最も高品質なソアーヴェ。
個人的で客観的な意見ではありますが、たくさんの口コミ内容を解釈した限りジーニのトップキュベがそれにあたると感じました。
上級ブルゴーニュにも通ずる豊富なミネラル感は力強く気品ある味わいを表現しており、多くの飲み手を納得、あるいはソアーヴェらしからぬ味わいで驚かせています。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ジーニ ソアーヴェ コントラーダ サルヴァレンツァ
《価格》
【4000~5000】
《ブドウ品種》
・ガルガーネガ
・トレッビアーノ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>ヴェネト州
《生産者》 ジーニ
ピエロパン、アンセルミと共にソアーヴェ3大生産者に数えられるジーニ。
ソアーヴェ地域の中でも1700年代からブドウ栽培を営む最も古い生産者のひとつで、所有する畑の全てはソアーヴェの中でも特に優れたテロワール(ブドウを取り巻く環境)を持つクラシコエリアの中心部にあることでも有名です。
何世代にも渡ってワイン造りは継承されており、2021年現在サンドロとクラウディオを中心に家族によって運営されています。
今回紹介しているソアーヴェ コントラーダ サルヴァレンツァは、ジーニにおけるトップキュベ。
平均的なスッキリとしたソアーヴェとは一線を画す味わい深さがあり、様々な評論家やワイン誌、あるいは一般消費者に高く評価されている銘柄です。
《味わいの特徴》
別格のソアーヴェ
濃厚で気品ある味わい
このワインの特徴は、スッキリサッパリとして並質のソアーヴェとは一線を画すボリューム感ある味わい深さにあります。
凝縮感のある果実味や鉱物的なミネラル感からは力強くも品の良さが感じられ、トップクラスのソアーヴェらしい深く複雑な味わいが体感できます。
【外観】
鮮やかな黄金色
【香り】
パイナップルや桃などのトロピカルフルーツに、蜂蜜の甘やかさが加わったリッチな果実香。グレープフルーツなどの柑橘類、鉱物的なミネラル香、樽に由来するナッツやバニラのニュアンスも加わり、複雑で気品ある芳香が広がります。
【味わい】
円熟し凝縮感のある果実味は、少しの甘味と適度な酸が感じられるミディアム~フルボディの滑らかな飲み口。凛としたミネラル感は気品ある味わいを表現しており、心地よいコクや樽の芳ばしいニュアンスなど、複雑な風味を残した長い余韻が続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■優れた立地条件■
ソアーヴェの中でも特に優れたテロワール(ブドウを取り巻く自然環境)があるクラシコエリア。
ジーニの畑はそんなクラシコエリアの中心部にあり、火山性土壌に由来する豊富なミネラル感をはじめ、充実感ある成分を持ち合わせたブドウが育ちます。
■高い樹齢■
そんなクラシコエリアの畑の中でも、特に樹齢の高い古木(ヴィエイユ ヴィーニュ)のブドウだけを使用するのが最上級キュベであるコントラーダ サルヴァレンツァ。
若い樹に比べ土地の成分を吸い上げる能力が高いなど、優れたブドウが得られるのが古木で、その樹齢は2021年現在80年に及んでおり、中には100年を超えるものもあるほどです。
■自然派農法■
ブドウ栽培においては農薬や化学肥料は使いません。
土地の天然酵母など様々な生物の働きが加わった土壌は健全で成分豊かな状態になり、充実感あるワインを生む要因の一つになっています。
なおジーニでは牛糞などの動物性肥料も使わず、数年に一度畑を耕す時に豆類や雑草を掻き込むことで土壌を維持しているという事です。
■樽発酵と熟成■
樽で発酵を終えたワインは小樽で9ヶ月熟成され、バニラのような樽の風味が適度に反映されます。
平均的なスッキリとしたソアーヴェは樽を使わず、ブドウのピュアな味わいを表現しますが、逆に言えば樽の風味に負けてしまうから。
そういう意味において、樽の風味に負けないブドウの充実ぶりが窺い知れます。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味や凛としたミネラルが際立ち軽快な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、ふくらみのある飲み口が楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から4~10年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【小ぶりor膨らみのあるグラス】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
温度が上がりやすく香りも取りやすい膨らみのあるグラスで飲めば、広がりある味わいが楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
地鶏のタタキをレモンと塩で
豚肉のハーブグリル
アワビバター
厚みのある果実味や上質な酸とミネラル感のあるワインの味わいは、適度にコクのある料理との相性が良く、ミネラル豊富な魚貝類ともよく合います。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
このワインに対する具体的なネガティブコメントは見当たりませんでした。
【良い口コミ】
6年熟成の2013は実に素晴らしく、スッキリ軽快なソアーヴェの概念が覆る。黄金色の外観からパイン系のトロピカルフルーツの芳香。飲み口滑らかでコクも豊かだが、凛としたミネラル感や美しく伸びる酸が味わいを綺麗にまとめる。
ソアーヴェが軽い白だと思っている人にも是非試していただきたい。5年熟成の2015は蜜のようなコクを伴った密度の濃さで、古木のポテンシャルを思い知ることになるだろう。
これブラインドならブルゴーニュ?しかも気品あるミネラル感はピュリニーモンラッシェ?って思うかも!!5年熟成の2013はミネラルの豊富さが印象的です♪
9年熟成の2011はピンクグレープフルーツ、ナッツ、蜜、シナモン、樽の落ち着きある芳香。熟成感のある美酒だね。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 7%
美味しい 50%
普通 43%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
感動的な評価をされる方こそ少ない印象ですが否定的なコメントは見当たらず、スッキリとした平均的なソアーヴェには無い充実した味わいに、高い評価を与える方がとても多い銘柄でした。
また、若くしても楽しめる味わいを持ちつつ、熟成で円熟味が増すポテンシャルもあるワインである事も分かりました。
口コミを見る限りの客観的で個人的な感想としては、僅差ながらピエロパンやアンセルミなどの有力生産者のトップキュベを抑えて、最もハイレベルなソアーヴェだと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ジーニ ソアーヴェ コントラーダ サルヴァレンツァは
【価格】
4000~5000
【味】
スッキリサッパリとして並質のソアーヴェとは一線を画すボリューム感ある味わい深さ。
凝縮感のある果実味や鉱物的なミネラル感からは力強くも品の良さが感じられ、トップクラスのソアーヴェらしい深く複雑な味わい。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~10年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
感動的な評価こそ少ない印象だが否定的なコメントは見当たらず、スッキリとした平均的なソアーヴェには無い充実した味わいに、高い評価を与える方がとても多い。
口コミを見る限りの客観的で個人的な感想としては、僅差ながらピエロパンやアンセルミなどの有力生産者のトップキュベを抑えて、最もハイレベルなソアーヴェだと感じた。
以上です。
今回はジーニのトップキュベを紹介しましたが、さすがソアーヴェ3大生産者に数えられるだけあり、スタンダードキュベでも人気は高い印象です。
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