北イタリアを代表する白ワイン生産者。
個人的にもかなりおすすめですが、一般消費者の方々の口コミ満足度も上々。
特に個性あふれるピノグリージョは、経験豊富なワインラバーの方々も含め非常に多くの方を楽しませており、イタリアを代表するピノグリージョとして紹介すべきだと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ヴィエ ディ ロマンス デッシミス ピノ グリージョ
《価格》
【5000前後】
《ブドウ品種》ピノ グリージョ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>フリウリ ヴェネツィア ジューリア州
《生産者》 ヴィエ ディ ロマンス
ヴィエ ディ ロマンスは北イタリア白ワインの巨匠と呼ばれるジャンフランコ ガッロ氏が運営する、フリウリ ヴェネツィア ジューリア州のワイナリー。
初代から約1世紀に亘ってワイン造りを行ってきたガッロ家でしたが、1978年から3代目のジャンフランコ ガッロ氏が参画し、様々な改革を実施することで飛躍的に成長しました。
非常に経験豊富な同氏ですが、2021年現在も経験だけに頼らず様々な手法を研究し検証を実践しており、さらなる進化を継続しています。
ちなみにワイナリー名である「ヴィエ ディ ロマンス」は「ローマ人の道」という意味。
ワイナリーがある場所にローマ時代の道が有ることに由来しています。
さらに詳しくは輸入元であるモトックス様のページで確認できます。
《味わいの特徴》
伊ピノグリージョの最高峰
果実感たっぷりながら
ドライで奥行きある味わい
このワインの特徴は、ほんのりピンクがかった特徴的な色合いと、ボリューム感と気品を兼ね備えたバランス良い味わい深さにあります。
【外観】
輝きのあるピンクゴールド
【香り】
白桃、リンゴ、グレープフルーツ、黄桃など様々な果実の複雑でふくよかな芳香に、ほんのり蜜や樽のニュアンスも感じられます。
【味わい】
粘性のある質感。ボリューム感のある果実味は甘味は控えめでドライな飲み口で、塩気を伴ったようなミネラリーな旨味が心地よく広がります。同時に少しの苦味がアクセントになっており、穏やかな酸が優しく味わいをまとめると、複雑な風味を残した余韻が続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■当主の哲学■
輸入元モトックス様のページより引用
「決して投資目的や流行に流されるのではなく、良いワインを造るにはテロワールに最も適したブドウ品種を栽培し、凝縮したブドウを作り、完熟期を迎えたブドウを最高のタイミングで収穫することだ。」
そのような哲学を持つのが当主のジャンフランコ ガッロ氏。
土地の個性を存分に吸い上げた完熟ブドウを使用することで、ボリューム感のあるワインが誕生します。
■品種の個性■
このワインに使用されるピノ グリージョのグリージョとは灰色(グレー)の意味で、果皮が灰色を帯びた紫色をしていることが名前の由来。そのため完熟したピノ グリージョを搾った時の、果皮から抽出される色素が特徴的なピンクがかった色調を生んでいます。
また、白桃やメロンやマンゴーなどの豊かな香りを持ち、味わいも穏やかでジューシーになるのがこの品種の傾向です。
■自然環境■
ワイナリーは地中海にもアルプスにも近い位置にあります。
温暖な地中海性気候に由来する豊潤でリッチな果実味。
昼夜の温度差が大きい大陸性気候が生み出す凛としたミネラルやキレイな酸。
その両方の気候が融合する地点では豊潤な果実味を持ちつつミネラル感のある、絶妙なバランスを持ったワインが誕生します。
■樽の効かせ方■
9ヶ月間の熟成に使用される樽は
新樽が32%
2年目の樽42%
3年目の樽26%
この数値は年によって変動するかもしれませんが、樽の風味が最もワインに反映するのが新樽で2年目3年目と続きます。
芳ばしい樽の風味を付けることで複雑さが高まりますが、ブドウの繊細なニュアンスを覆い隠さない程度の樽の風味になるように調整されています。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味が際立ち引き締まった印象。軽快な飲み口が楽しめます。
少し温度を上げれば穏やかな印象。ボリューム感のある風味の広がりが楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から2~12年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【中庸で膨らみのあるグラス】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
香りが取りやすく温度も上がりやすい膨らみのあるグラスで飲めば、複雑でボリューム感ある味わいが楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ボンゴレビアンコ
チキングリル
厚みのある果実味と奥行きのある味わい深さのある白ワインで、サッパリとした料理というよりは適度にコクのある料理との相性が良いでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
2年熟成の2015はワイン自体は美味しいけど、酸が穏やかなので酸が効いたマリネにはボチボチの相性。ポテトサラダの方がよく合いました。
【良い口コミ】
ピノグリージョの完成形のひとつかと思わせる凄みを感じた銘柄。6年熟成の2012は鮮やかなピンクですが、時間経過でキラキラ光るゴールドになり、その輝き方が突き抜けています。香りはオレンジや白桃は感じますが、あくまで一部であり非常に多層的で表現し難い複雑な果実香。そして口に含んで最初に感じるのがマイルドな苦味。(普通苦味は後に来るはずだが)塩気を伴ったような非常にミネラリーな味わいで酸も丸く、果実感は奥の方に潜んだ感じ。この時点で感じるジンジャーやキャラメル香は辛口ワインでは初めてで、経験した事のない余韻が続く。
今まで経験したことない感じだけど、これはかなりうまい!!♪まずはグラスに注いだ瞬間の白桃のようなピンクがかった色にびっくり!香りも白桃に蜜のニュアンス。トロミのある質感で、白桃系の凝縮された果実味があり、塩気を感じるようなミネラル旨味がありますね!
3年熟成の2018は独特の色調と溢れる芳香。これはイタリアで最も優れたピノグリージョだと思う。
妖艶さと清潔感を持ち合わせた味わいにメロメロ~♥2年熟成の2015は魅力的なピンクイエローで、芳醇な果実香。ボリューム感のある果実味はリンゴのような甘酸っぱさがあり、まろやかなコクもあり甘美だけど、ピリッとしたスパイス感もアクセント。あ~、魅惑の世界に引き込まれる~~(笑)
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 0%
美味しい 57%
普通 43%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
特徴的な色調と味わいで、経験豊富なワインラバーの方々を楽しませている印象。
感動レベルの評価こそありませんでしたが、ワイン自体に対するネガティブコメントは見る限りゼロ。
複雑でボリューム感のある味わいへの満足感は高く、チラホラ見られる熱のこもったコメントも印象的で非常に興味深い銘柄と感じました。
コメントでも見られるように、私の知る限りではイタリア最高のピノグリージョの白だと思われます。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ヴィエ ディ ロマンス デッシミス ピノ グリージョは
【価格】
5000前後
【味】
白桃、リンゴなど様々な果実の複雑な芳香。
粘性のある質感で、ボリューム感のある果実味は甘味は控えめでドライな飲み口。塩気を伴ったようなミネラリーな旨味が心地よく広がり、同時に少しの苦味がアクセント。穏やかな酸が優しく味わいをまとめると、複雑な風味を残した余韻が続く。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~12年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
感動レベルの評価こそ無いが、ワイン自体に対するネガティブコメントは見る限りゼロ。
複雑でボリューム感のある味わいへの満足感は高く、チラホラ見られる熱のこもったコメントも印象的。
コメントでも見られるように、私の知る限りではイタリア最高のピノグリージョの白だと感じた。
以上です。
今回は客観的で個人的な解釈として最も評判が良いと感じたピノグリージョを紹介しました。
しかし、個人的にもヴィエ ディ ロマンスのシャルドネやソーヴィニョンブランやメルローも経験済みで、南国系のボリューム感と冷涼な産地の凛としたミネラル感を両立した味わいは素晴らしいと感じています。
つまりどの銘柄も人気で安心できる生産者だと感じており、それらのラインナップも下記リンクで紹介されていますから参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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