「地獄」だけど「天国」の味わい。
濃厚ながらクドさがなく、ずっと飲んでいられるような心地よい味わいへの口コミ評価は上々。
マシャレッリと並んで押さえておくべき上級モンテプルチアーノだと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》マラミエーロ インフェリ
《価格》
【4500前後】
《ブドウ品種》モンテプルチャーノ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>アブルッツォ州
《生産者》 マラミエーロ
マラミエーロはアブルッツォ州の実力派生産者。
1900年代初頭からアブルッツォのペスカーラ地区でブドウ栽培を営む家系で、1960年代からワイン造りを本格化。
2021年現在、栽培はビオディナミ農法の専門家であるレオネッロ アレッロ氏。醸造はマシャレッリの醸造コンサルタントでもあるロメオ タルボッリ氏が担っています。
今回紹介しているインフェリはマラミエーロを代表する上級キュベ。
世界的なワインコンクールや雑誌などでも高い評価を獲得する銘柄です。
ちなみにワイン名である「インフェリ」は「地獄」を意味しており、最高責任者のアントニオ キャヴァローリ氏はインパクトのある名を付けたかったと事が理由と話しており、しかしながら味わいはまるで天国のようだとも語っています。
《味わいの特徴》
優しく濃厚かつ上品
洗練されたワンランク上の
モンテプルチアーノ
このワインの特徴は、凝縮感ある果実味と豊富でシルキーなタンニン、そしてバニラやコーヒーなどの樽の風味もしっかり感じられる優しく濃厚な味わいにありますが、適度な酸や雑味の無い透明感は、スルリと舌の上を流れるような上品さも持ち合わせているところです。
【外観】
紫がかった深いルビーレッド
【香り】
カシス、プルーン、ブラックベリーを思わせる円熟した黒い果実香に、樽に由来するバニラ、コーヒー、タバコのニュアンスも加わった複雑で芳醇な芳香が広がります。
【味わい】
円熟し凝縮感のある果実味は適度な甘味と深いコクを伴った濃厚な味わいで、豊富ながらシルキーなタンニンと相まって優しい飲み口。
適度で美しい酸味は濃厚な味わいをキレイにまとめる上品さがあり、洗練された雑味の無さは飲み応えがありながらスルリと口の中を流れるような飲み口。
充実した果実の風味と樽の風味を残した心地よい余韻が続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■生産者のポリシー■
「複雑味があっても理解しやすい味わい」
これがマラミエーロのポリシーで、熟練者でも初心者でも楽しめるようなワイン造りを心がけています。
■品種の個性■
このワインに使用されるモンテプルチアーノ種は、濃く深い色合いで果実味豊かで程よい酸とタンニンがあるワインを生む傾向です。
■優れた土壌■
所有する100haの広大な畑は、凝灰岩や粘土質が主のミネラル豊富な土壌。
ブドウ栽培に非常に適した土壌で、ミネラル分など充実した成分を持ったブドウが育ちます。
■樹齢の安定■
ブドウの樹は古木(20~25年以上)ほど上質なブドウを実らせます。
マラミエーロでは毎年老齢化した樹だけを植え替え、最適な樹齢になった樹のブドウだけをワイン用に使用します。
そのため平均樹齢は常に一定で、安定した品質を維持しています。
■最新設備■
ワイン造りに使用する設備は最新で非常に効率的。
人件費を抑えつつ安定した品質を保てる設備を導入しています。
※詳しくはコチラの記事で丁寧に解説されています。
■心地よい樽の風味■
ステンレスタンクで発酵を終えたワインは、ステンレスタンクで18ヶ月熟成された後、さらに新樽の小樽(バリック)で18ヶ月熟成されます。
樽の風味が反映しやすいのは、
小樽>大樽
新樽>古樽
で、樽の風味はしっかり付きますが、樽の風味に負けないブドウのパワーがあることでバランスが保たれています。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
やや低めの14℃程度にすれば酸が際立ち引き締まった印象。上品な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど酸は穏やかな印象になり、香り、甘味、旨味が広がる味わいが楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から4~15年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度も上がりやすいボルドーグラスが良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
牛肉の赤ワイン鋳込み
うなぎの蒲焼
など、深いコクのある素材や強めの味付けをされた料理によく合い、互いの味わいを引き立て合うマリアージュを楽しめるでしょう。
ワイン単体でも楽しめる充実感がありますが、ブルーチーズなどのチーズともよく合い、チーズの強めの塩分がワインの旨味や甘味を引き立てます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
このワインに対する具体的なネガティブコメントはありませんでした。
【良い口コミ】
地獄って言うかむしろ天国♥何度も飲んできたけど今回の2016は一番美味しかった♪5年熟成でまだ若く果実感たっぷりで樽感も豊かだけど、クドさがなく上品さがありますね!それなりの値段だけど、この味わいならコスパ良しです♪
酸味が苦手な私にピッタリな優しい飲み口。5年熟成の2012は穏やかな酸とシルキーなタンニン。樽からくるバニラやスパイスの香りも心地よく、落ち着きある余韻があります。美味しかったのですぐに空になっちゃったけど、変化する味わいも感じてみたかったな~~。
グラスに残り僅かになった時の芳香が妖艶で素晴らしい。5年熟成の2012は凝縮された果実味に、力強くもシルキーなタンニンと優しくもしっかりした酸のバランスが良く、チョコレートやバニラの樽感も豊か。お値段も品質も上等なワインですね♪
モンテプルチアーノは安旨品種だと思ってたけど、これは完全に違いますね!!10年熟成の2010は熟成されたバローロやブルネッロやアマローネなどといった、イタリアを代表する銘酒が熟成後に見せる共通のニュアンスが感じられる美味しさ。すぐにでもまた飲みたいワインです!!♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 13%
美味しい 60%
普通 27%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
口コミ量こそ少なめですが、かなり高確率で飲み手を満足させていました。
否定的なコメントは特になく、濃厚ながら雑味やクドさの無い上品で優しい飲み口に納得、あるいは感動している様子がうかがえるコメントの数々でした。
若いうちから楽しめるようですが、10年以上の熟成物に対する評価も非常に高く、熟成後も非常に楽しみな銘柄といった印象です。
ワンランク上のモンテプルチアーノダブルッツォを選ぶなら、マシャレッリと並んで押さえておくべき優れた銘柄と感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
マラミエーロ インフェリは
【価格】
4500前後
【味】
凝縮感ある果実味と豊富でシルキーなタンニン、そしてバニラやコーヒーなどの樽の風味もしっかり感じられる優しく濃厚な味わいで、適度な酸や雑味の無い透明感は、スルリと舌の上を流れるような上品さも持ち合わせている。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~15年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
口コミ量こそ少ないが、かなり高確率で飲み手を満足させている。
否定的なコメントは特になく、濃厚ながら雑味やクドさの無い上品で優しい飲み口に納得、あるいは感動している様子がうかがえるコメントの数々。
若いうちから楽しめるが、10年以上の熟成物に対する評価も非常に高く、熟成後も非常に楽しみな銘柄と感じた。
以上です。
マラミエーロはその他の銘柄も濃くてマイルドな味わいで人気を集めており、インフェリに近い満足度を獲得しているのがトレッビアーノダブルッツォで、それに次いでシャルドネも好評だと感じました。
※あくまで口コミを読んだ私の客観的で個人的な解釈です。
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