コスパブルネッロの最有力。
主要なブルネッロを生む45の生産者の口コミ(vinica)を全て読んでみた結果、客観的な個人的解釈として、コスパという意味では最も満足度が高いと感じた生産者です。
比較的若いうちから楽しめ、熟成後も味わいは向上。
さらに40年を超える熟成物への感動的評価も非常に興味深く、それほどポテンシャルの高い銘柄なのだと思えました。
優れたブルネッロをお値打ちに購入するならば、必ず候補に入れるべき銘柄です。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ブルネッロ ディ モンタルチーノ イル ポッジョーネ
《価格》
【4000~6000円】
《ブドウ品種》サンジョベーゼ(ブルネッロ)
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>トスカーナ州
《生産者》 イル ポッジョーネ
イル ポッジョーネは1800年代後半に始まり、5世代に亘ってワイン造りを営む歴史あるワイナリー。
ブルネッロ協会設立メンバーの一つでもあり、モンタルチーノで5本の指に入る規模の生産者です。 2021年現在はレオポルド氏を中心に、伝統と新しい技術を組み合わせたワイン造りを実践しており、醸造を担うのはブルネッロ協会の会長を2度務めたファブリッツィオ ビンドッチ氏です。 そんなイル ポッジョーネへの評価は高く、ワイン評論家のロバート パーカー氏からは満点5ッ星生産者の評価を獲得。
今回紹介しているブルネッロは、同じく評論家のマット クレイマー氏から品質とコスパにおいて絶賛されています。
《味わいの特徴》
コスパブルネッロの最有力
充実しバランスに優れる
このワインの特徴は、良質ブルネッロらしい複雑で深みのある香りと味わいがあり、果実味、タンニン、酸、旨味のバランスが整っているところ。
そして価格設定が極めて良心的で、コスパが非常に優れている点も見逃せない特徴です。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
ブルネッロはサンジョベーゼの別名で、厳密にはサンジョベーゼの亜種にあたるサンジョベーゼ グロッソを指します。
フレッシュで軽快な味わいを生む傾向のサンジョベーゼと比較して、サンジョベーゼ グロッソは分厚い果皮がある事からタンニンも豊富。
繊細さと力強さを両立し、長期熟成に耐えるワインを生みます。
■基本理念■
「ブドウ畑に細心の注意を払うこと」
これがワイナリーの基本理念。
具体的手法の情報がありませんでしたが、他の作物や野生動物などとの交互作用が重要という考えの下、土地やブドウの個性を表現するために数々の研究を繰り返しています。
■収量制限■
剪定を行うなど優れたブドウだけを残す収量制限を実施。
残されたブドウに成分が集中する効果もあり、凝縮感あるワインが生まれる理由の一つになっています。
■新しい醸造設備■
2004年に完成した醸造設備には、完璧な環境を整えた熟成庫が完備されています。
温度と湿度が年間を通して適切に保たれた環境で大樽で長期熟成されることで、健全な熟成感と適度な樽のニュアンスが反映されたワインが生まれます。
【外観】
透明感のある深いガーネット
熟成するほど淡いレンガ色に近づきます
【香り】
プルーンやブラックチェリーなど豊潤で心地よい果実香を主体に、ブラックペッパーやクローヴのスパイス。樽に由来するコーヒーやチョコレートに、革製品など野性味ある香りも加わり複雑さがあります。
【味わい】
凝縮感ある果実味は豊潤ですが甘味は控えめで、深みのあるコクと豊富でシルキーなタンニンが感じられるミディアム~フルボディの味わい。適度な酸味が味わいのバランスを整えると、スパイス、革製品、樽などの複雑な風味と、じんわりと広がる旨味を残した余韻が長く続きます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し冷やし気味にすれば引き締まった印象。酸やタンニンが際立ちエレガントな飲み口に。
温度を上げるほど穏やかな印象。甘味や複雑な風味の広がりが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から6~40年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、モンタルチーノのヴィンテージチャートも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1995年 4
1996年 3
1997年 5
1998年 4
1999年 5
2000年 4
2001年 5
2002年 2
2003年 3
2004年 5
2005年 3
2006年 5
2007年 5
2008年 4
2009年 4
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 5パーカー96点
2014年 3
2015年 5
2016年 5
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
適度な複雑さがある心地よい香りとバランス良い味わいを楽しむには、香りが取りやすく甘味を感じやすいバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
鴨鍋
天然ブリの照り焼き
適度なボリューム感と複雑性を持ち合わせたバランス良いワインです。
合わせる料理も適度なコクを持ったものが適切で、ワインの複雑な風味は野性味のあるジビエ料理ともマッチします。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
7年熟成の2013はバランス良く飲みやすい平均的なブルネッロ。欲を言えば変化する味わいがあればもっと良かったかな。
7年熟成の2014。早く開けた私が悪いんだよね。。。もっと熟成させた方が良いのはわかってるけど、早く飲みたくて。。。
結局3日目がいちばん美味く、ブルネッロ好きの私としては厳しめの並評価。
【良い口コミ】
サンジョベーゼのイメージを大きく変えてくれた一本!!7年熟成の2013は重厚かつ爽やかさがあり、タンニンはシルキー。キャンティのサンジョベーゼとは全然違う素晴らしさがありますね!!
もうダメでも仕方ないと思いつつ開けた1973は47年熟成。淡めの茶褐色でもう枯れたか!?と思いつつひと口。。。ゲ、キ、ウ、マ。はい激旨!!経験した事のない美味しさに感動。まだ生命力を残した若さを保ちつつ複雑でエロチック。2度と出会う事は無いであろう素晴らしい味わいで、すぐに飲み干してしまいました。
なんだかとても評判が良いこのブルネッロ。7年熟成の2013を飲み、その意味が理解できた。ドライフラワーや鉄分を感じる芳香。豊潤で明るい果実味は充実感があり、適度な渋味と豊富な酸。鼻に抜ける紫系の花の香りが心地よい。時間が経つほどに風味は広がり、トリュフやブラックペッパーのニュアンスが出てきますね。もっと待てば、さらに良くなりそうな予感がします。
このブルネッロはかなりコスパ良いです♪おすすめできますね♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 7%
美味しい 80%
普通 13%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
かなりハイレベルなコスパブルネッロが第一印象。
ややネガティブなコメントもありましたが極少数で、評価自体は普通程度というもの。
大半の方が充実感ある複雑な味わいに好評価を与えており、コスパの良さを褒める意見も多く見られました。
比較的若いうちから楽しめる傾向ですが、時間経過や数日後の方が満足度が高い印象。
印象的だったのは、40年を超える熟成物へのいくつかの感動的評価で、それだけの熟成に耐えるポテンシャルを持った銘柄なのだろうと感じました。
45の主要なブルネッロ生産者の口コミを調べましたが、手軽な価格帯のブルネッロで最も際立つ満足度を獲得している印象で、客観的で個人的な解釈としては、最もおすすめできるコスパブルネッロだと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ブルネッロ ディ モンタルチーノ イル ポッジョーネは
【価格】
4000~6000円
【味】
凝縮感ある果実味は豊潤だが甘味は控えめで、深みのあるコクと豊富でシルキーなタンニンが感じられるミディアム~フルボディの味わい。
適度な酸味が味わいのバランスを整えると、スパイス、革製品、樽などの複雑な風味と、じんわりと広がる旨味を残した余韻が長く続く。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から6~40年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
モンタルチーノのヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1995年 4
1996年 3
1997年 5
1998年 4
1999年 5
2000年 4
2001年 5
2002年 2
2003年 3
2004年 5
2005年 3
2006年 5
2007年 5
2008年 4
2009年 4
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 5パーカー96点
2014年 3
2015年 5
2016年 5
【口コミ】
ややネガティブなコメントもあるが極少数で、評価自体は普通程度というもの。
大半の方が充実感ある複雑な味わいに好評価を与えており、コスパの良さを褒める意見も多く見られた。
比較的若いうちから楽しめる傾向だが、時間経過や数日後の方が満足度が高い。
印象的だったのは、40年を超える熟成物へのいくつかの感動的評価で、それだけの熟成に耐えるポテンシャルを持つのだと感じた。
以上です。
価格面も含め非常におすすめしやすいコスパブルネッロだと感じました。
なぜ安いのかは調べる限りわかりませんでしたが。。。
大規模生産者だから?
わかる方おられましたらコメント歓迎いたします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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