ジュラの赤ワインでおすすめだと感じた銘柄の紹介です。
ジュラはどちらかというと白ワインの人気銘柄が多い印象で、赤ワインは目立つ存在は少なかったです。
フィリップ ボールナールとピエール オヴェルノワは別格の存在感で赤も白も人気でしたが、売っていない。。。
ということでしたので、購入可能な赤ワインの生産者を調べてみると、浮上してきたのがサンピエールでした。
口コミの量こそ少なめですが、自然派らしい滋味深いピノノワールへの皆様の口コミ評価(vinica)は高く、知っておくべき銘柄だと感じました。
※ここでは特に評判が良いと感じた、ピノノワールから造られるサン ピエールとレ ゴートレットに対する解説をしますが、他の銘柄も評判は良いです。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》アルボワ サン ピエール ピノノワール
《価格》
【6000円前後】
《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ジュラ サヴォワ地方>アルボワ
《生産者》 ドメーヌ ド サン ピエール
ドメーヌ ド サン ピエールはジュラ地方のアルボワの東に位置する自然派生産者。
2020年現在当主のファブリス ドダン氏は、サン ピエールの前当主であるフィリップ モンクと出会い社員として勤務。ファブリス氏は2002年からビオディナミ農法を実践するようになり、2012年にフィリップ氏が亡くなった時にドメーヌを買い取りました。
自然派らしいピュアで滋味深い味わいのワインを生んでおり、ここで紹介しているピノノワールに限らず、口コミ満足度の高い銘柄を生産しています。
《味わいの特徴》
繊細さと奥深さを両立した
ピノノワールらしい味わい
このワインの特徴は、繊細で瑞々しい味わいでありながら、複雑で出汁の効いたような旨味が広がるピノノワールらしさが感じられるところです。
情報の少ないワインでしたが、わかる範囲でそのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■ピノノワールの個性■
透明感のある色調。強すぎない果実味とタンニン。綺麗な酸。出汁の効いたようなコク。このような女性的で上品なニュアンスを持つのがピノノワールの特徴です。
■土壌特性■
このワインに使用されるアルボワのブドウの畑は粘土質泥炭岩の土壌を持っています。
この土壌は豊富なミネラル分を持っており、その成分を吸い上げたブドウは、味わいに奥行きや旨味をもたらすミネラル分豊富なワインを生みます。
■ビオディナミ農法■
化学肥料や農薬を使用しないことはもちろん、天体の動きに合わせて緻密な農作業を行うビオディナミ農法を実践。
天然酵母など様々な生物の営みが反映された土壌は、健全で成分豊かな状態になり、その成分を吸い上げたブドウは土地の個性を反映した、ピュアで滋味深い味わいをワインにもたらします。
【外観】
透明感のあるルビーレッド
【香り】
ラズベリーやイチゴなど赤系果実の生き生きとした果実香に、バラの華やかさ、落ち着きあるドライフラワーや大地を感じさせる腐葉土のニュアンスも感じられ、複雑さがあります。
【味わい】
透明感のあるピュアな果実味はタンニン控えめで軽やかな飲み口。出汁の効いたような旨味がある事で奥行きのある味わいを表現しています。生き生きとした酸味が上品に味わいをまとめると、繊細ながら心地よい旨味や複雑な風味を残した余韻が長く続きます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
少し冷やし気味にすれば酸味が際立ち、軽やかな飲み口になります。
温度を上げるほど酸は穏やかに感じられ、甘味や風味の広がりある味わいを楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~15年
※一般的傾向から推測
※ワインの飲み頃についての知識は、
第10回【品種・タイプ別 赤ワイン・白ワインの飲み頃】
でも確認できます。
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
香りが取りやすく甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
キノコのリゾット
鴨鍋
など、ほどよい強さの味わいを持つ料理との相性が良く、大地の恵みを感じるようなピュアなワインの味わいは、野性味のあるジビエ料理などとの相性も良いです。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
3年熟成の2016は還元臭が強い。これを飛ばすには時間が必要ですね。家で飲むなら翌日まで持ち越しできましたが、レストランでは厳しいかな。 ※レ ゴードレット
【良い口コミ】
6年熟成の2014は熟したピノの妖艶な香りがたまりません!!これはまさに飲み頃に入った事を物語っていますね♪
※レ ゴードレット
鴨の野性味とピノの滋味深さは鉄板の相性♪6年熟成の2012は、まさにそれ!!
※サン ピエール
薄旨というよりは濃旨だね。豊潤な果実味と和風出汁を思わせる旨味。3年目の今でも楽しめるが、長期熟成にも耐えることがわかる味わいだ。
※レ ゴードレット
軽やかなんだけど、じんわり広がる旨味がしっかり。6年熟成の2011.美味しいです♪
※サン ピエール
という皆様の声でしたが、その他にもたくさんの口コミがありました。
若い場合、還元臭が抜けきらなかった意見もありましたが、その他に否定的なコメントは特になく、大半の方が出汁が効いたような滋味深い味わいに好感を持っている傾向。
価格もまあまあですが、ブルゴーニュのピノを考慮すればお値打ちとも考えられなくはない印象です。
そして、ジュラの自然派ピノというチョイスはとても珍しいので、ちょっと変わった美味しいピノを選ぶ時などに重宝しそうな銘柄だと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
アルボワ サン ピエール ピノノワールは
【価格】
6000円前後
【味】
繊細で瑞々しい味わいでありながら、複雑で出汁の効いたような旨味が広がるピノノワールらしさが感じられる。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~15年
※一般的傾向から推測
【口コミ】
若い場合、還元臭が抜けきらなかった意見もあるが、その他に否定的なコメントは特になく、大半の方が出汁が効いたような滋味深い味わいに好感を持っている傾向。
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