濃いめの個性的な味わいで人気を集めるプーリアの白ワイン。
品種も使用する樽も非常に珍しく、「記憶に残るワインを造りたい」という生産者の思いの通り、特徴的な味わいは多くの消費者を楽しませている事がわかりました。
手頃で面白い濃いめの白ワインの候補にいかがでしょうか。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ロッカ デイ モリ サレント ビアンコ エレーナ
《価格》
【1600前後】
《ブドウ品種》
・グリッロ40%
・シャルドネ30%
・ガルガーネガ30%
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 やや辛口
《産地》 イタリア>プーリア州
《生産者》 アポッロ―ニオ(ロッカ デイ モリ)
アポッロ―ニオ(ロッカ デイ モリ)はプーリア州の家族経営のワイナリーで、コスパの良さで人気を集める生産者です。ワイン造りは1870年から行っていますが、ワインの元詰めと自社ブランドのラベルの使用は1975年からで、本格的に輸出を開始したのは1995年から。
自社畑のブドウと契約農家から買ったブドウを使用して良質なワインを生みだしています。
今回紹介しているサレント ビアンコ エレーナは、
「良いワインを造ることも重要だが、人の記憶に残るワインが造りたい。」
という思いの下で誕生した銘柄。
特徴的な厚みのある味わいで、日本の一般消費者からも高く評価されていると感じました。
《味わいの特徴》
肉厚かつ上品
特徴的なコスパワイン
このワインの特徴は、熟した果実や蜂蜜のニュアンスに樽の風味が加わった肉厚な味わいを、キレイな酸や凛としたミネラル感が引き締める上品さが感じられるところ。
通常の白ワインとは一味違ったニュアンスが楽しめるところも特徴的です。
【外観】
濃いめのレモンゴールド
熟成するほど琥珀色に近づきます
※ヴィンテージによって色調が異なる傾向
【香り】
オレンジや熟したリンゴの豊潤な果実香に、煮詰めた果実や蜂蜜を思わせる甘やかなニュアンス。
樽に由来するバニラやスパイスの風味も加わり複雑さがあります。
【味わい】
香りから連想される通りの凝縮された果実味は少しの甘味があり、高いアルコール度数と相まって飲み応えのある飲み口。適度な酸と硬質なミネラル感が味わいを引き締め後口に少しの苦味を感じると、樽や果実の風味を残した余韻があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
このワインに40%使用されるグリッロは、糖度が高くなる品種でアルコール度数の高いワインを生みます。
また、桃やマンゴーなど熟したトロピカルフルーツのニュアンスが現れ、フルーティーなワインを生む傾向です。
30%使用されるシャルドネは土地の個性を反映する品種。
温暖なプーリアの気候を反映した厚みのある果実味を表現します。
30%使用されるガルガーネガは、ソーヴィニョンブランにも似た柑橘類やハーブのニュアンスを持った品種。
ヴェネト州のソアーヴェに使用されスッキリサッパリ系のワインを生む傾向ですが、プーリアの温暖さはそのようなニュアンスを残しつつ、厚みのある味わいを生むと推測されます。
以上の3種がブレンドされることで、豊潤さの中に爽やかなニュアンスも垣間見えるワインが生まれると考えられます。
■収量制限■
法定収穫量の1/3にあたる1ha当たり30hlの収量制限を行っています。
残されたブドウに成分を集中させることで、より凝縮感あるワインが生まれます。
■アカシアの樽■
ワインの醸造用の樽にはオークが使用される場合がほとんどですが、アカシアの小樽で発酵し熟成されるワインです。
アカシアの樽はオークよりも堅く、気品のあるフレーヴァーがワインに付くと言われています。
《飲む時の適正温度》
【8℃~15℃】
冷やしぎみにすれば酸味が際立ち引き締まった印象になり、軽快な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、風味の広がる飲み口を楽しめるでしょう。
※生産者は「きれいな酸のニュアンスを出したいので、15~16℃位が一番いい温度。冷やし過ぎないことが大切」
と話しています。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から2~7年
※一般的傾向や口コミから推測。
※生産者は適切に保管すれば何年も長期熟成できると話しています。
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【中庸でふくらみのあるグラス】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
少し温度を上げることで広がる風味を楽しみたい時は、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ボンゴレビアンコ
豚肉のハーブグリル
厚みのある果実味と複雑さのある白ワインで、サッパリとした料理というよりは適度にコクのある料理との相性が良いでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
カリンの果実香に革製品とかハッカとか中国茶とかの少しクセのある香り。2年熟成の2014は味わいも濃くて面白いとは思いましたが、しっかり目の味わいが好きな人でないと多くは飲めないでしょうね。。。
2年熟成の2014はだいぶクセのあるワインで、開けたては顕著。2,3日で落ち着いたけど好みではないかな。。
ソーヴィニョンブランを思わせる柑橘系の爽やかさと、トロピカルフルーツ系の華やかな香りも感じられる。味わいはまろやかな印象で美味しいとは思いましたが、1000円台後半だとまた買うことはないかな。
【良い口コミ】
3年熟成の2015は輝く黄金の色調で粘性も非常に強く、硬質で凝縮されたワインであることが見た目だけでもよくわかる。オレンジや熟したリンゴにハーブのニュアンス、バニラや甘いスパイス香も加わり落ち着きある複雑な芳香。味わいも凝縮された果実味主体の味わいで、ドライでありつつ甘味を感じるほどアルコールのパワフルさががあり、飲み口の前半は豊潤でリッチな印象。そして後半にかけて硬質なミネラル感や豊富な酸にほろ苦さが味わいを引き締める。抜栓当日よりも数日置くことでもっと良くなりそうで、飲み頃になるであろう数年後も楽しみな一本です。
温暖な産地らしい穏やかな酸と豊潤な果実味が心地よく、複雑でありながらも親しみやすい味わい。ロッカディモリは前に飲んだ赤も複雑でフルーティーで美味しく感じたので、私と相性が良いのかもしれませんね♪
4年熟成の2017はフレッシュなリンゴではなく、火を入れた時に出てくるリンゴの香りに蜂蜜や樽の香りが加わる。香りに反して酸味は強め。肉の脂とワインの酸がとても相性が良いので、豚肉のソテーと絶妙なマリアージュになりました。
甘味を思わせる香りなのに味わいはドライ!2年熟成の2014は私にツボなワインです♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 7%
美味しい 47%
普通 43%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
特徴的な味わいに賛否が分かれる印象ですが、ポジティブな意見の方が多い銘柄でした。
ヴィンテージやワインの個体差が多少あるような印象で、個性的な芳香と厚みのある味わいへのネガティブコメントも少数ですが、そのような個性を楽しむコメントが最も多数。中にはツボにハマる方も見受けられ、コスパの良さを褒める意見もチラホラ見られました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ロッカ デイ モリ サレント ビアンコ エレーナは
【価格】
1600前後
【味】
熟した果実や蜂蜜のニュアンスに樽の風味が加わった肉厚な味わいを、キレイな酸や凛としたミネラル感が引き締める上品さが感じられ、通常の白ワインとは一味違ったニュアンスがある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~7年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
特徴的な味わいに賛否があるが、ポジティブな意見の方が多い銘柄。
ヴィンテージやワインの個体差が多少ある印象で、個性的な芳香と厚みのある味わいへのネガティブコメントも少数だが、そのような個性を楽しむコメントが最も多数。中にはツボにハマる方も見受けられ、コスパの良さを褒める意見もチラホラ見られた。
以上です。
スッキリ系の味わいや王道の白ワインの味わいを求める場合には不向きと感じましたが、「記憶に残るワインを造りたい」という生産者の思いが感じられる濃いめでやや主張のある味わいは、おもしろい選択肢になると感じました。
あなたはどのように感じましたでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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