「有名で上質なアマローネを1つだけ教えて下さい。」
そう聞かれたら私はアレグリーニを挙げます。
評論家やワイン誌での評価も抜群ですが、一般消費者の方々の満足度もべルターニやピエロパンと並んでトップクラス。
味わいだけで言えばジュゼッペ クインタレッリやダル フォルノ ロマーノが上回る印象ですが価格も別格。。。(3~5万)
調べるほどにヴェネト州では外すことのできない生産者だと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》アレグリー二 アマローネ
《価格》
【8000~1,1万】
《ブドウ品種》
・コルヴィーナ ヴェロネーゼ主体
・ロンディネッラ
・オセレタ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 やや甘口
《産地》 イタリア>ヴェネト州
《生産者》 アレグリー二
アレグリーニはヴェネト州のトップ生産者であり、イタリア屈指の生産者。
1920年にジョヴァンニ アレグリーニ氏によって設立され、3人の子供たちが継承。
2021年現在孫たちもワイナリーの仕事に従事しており、家族経営による利益よりも品質を大切にするスタイルを貫いています。 そんなアレグリーニへの評価は非常に高く、その一例は以下の通り。
・イタリアの権威あるガイドブック「ガンベロ ロッソ」で最高評価であるトレ ビッキエリを通算34回獲得。
※この回数はヴェネト州1位で、イタリア全土でも5位。
・2016年には同誌でイタリア最高のワイナリーに贈られる「ワイナリー オブ ザ イヤー」を受賞。 今回紹介しているアマローネはアレグリーニを代表し、その名声を築き上げた銘柄。
パーカーポイント4年連続95点以上や、ワインスペクテイター誌では1996年以降ずっと90点以上を獲得するなど、様々な評論家やワイン誌から高評価を獲得。アマローネを語る上でアレグリーニは外すことのできない生産者と言えます。
《味わいの特徴》
アマローネの代表格
凝縮された味わいは
甘美かつエレガント
このワインの特徴は、凝縮されたブドウに由来する非常に甘美でパワフルな味わいにありますが、適度な酸や洗練された雑味の無い味わいからはエレガントさも感じられ、アマローネを代表する生産者に相応しい味わい深さがあるところです。
【外観】
深いルビーレッド
【香り】
プラムやブラックベリーなど円熟した果実香に、レーズンなどドライフルーツのニュアンス。シナモンなどのスパイスやハーブ、樽に由来するバニラやチョコレートの風味も加わり、それらが一体となった芳香が優雅に広がります。
【味わい】
凝縮された果実味は心地よい甘味と深いコクを伴い、豊富でシルキーなタンニンと相まって飲み応えのある甘美な味わい。中程度の酸味が味わいを上品にまとめ少しのほろ苦さを感じると、複雑で優雅な風味を伴った余韻へと導かれます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■陰干ブドウ■
アマローネには収穫後3~4ヶ月陰干され、40~45%程度水分が抜けた干しブドウ状態のものが使用されます。
水分が抜け糖分やポリフェノールが凝縮されたブドウは非常に濃厚な味わいを生み、アルコール発酵は酵母の働きで糖分がアルコールに変化する現象のため、必然的にアルコール度数も高くなり(15%程度)パワフルな飲み口を表現します。
また、「アマローネ=苦み」を意味するように、ビターチョコを思わせる苦味が感じられるところも特徴的です。
■恵まれた立地条件■
アレグリーニが所有する畑は丘の頂上に近く、ヴァルポリチェッラの中でも上質なブドウが産まれるクラシコと呼ばれるエリア。
他のエリアに比べ寒くなりすぎないため豊潤な果実味が得られるほか、石灰岩主体の様々な土壌が入り混じる土壌はブドウ栽培に最適。また、西側にあるガルダ湖からはミネラルを含んだ風が吹くため、ミネラル豊富で奥行きのあるワインを生みます。
■樽熟成■
発酵を終えたワインはオーク樽で18ヶ月熟成後、ブレンドしてさらに7ヵ月間熟成されます。
コーヒー、チョコレート、バニラなどの樽の風味はワインの複雑さを高めています。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し低めの温度にすれば酸が際立ち引き締まった印象。上品な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど果実感や複雑な風味が広がり、ボリューム感のある優雅な味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、アマローネのヴィンテージチャートも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2000年 3
2001年 4
2002年 3
2003年 3
2004年 4
2005年 4
2006年 4
2007年 4
2008年 4
2009年 4
2010年 4
2011年 3
2012年 3
2013年 4
2014年 3
2015年 4
2016年 4
2017年 3
2018年 3
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、芳醇な香りと味わいをバランス良く感じやすくなります。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
牛肉の赤ワイン煮込み
ブルーチーズ
など、少々コクの強めの食材、あるいは味付けの施された料理との相性が良く、充実したワインと料理の味わいが互いを引き立てあうでしょう。
また、アマローネの甘味は塩分の強いブルーチーズやウオッシュチーズなどとの相性も良く、チーズの塩味がワインの甘味を引き立て、またワインの甘味がチーズの旨味を引き立て合う相乗効果が楽しめます。
逆に繊細な味わいを持った和食(刺身・鮮魚の塩焼き・寿司)などに合わせてしまうと、ワインの味わいが強すぎて料理の味わいが感じにくくなるためおすすめしません。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
試飲すると毎回美味しいな~と思うのですが、1~2杯で満足かな。そんなにたくさん飲める味わいではない。でも数日に分けて飲んだら3日目がとても良かったので、数日に分けて飲むなら良いかと。1日で飲むワインの選択肢としてはちょっと無いかな。。。
11年熟成の08は私には少し甘ったるいかな。
5年熟成の2013は状態悪いんかな?アマローネらしさが感じられず評判ほどの味わいとは思えませんでした。。。
【良い口コミ】
4年熟成の2015は癖になりそうな味わいだね。凝縮された果実の旨味に、焦がしキャラメルのような苦味を後口に感じる。
5年熟成の2016は率直に旨い。期待が高まるような香りはふくよかで、口当たり滑らか。言葉では表し難い複雑な甘味があり、タンニンは穏やかでミネラル十分。スパイスや後口に感じるハーブのニュアンスも複雑性を高めており、少量口に含むだけでも満足感が得られる素晴らしいアマローネであります。
優雅な気分になれるワインですね♪5年熟成の2015は高いアルコール度数と糖度の高いブドウを連想させる香りに、少しのキャラメルの風味もプラス。とてもパワフルな果実味が最初に来て、心地よい旨味も広がり適度な酸が味わいをまとめると、長い余韻があります。
5年熟成の2013は飲み始めは穏やかな印象でしたが、30分ほど経過したあたりから開き始め芳香が立ち上ります!これは温度上昇によるもので、ねっとりとしたアマローネは私の体温を上昇させる。干しブドウ的な甘味はありますが、ピュアなブドウのニュアンスやキレイな酸もあるから決して甘ったるくはなく、樽感も良いバランス。とてもボリューム感のあるリッチなテイストですね。少し冷やす事でスレンダーな印象になり、料理に合わせやすくなる印象です!!
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 14%
美味しい 64%
普通 22%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
充実感のある味わいへの高い満足度が印象的な銘柄でした。
甘味のある味わいやサラリと飲める味わいを求める方には向かない印象。
しかし、甘美で凝縮感ある味わいの中にフレッシュな酸による上品さも持ち合わせたバランスの良さがあり、大半の方が美味しいと認めている傾向。
中には感動的評価をされる方もチラホラ見受けられました。
数ある生産者が手掛けるアマローネの中では中価格帯の銘柄ですが、その満足度はべルターニやピエロパンと並んで最も高い印象で、良質なアマローネを選ぶ時の候補に必ず入れるべきと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
アレグリー二 アマローネは
【価格】
8000~1,1万
【味】
凝縮されたブドウに由来する非常に甘美でパワフルな味わいだが、適度な酸や洗練された雑味の無い味わいからはエレガントさも感じられ、アマローネを代表する生産者に相応しい味わい深さがある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
アマローネのヴィンテージチャートは以下の通り。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2000年 3
2001年 4
2002年 3
2003年 3
2004年 4
2005年 4
2006年 4
2007年 4
2008年 4
2009年 4
2010年 4
2011年 3
2012年 3
2013年 4
2014年 3
2015年 4
2016年 4
2017年 3
2018年 3
【口コミ】
充実感のある味わいへの高い満足度が印象的な銘柄。
甘味のある味わいやサラリと飲める味わいを求める場合には向かない印象だが、甘美で凝縮感ある味わいの中にフレッシュな酸による上品さも持ち合わせたバランスの良さがあり、大半の方が美味しいと認めている傾向。
中には感動的評価をする方も少数見受けられた。
以上です。
とても満足度の高い銘柄で、飲み応えのあるパワフルなワインをお探しの方に提案すべきと感じました。
ただし気軽に楽しめる価格帯ではないとも感じましたので、半額(4~5千)で楽しめるアマローネもあることをお伝えしておきます。
名前は「コルテ ジャーラ」同じくアレグリーニが手掛けるアマローネで、「普段からお楽しみいただけるワイン」というコンセプトで造られています。
今回紹介しているアマローネと比較すると、若干軽やか(それでもミディアム~フル)でややドライな味わい。
口コミもとても好印象の方が多く、おすすめできる銘柄だと感じました。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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