ノンヴィンテージのシャンパーニュの中で一番好きなのは?
その質問にこの銘柄を挙げた方が最も多かったらしいですね。
個人的にはシャルル・エドシックやルイ・ロデレールの方が好きですが、飲み応えのあるやや男性的な味わいは人気が集まるのにも納得できますし、ボトルデザインのカッコよさではトップクラスでは?とも感じています。
さて、シャンパーニュを手掛ける生産者は数知れませんが、その中でも実際多くの日本の消費者の方々に飲まれ(口コミされ)、そして口コミ評価の高い銘柄はどれか。
そのような好奇心の元、私は信憑性の高い口コミが見られるVinicaを使って調べてみました。
その結果日本で購入可能で主要なおよそ100の生産者の中でも、特に高評価を獲得していると感じたのは25の生産者達。
今回紹介するボランジェ スペシャル キュヴェは、非常の多くの方々に口コミされており、その品質への評価も一定の高さを維持している印象で、やはり外す事の出来ない優良生産者である事を確認する結果となりました。
グッと飲み応えのある上質シャンパーニュが飲みたい時、あるいはシャンパーニュ好きのあの方への贈り物を選ぶ時、風格漂うボトルデザインと高い品質はきっと役に立ちます。
それでは始めましょう。
《ワイン名》 ボランジェ スペシャル キュヴェ
《価格》
【5000~7000円】
《ブドウ品種》
・ピノ・ノワール
・シャルドネ
・ムニエ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>シャンパーニュ地方
《生産者》 ボランジェ
【ここで簡単にプロフィール】
ボランジェは1829年、ジャック・ボランジェ氏によってアイ村に創設されたシャンパーニュ・メゾン。
ブドウを仕入れてシャンパーニュを製造するNM(ネゴシアン・マニピュラン)ですが、使用するブドウの約70%は自社畑のグランクリュとプルミエクリュによるもので、自社のこだわりが色濃く反映された品質で多くの飲み手を魅了。
その品質の高さもあり、1884年には英国王室御用達を拝命、数々のワイン誌での評価も高く、映画「007」でジェームズ・ボンドが愛飲していたことでも知られる。
長年の経験に基づく生産における厳しい製法と基準を表す「倫理と品質」を「ボランジェ憲章」として発表したのは1992年。
現在もそのスタイルを貫き高い品質を維持している。
《味わいの特徴》
洗練された充実感
飲み応えのあるシャンパーニュ
このワインの特徴は、重厚感と品格を感じさせるボトルデザインそのままに、芳醇な芳香性に厚みのある果実味や引き締める酸など、質の高い様々な成分の充実感が感じられる品質にあり、飲み応えのある上質シャンパーニュと言えます。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■ピノ・ノワール主体■
味わいに厚みや骨格をもたらすピノ・ノワールを60%の比率で造られるシャンパーニュで、そのような充実感のある味わいを軸に、シャルドネやムニエに由来する上品さや優しさも感じられるバランスや複雑性も持ち合わせます。
■優れたブドウ■
このワインに使用されるブドウは、シャンパーニュにおける最高格であるグランクリュと、それに次ぐプルミエクリュのブドウを合わせて約80%使用されます。
洗練され充実感のある成分を持ったブドウが使用されているという事です。
■リザーヴワイン■
ノンヴィンテージのシャンパーニュには複数年のブドウから造られたワインが混ぜられますが、このシャンパーニュには5~10年の熟成を経たリザーヴワインが5~10%加えられます。
これにより円熟した果実感などの深みが加わり、より複雑性は高まります。
■長期瓶内熟成■
ノンヴィンテージのシャンパーニュの瓶内熟成の規定は最低15ヶ月ですが、36ヶ月の長期熟成を実施。
旨味や奥深さを生む澱との接触期間を長くしています。
※ただしどの生産者も規定よりも長く熟成期間を設けている場合がほとんどです。
【外観】
深みのある輝くゴールド。
きめ細かで豊富な泡立ち。
【香り】
柑橘類やリンゴの果実香に白い花の華やかさ、蜂蜜やトーストの優しいニュアンスもハッキリと感じられます。
【味わい】
キメの細かな泡はなめらかな口当たりで、厚みのある果実味を爽やかな酸が引き締めます。
心地よいコクも感じられる味わい深さは、少しの苦味をアクセントに持ち、果実香に蜂蜜やトーストなどの複雑な風味を残した余韻へと導かれます。
《飲む時の適正温度》
【4℃~12℃】
しっかり冷せば酸味や凛とした味わいが際立ち、キレ味の良い爽快な飲み口が楽しめます。
少し温度を上げれば果実感や複雑な風味が広がり、ボリューム感のある優雅な味わいが楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
飲み頃は【購入後3年以内】
飲み頃のタイミングで販売されていますから、買ったらなるべく早く飲んでしまった方が良いでしょう。
数年の熟成で円熟した風味の広がりも楽しめますが、保存が悪かったり熟成させすぎると風味は抜け、どこか枯れた印象の味わいになってしまいます。
そもそもいつ出荷された物なのかがわからない事も多いので、早めが良いという意味合いもあります。
※ただし口コミでは購入後10年経過しても、円熟した果実味が現れ美味しかったという意見もありました。
当たり年は【ありません】
いくつかのヴィンテージのワインをブレンド(アッサンブラージュ)して造られるもので、年による品質の差は少ないという事です。
当たり年を意識するのは、単一年のブドウだけで造られたヴィンテージシャンパーニュ(ミレジメ)の場合のみですね。
《適正グラス》
【フルート型グラス】
シャンパーニュの華やかさは、泡立ちも見られるグラスの美しい外観によってもさらに引き立ちます。
また空気に触れる部分も少ないため、温度も上がりにくいと同時に炭酸も抜けにくい効果もあります。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
バーニャカウダ
地鶏のグリル
など、厚みのある果実味と複雑性にコクを持ったボランジェ スペシャル キュヴェには、適度なコクを持った料理との相性が良いですが、豊かな発泡性と美しい酸は口の中をスッキリさせる効果もあり、強めの味わいを持った料理にもマッチする適応力があります。
また、揚げたての天ぷらや皮目をパリッと焼き上げた地鶏など【サクッ】【パリッ】とした食感には、【シュワツ】としたシャンパーニュはとても相性が良いですね。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「ノンヴィンテージのシャンパーニュで最も人気の高い銘柄なのにね・・。果実感もミネラル感も弱くゴム臭い感じ。ブショネか?・・。」
【良い口コミ】
「開けたての力強い味わいも良いのだけど、個人的には翌日のまろやかさのある味わいが特に気に入ってるんだ。」
「やや濃い目のイエローで溌溂とした泡立ち。火を入れたリンゴや黄桃のニュアンスが広がり、カラメルにブランデー、ナッツのニュアンスも複雑性を高める。ピノ主体という事でかなりボディのある印象でコクもしっかり、大変充実感があり満足の一本でした。」
「ちょっと男っぽいというか力強さが特徴で好きなんです。チェリーやリンゴの果実香にトーストの芳ばしさ。柑橘系果実の味わいに蜜の甘やかさもありますね。」
「ボトルデザインの重厚感も魅力的な上質王道シャンパーニュ。クリーミーな泡立ちからフルーツ各種の豊潤な香りに少しのトースト香。キレの良い酸に苦味もアクセントに心地よい。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 44%
普通 50%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
有名で有力な生産者という事で、非常に多くの方々がこのシャンパーニュを口にしている事が印象的で、品質劣化以外では特に否定的なコメントは見当たりませんでした。
とは言え、感動的評価を与える方もほぼいなく、力強さと複雑性を適度に持ち合わせた品質に納得の美味しさと感じた方が多かった印象です。
私自身もボランジェの厚みのある味わいは体感済みで、皆様のような納得の品質というニュアンスは共感できますし、重厚で細身のネックを持ったボトルデザインのセンスの良さも、魅力の一つではないかと思う結果となりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
それでは最後に情報整理です。
ボランジェ スペシャル キュヴェは
【価格】
5000~7000円
【味】
芳醇な芳香性に厚みのある果実味や引き締める酸など、質の高い様々な成分の充実感が感じられる品質で飲み応えがある。
【飲み頃と当たり年】
飲み頃は【購入後3年以内】
当たり年の概念は無い。
【口コミ】
否定的な評価や感動的評価は無く、力強さと複雑性を適度に持ち合わせた品質に納得の美味しさと感じた方が多かった印象。
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