。
私はそのような好奇心を元に、信頼できる口コミが見られるVinicaを使ってリサーチしてみました。
その結果日本で購入可能で主要なおよそ100の生産者の中でも、特に高評価を獲得していると感じたのは25の生産者達。
今回紹介するヴーヴ クリコ イエロー ラベルは、やはり非常に多くの方に親しまれ、安定して高い品質を維持している事がわかる口コミ内容だったというわけです。
ちなみにその口コミ量は、1モエ・ブリュット、2ドンペリ、3ルイ・ロデレール・ブリュットに次いで4番目多かった事からも、その知名度と信頼の高さがわかります。
それでは始めましょう。
《ワイン名》 ヴーヴ クリコ イエロー ラベル
《価格》
【4500~6000円】
《ブドウ品種》
・ピノ・ノワール
・シャルドネ
・ムニエ
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>シャンパーニュ地方
《生産者》 ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン
【ここで簡単にプロフィール】
ヴーヴ・クリコは、1772年にフィリップ・クリコ氏によって設立されたシャンパーニュ・メゾン。
1805年にメゾンを引き継いだマダム・クリコ(バルブ・ニコル・クリコ・ポンサルダン)は、現在も残る手法である動瓶台を発明するなど、ヴーヴ・クリコの発展に最も大きな影響を与え、「品質はただひとつ、最高級だけ」の信念の元シャンパーニュの発展に貢献、現在でもラ・グランダム(偉大な女性)と呼ばれる由縁となっている。
1877年に採用されたイエローラベルは、一際目を引くヴーヴ・クリコの象徴となり、現在もマダムの信念に基づいたシャンパーニュを生み続けている。
《味わいの特徴》
爽やかさ・果実感・複雑性
優れたバランスと安定感
このワインの特徴は、質の高い果実に由来するふくよかな果実感に美しい酸味、ブリオッシュを思わせる甘く芳ばしいニュアンスや、ほのかな苦味などの複雑性も感じられる品質にあり、全ての要素が支え合うようなバランスの良さからは、ヴーヴ・クリコの歴史や信念に由来する安定感が感じられます。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■ブドウの品質■
最高ランクの畑であるグランクリュ、それに次ぐプルミエ・クリュの上質なブドウを主体に、50以上もの畑のブドウが使用されます。
それにより洗練された上質な味わいや、様々な特性を持った畑に由来する複雑性も持ったシャンパーニュが誕生します。
■3種のブドウ■
・ピノ・ノワール50~55%
・シャルドネ 28~33%
・ムニエ 15~20%
以上の3種と使用比率で生産されるシャンパーニュです。
ピノ・ノワールは厚みや骨格。
シャルドネは繊細さや上品さ。
ムニエは華やかさや優しさ。
を発揮する特徴があり、それらの要素が溶け合ったバランスの良さがあります。
■長期瓶内熟成■
ノンヴィンテージのシャンパーニュの瓶内熟成の規定は最低15ヶ月ですが、このシャンパーニュは最低36ヶ月の長期熟成を実施しており、旨味や奥深さを生みだす澱との接触期間を長くしています。
※ただしどの生産者も規定よりも長く熟成期間を設けている場合がほとんどです。
【外観】
輝くレモンゴールド
豊富でクリーミーな泡立ち
【香り】
青リンゴや柑橘類にラフランスや白い花など、爽やかでフルーティな香りが広がり、ほんのり蜜の甘やかさやトーストの芳ばしいニュアンスも優しく広がります。
【味わい】
クリーミーな泡は優しい口当たりで、膨らみのある優しい果実味は仄かな甘味を伴い適度なコクも感じられます。
美しい酸はそれらの味わいをバランス良く整え、少しの苦味に果実やトーストの香りを伴った、心地よい余韻へと導かれます。
《飲む時の適正温度》
【4℃~12℃】
しっかり冷すと酸味や凛とした味わいが際立つ効果があり、エレガントで爽快な飲み口が楽しめます。
少し温度を上げれば果実感や複雑な風味が広がる効果があり、優雅な味わいが楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
飲み頃は【購入後1年以内】
買った時が飲み頃で、生き生きとした味わいを楽しむには1年以内に飲んでしまった方が良いでしょう。
適切な保存で2年程度は楽しめますが、保存が悪かったり熟成させすぎると生き生きとした風味は抜け、枯れた印象の味わいになってしまいます。
ですから買ったら早めに飲んだ方がフレッシュな風味が楽しめ、常温で長く放置されている可能性があるようなお店では、買わない方が良いでしょう。
当たり年は【ありません】
複数年のヴィンテージのワインをブレンド(アッサンブラージュ)して造られるシャンパーニュであり、年による品質の差は少ないです。
当たり年を意識するのは、単一年のブドウのみで造られたヴィンテージシャンパーニュ(ミレジメ)の場合だけという事です。
《適正グラス》
【フルート型グラス】
美しい泡立ちを見れますし、空気に触れる部分も少ないため、温度も上がりにくいと同時に炭酸も抜けにくい形状に設計されています。
シャンパーニュの華やかさは、グラスの美しい外観によってもさらに引き立ちます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
アワビバター
天ぷら各種をレモンと塩で
など、ふくらみのある果実味と適度な複雑性を持った、バランスの良いヴーヴ クリコ イエロー ラベルは食前酒にも適しますし、適度なコクを持った味わいの料理との相性が良いですが、爽やかな発泡性と美しい酸は口の中をスッキリさせる効果もあり、どんな料理にも適応する万能性があります。
また、【パリッ】【サクッ】とした食感の料理、例えば薄い生地のピザや揚げたての天ぷらなどには、シャンパーニュの【シュワツ】とした飲み口はとても相性が良いですね。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「なかなかコクもあって良いシャンパンだけど、定番すぎてなぜか物足りなさを感じてしまった。」
「悪いとは思わないし深さもあって美味しいけどね・・。これはシャンパーニュ全般に言えるけど、どうしても割高感を持ってしまうんです・・。私って味オンチなのかしら。」
【良い口コミ】
「口に含んだ時の泡のきめ細かさ、これは紛れもなくシャンパーニュ。いつものデイリースパークリングとは違いますね。バタークッキーを思わせる香りと、ふくよかな果実味に大人っぽいほろ苦さが複雑性を高めます。流石安定感ある美味しさです。」
「ブラインドで飲んだんだけど、やっぱ良くできたシャンパンだよ。長年愛される万能性を感じるね。」
「際立つ特徴は無いけど安定感のあるヴーヴグリコ。 特徴を強いて言うなら、樽感強めで、リンゴのような香りかな。 スタンダードラインならモエよりこちらが私は好み。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 57%
普通 40%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
安定の美味しさという印象が非常に強かったですね。
感動するほどの奥深さやスケール感はありませんが、適度なコクや奥深さを持った品質に納得している方が非常に多く、否定的なコメントもほぼ見受けられませんでした。
モエの時もそう思いましたが、やはりずっと売れ続けているワインには、それ相応の味わいがあるものだと感じる結果となりました。
いろんなシャンパンに興味があり楽しむような方に対しては、定番すぎておもしろみに欠けるかもしれませんが、安定感のある品質は信頼できますし、定番の味わいを知るという意味でも、とても優れたシャンパーニュとも言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
それでは最後に情報整理です。
ヴーヴ クリコ イエロー ラベルは
【価格】
4500~6000円
【味】
ふくよかな果実感に美しい酸味、ブリオッシュを思わせる甘く芳ばしいニュアンスや、ほのかな苦味などの複雑性も感じられる品質でバランスが良い。
【飲み頃と当たり年】
飲み頃は【購入後1年以内】
当たり年の概念は無い。
【口コミ】
感動するほどの奥深さやスケール感は無いが、適度なコクや奥深さを持った品質に納得している方が非常に多く、否定的なコメントもほぼ見受けられない。
青=ポメリー
赤=パイパー・エドシック
黄=ヴーヴ・クリコ
という事で、あとは緑とピンクで完成ですね。
どれにしましょう。
サロンが緑だと緑が強すぎる気もしますし、ピンクはやはりロゼで、その銘柄も多すぎて・・
「俺が俺が!!私が私が!!」
と、なりそうです。
・・・。
私は何を言っているのですか?
私の場合ゴレンジャーよりも、むしろゴレンジャイ世代ですが、そんな他愛も無い話をしてみても、ちょっと楽しい時間が過ごせるかもしれませんね。
あなたにとって善きワインとの出会いが多くなることをお祈りしております。
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