ヴォトピーヴェッチ ヴィトフスカ

おすすめ【白】ワイン

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ヴィトフスカ専門家であり最高峰

フリウリ州の土着品種であるヴィトフスカを手掛ける数ある生産者の中でも、際立って口コミ評判が高く、多くの生産者が手掛けるオレンジワイン全体の中でもトップクラスの満足感を与えている印象。

歴史こそ浅いですが、紹介すべき生産者だと感じました。

今回紹介する銘柄は、そんなヴォトヴィーヴェッチが手掛ける代表的ワインです。

この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。

《ワイン名》ヴォトピーヴェッチ ヴィトフスカ

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《価格》

9000前後

《ブドウ品種》ヴィトフスカ
《ボディ》  ミディアム~フルボディ
《甘辛》   辛口
《産地》   イタリア>フリウリ ヴェネツィア ジューリア州
《生産者》  ヴォトピーヴェッチ

プロフィール
ヴォトピーヴェッチはフリウリ州の土着品種であるヴィトフスカに特化した自然派生産者

代々農家を営む家系に生まれたパオロとヴァルテル兄弟が、本格的にワインを生産し始めたのは1997年のこと。(ヴァルテル氏は2007年に抜けています。)
カルソ地区を表現するのに最も適する品種は土着品種であるヴィトフスカと考えており、所有する畑の全てにヴィトフスカを植えました。
ストイックなまでに良いワインを産むための努力を惜しまない生産者で、他の優良生産者達からも「天才」と呼ばれており、その努力や評価など詳しくは輸入元であるヴィナイオータ様のページで確認できます。

今回紹介している銘柄は日本の多くの消費者にも高く評価されており、ヴィトフスカを代表するオレンジワインと言えるでしょう。

《味わいの特徴》

ドライで充実した味わい
自然なブドウの滋味深さがある

このワインの特徴は、自然のエキスを存分に吸い上げたブドウの房を丸ごとボトリングしたような滋味深い味わいであること。
円熟した果実味に適度な渋味と酸味があり甘味は控えめ。
そして鉱物的で凛としたミネラル感や豊富な旨味が、奥行きある味わいを表現しています。

 

【外観】
深みのあるオレンジ
熟成するほど琥珀色に近づきます

【香り】
洋梨、オレンジ、黄桃など円熟した果実の香りに、ドライアプリコットや蜂蜜のニュアンス。樽の芳ばしい風味も仄かに加わり、複雑で落ち着きある芳香が広がります。

【味わい】
円熟した果実味は厚みがありますが甘味は控えめでドライな印象。適度なタンニンと酸味、そして凛とした鉱物的なミネラル感は自然体でで奥行きある味わいを表現しており、滋味深い旨味と複雑な風味を残した余韻があります。

それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。

品種の個性
ヴィトフスカは同地区で生産されるシャルドネと比較すると、果実味は抑え気味で、凛としたミネラル感や清々しい酸を生み出す傾向があります。

土壌の個性
このワインが生まれるカルソ地区は地面のすぐ下に岩盤があり、土が少なく石灰質が豊富な痩せた土壌です。
このような土壌からは、鉱物的な凛としたニュアンスや塩気を伴ったミネラル感が現れるのが特徴的。
また、水はけが良い痩せた土壌では樹が成長しすぎず、樹は種の保存のために果実に栄養を集中させます。

自然派農法
農薬や化学肥料は使用せず、必要と判断した場合のみ牛糞をベースにした完熟堆肥を使用。(農薬を使用してない肥料で育った牛のもの)
土地の天然酵母など、様々な生物の営みが反映された土壌は健全で成分豊かな状態になり、そのエキスを吸い上げたブドウが育ちます。

高密植栽培
ブドウの樹を植える間隔をあえて狭くする高密植栽培を実施。
生存競争が高まることで地中深くまで根を伸ばし、その結果ミネラル豊富な地下水を吸い上げたブドウが育ちます。
ちなみに密植率は1haあたり10,000本で、これはブルゴーニュのグランクリュ(特級)クラスと同等で、平均的には5,000~7,000本とされています。

自然な発酵
収穫されたブドウは人工的に培養された酵母ではなく、果皮につく天然酵母だけで発酵(温度調節も行わない)しており、より土地の個性を反映した味わいを目指します。

マセラシオン
通常の白ワインはブドウを搾り果汁だけで発酵させますが、このワインは発酵と同時に皮や種などの固形物と共に約半年もの長期間漬け込まれます
この漬け込む工程をマセラシオン(醸し)と呼び、通常は5~14日程度
この長期間のマセラシオンを経ることで果皮から抽出される色素や渋味なども加わり、オレンジワイン独特の色調と味わいを生んでいます

アンフォラ発酵
樽やステンレスタンクではなく、土製の甕であるアンフォラで発酵(上記のマセラシオン兼アルコール発酵を半年行い、さらに果汁だけで半年発酵)しており、アンフォラの特徴は以下の通りです。
・余計な風味をワインに与えない。
・微量の酸素が供給されワインが呼吸できる。

大樽熟成
発酵を終えたワインは大樽で2年熟成されます。
小樽に比べ樽の風味が反映しにくいのが大樽の特徴で、ブドウのピュアな風味を覆い隠さない程度の樽の風味が付きます。

など様々な工程を紹介しましたが、「努力の天才」と呼ばれるだけあり様々なチャレンジを続けると思われます。
そのため、これらの手法は2021年現在調べた結果で、変化する可能性もあるでしょう。

 

《飲む時の適正温度》

10℃18℃
少し冷やし気味にすれば酸やタンニンが際立ち引き締まった印象。上品な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど酸やタンニンは穏やかな印象になり、複雑な風味の広がりが楽しめます。

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃》

ブドウ収穫年から5~15年
※一般的傾向や口コミから推測

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《適正グラス》

【中庸で膨らみのあるグラス】
香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、膨らみのあるグラスを選ぶことをおすすめします。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》


キノコのリゾット


豚肉のハーブグリル

通常の白ワインには無い味わい深さがあります。
合わせる料理もコクのある素材や味付けの施されたものが良く、野性味あるジビエとの相性も良いでしょう。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

《飲んだ人の口コミ》

ネガティブな口コミ


8年熟成の2011の抜栓初日はパッとしない感じ。7日間くらいかけて飲むと良いと教えてもらったので、ここからが本領発揮なのかな?


8年熟成の2010。アンフォラで発酵し熟成させたワインだけど、らしさが無く、思ったよりシンプルだと感じた。。。

良い口コミ

 
9年熟成の2010。アンズの柔らかな香りに少しの紅茶的ニュアンス。トロミのある質感で、厚みがあり芯のある飲み口は力強く、鉄っぽいミネラルと鋭角的な酸味が感じられるが、ややバランスが取れていない印象。でも、時間経過で落ち着きが出てきてどんどん飲みやすくなってきて、ポテンシャルの高さを見せつけられる感じに。料理と楽しみましたが、魚系の料理には生臭みが広がる感じがしてしまったが肉系にはよく合い、なぜか黒豆を煮たのと抜群の相性を発見できたのは楽しかった。

メガネが光る人のイラスト(女性)
8年熟成の2010。やや難解かもしれないが推薦したい一本。香りのボリューム感は控えめであり、時折南国系果実の甘やかさが垣間見える程度。厚みのあるシャルドネのリッチさの対極にあるようなスリムで骨のある味わいで、甘味や酸味はほぼ感じられない。口に残るのは滋味深いミネラル感で、どこかピノを思わせます。

 
2010ヴィンテージは10年の熟成によって滑らかで落ち着いた味わいに♪オレンジや紅茶を思わせる味わいは中華にもピッタリで、肉料理にも合いそう。しみじみと味わい深い熟成ワインです♪


7年熟成の2011はブドウの素の香り?とでも言えばよいのでしょうか。マンゴーとかの南国系果実にヨーグルト系の還元的ニュアンス。味わいはふくよかな果実感が最初に広がり、次に広がるタンニンを伴ったエネルギッシュな味わいが押し寄せる。これをミネラル感と言うのでしょうか。骨格ある味わいで威厳を感じます。そして2日目には落ち着いたのかアンズのような香りりから、丸みを帯びた味わいに変化しており親しみやすさが増した。全く化粧をしていないスッピンのワインと言う感じで、普段のワインから化粧を落としたら。。。いろんなことを考えさせてくれるワインでした。

 

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、

感動的!!     7%
美味しい     55%
普通       35%

良くない      3%

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

自然派ワインで、ヴィンテージ差やボトル差もある印象ですが、否定的な意見は少なく満足度は高い印象。

抜栓直後よりも時間経過(数日後まで)で味わいのバランスが整い、満足感が高くなる印象です。

個人的解釈ではありますが、ヴィドフスカを使用した銘柄では最高峰。(オレンジワイン全体としてもトップクラス)
エディカンテ、ニコリーニ、ヅィダリッヒも人気だと感じましたが、最も品質への満足度が高いのがヴォトピーヴェッチと感じる結果となりました。

まとめ

それでは最後に情報整理です。

ヴォトピーヴェッチ ヴィトフスカ

価格
9000前後


自然のエキスを存分に吸い上げたブドウの房を丸ごとボトリングしたような滋味深い味わい。
円熟した果実味に適度な渋味と酸味があり甘味は控えめで、鉱物的で凛としたミネラル感や豊富な旨味が、奥行きある味わいを表現している。


飲み頃
ブドウ収穫年から5~15年
※一般的傾向や口コミから推測

口コミ
自然派ワインで、ヴィンテージ差やボトル差もある印象だが、否定的な意見は少なく満足度は高い印象。
抜栓直後よりも時間経過(数日後まで)で味わいのバランスが整い、満足感が高くなる印象。
個人的解釈ではあるが、ヴィドフスカを使用した銘柄では最高峰。(オレンジワイン全体としてもトップクラス)

以上です。

当主であるパオロ氏は非常に努力家で知られるようですが、とてもイケメンなんですね。

そんなハンサムぶりも下記のリンク先で見られますから、興味のある方はぜひお試しください(笑)

あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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