優れたシャンパーニュ生産者を語る時、ボランジェを挙げる方も少なくないでしょう。
人気も実力も申し分ない生産者である事は、知名度もさることながら沢山の口コミからも確認済みのボランジェですが、実はクレマン・ド・ロワールも手掛けています。
クレマン・ド・ロワールの中ではモンムソーが最も有名でたくさん飲まれている印象ですが、それに次ぐのがシャトー・ド・ロレと今回紹介するラングロワ シャトー。
どの生産者もシャンパーニュほどの感動はありませんが、日常を彩るには十分満足できると感じる方が多数で、ボランジェの一員となったラングロワ・シャトーも例外なく、見逃せない良質クレマンを生んでいる事がわかりました。
《ワイン名》 ラングロワ シャトー クレマン ド ロワール ブリュット
《価格》
【2000円前後】
《ブドウ品種》
・シュナン ブラン
・シャルドネ
・カベルネ フラン
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>コート・デュ・ローヌ地方
《生産者》 ラングロワ シャトー
ラングロワ・シャトーは1885年設立の歴史あるワイナリー。
ロワール地方のソーミュール地区に本拠地を置く生産者で、1973年からはシャンパーニュの有力生産者であるボランジェ・グループの一員となっています。
そのような業務提携を申し入れたのは、高い品質のクレマンに惚れ込んだボランジェ側。ボランジェの資金力と緻密な管理によって更なる進化を遂げている生産者です。
《味わいの特徴》
爽快さと適度な厚み
バランスに優れた
コスパ・スパークリング
このワインの特徴は、爽快な泡とキレの良い酸を持った軽快さの中に、適度な厚みを持った果実味やコクを持ち合わせたバランスの良さにあります。
シャンパーニュほどの奥深さはなくとも決して安っぽくもない味わいは、優良コスパ・スパークリングと呼べます。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■リュット・レゾネ■
農薬や化学肥料を極力使用しない減農薬農法(リュット・レゾネ)を実践しており、天然酵母をはじめとする微生物などの働きも加わった健全で成分豊かな土壌が育まれ、その成分を吸い上げたピュアなブドウが育ちます。
■手摘み■
機械を使わず手作業にこだわる生産者で、ブドウを傷付けない手摘み収穫もその一例です。
丁寧に育てられ、そして収穫されたブドウは健全で、雑味の無いピュアな味わいをワインに反映させます。
■長期瓶内熟成■
シャンパーニュと同じ製法のトラディショナル方式(瓶内2次発酵)を行うクレマン・ド・ロワールで、その法定熟成期間は最低12ヶ月ですが、倍である24ヶ月の熟成期間を設けています。
これは旨味や奥深さを生む澱との接触期間を長くする狙いがあります。
【外観】
淡いイエロー
細かで豊かな泡立ち
【香り】
レモンや青リンゴのフレッシュさに、ライチや蜜りんごのフルーティーなさ、白い花の上品な華やかさなどが一体となり、心地よく広がりを見せます。
【味わい】
豊富ながら細かな泡立ちはしなやかな飲み口で、適度な厚みの果実味は少しの甘味を伴っています。
美しい酸味が味わいをまとめると、心地よい果実感とコクを残した上品な余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【6℃~10℃】
冷たくするほど酸味が際立ち、キレ味の良いフィレッシュな飲み口が楽しめます。
少しだけ温度を上げれば、果実味や甘味などの風味の広がりを楽しめますが、温度を上げ過ぎるとキレが弱まり、ぼやけた印象の味わいになってしまうでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
飲み頃は【購入後1年以内】
このワインは既に飲み頃のタイミングで売られていますから、購入後1年以内に飲む事をおすすめします。
適切に保存すれば2年程度は楽しめるでしょうが、熟成させすぎると風味は抜け、どこか枯れた印象の味わいになっていきます。
ですから買ったら早めに飲んだ方が良く、常温で長く放置されている可能性があるようなお店では、買わない方が良いでしょう。
※ヴィンテージや当たり年の概念はありません
複数年のブドウから造られたワインをブレンドして造られるため、そのような概念がありません。
《適正グラス》
【フルート型グラス】
空気に触れる面積が少ないため、温度が上がりにくいと同時に炭酸も抜けにくい形状に設計されています。
美しい泡立ちも見られますし、グラスの美しい外観によっても華やかさは引き立ちます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
生ハム
鮮魚のカルパッチョ
など、フレッシュで適度なコクもありバランスの良いラングロワ シャトーは、比較的カジュアルでほどよいコクのある料理との相性が良いですが、爽やかな泡と美しい酸は味わいをスッキリさせる効果もあるため、どのような料理にも無難に合わせられる適応力があります。
また、皮目をパリッと焼いた地鶏や天ぷらなどのように【パリッ】【サクッ】とした食感には、【シュワッ】としたスパークリングワインは相性が良いですね。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
このワインの悪い点を指摘する具体的コメントは見当たりませんでした。
【良い口コミ】
食前酒にピッタリのスッキリした味わいで酸味が丁度良い。カジュアルな価格も魅力的ですね。
思ったより豊かなクレマンですね。蜜りんごの香りが広がり、キレはありつつ甘味もしっかり。熟成を感じさせるコクはシャンパーニュを彷彿させる深みもあり、上質なマリアージュが楽しめますよ。
スッキリエレガントなブランドブランが好きな私にはツボかも。(笑) 淡いイエローで、豊富な泡立ちは持続性があります。レモンやハーブの爽やかさはシュナンブランらしい香りで、シャルドネやカベルネ・フランからは優雅さが表現されている感がありますね。しっかり冷やせばスッキリ辛口で、温度を上げるほど甘味や果実味が広がってきます🎵
白い花にグレープフルーツの上品で爽やかな香りに、ブリオッシュのニュアンスもほんのり。白ブドウ寄りのアロマだが、味わいは黒ブドウ由来の厚みを感じるね。シャンパーニュとは違うんだけど、十分に楽しめるクレマンだね。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 0%
美味しい 40%
普通 60%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
たまたまかもしれませんが、このワインを悪く評価するコメントは無く、価格の手軽さが悪く言わせない要因にもなっているのかと感じました。
感動を覚えるような味わいではないにせよ、手頃な価格のスパークリングにしては、そこそこ深さもあり、適度な甘味を爽快な泡と酸味が引き締めるバランスの良さに、高い好感を持った方が多かった事は印象的でした。
クレマン・ド・ロワールの中ではモンムソーが一番飲まれており、スッキリ系の味わいで楽しまれていましたが、このクレマンはシャトー・ド・ロレと並んでモンムソーに次ぐ口コミ量があり、評価は最も高い印象。流石ボランジェが手掛けるだけの事はあるな、という存在感を放っており、クレマン・ド・ロワールを選ぶ時の候補に入れるべき優れたワインだと確認する結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ラングロワ シャトー クレマン ド ロワール ブリュットは
【価格】
2000円前後
【味】
爽快な泡とキレの良い酸を持った軽快さの中に、適度な厚みを持った果実味やコクを持ち合わせたバランスの良さがある。
【飲み頃】
購入後1年以内
このワインは既に飲み頃のタイミングで売られているため、購入後1年以内に飲んだ方が良い。
適切に保存すれば2年程度は楽しめるが、熟成させすぎると風味は抜け、どこか枯れた印象の味わいになっていく。
【口コミ】
このワインを悪く評価するコメントは無く、価格の手軽さが悪く言わせない要因にもなっているのかと感じた。
感動を覚えるような味わいではないにせよ、手頃な価格のスパークリングにしては、そこそこ深さもあり、適度な甘味を爽快な泡と酸味が引き締めるバランスの良さに、高い好感を持った方が多かった事は印象的。
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