シチリアを代表するコスパ生産者のラインナップの中でも特に人気の赤ワイン。
1000円前後でかなりコスパの良いワインを生んでいるフェウドアランチョは、アメリカで最も売れているシチリアワイン生産者。
そのコスパの良さは私も経験済みで納得できるものでした。
生産される多くの銘柄はどれも好評で人気ですが、特に満足度が高いと感じたのが今回紹介するカントドーロ。
1000円前後のワインとしては非常に好評で、日常消費用の有力候補に持っておきたい銘柄だと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》フェウド アランチョ カントドーロ
《価格》
【1300前後】
《ブドウ品種》
・ネロ ダーヴォラ80%
・カベルネ ソーヴィニヨン20%
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 やや辛口
《産地》 イタリア>シチリア州
《生産者》 フェウド アランチョ
フェウド アランチョはコスパの良さで人気を集めるシチリアのワイナリー。
前身のワイナリーは1904年からありましたが、最高のコスパと料理に合うワインというコンセプトの下2001年に新たに設立されました。
約1000haの広大な畑から、土着品種(ネロ ダーヴォラ、グリッロなど)や国際品種(カベルネ ソーヴィニヨン、シャルドネなど)まで幅広く扱っており、それぞれの品種の個性を表現したワイン造りを行っています。
料理によく合いコスパに優れるワインはアメリカでも非常に人気で、シチリアワインの中でアメリカ市場NO.1も獲得するワイナリーになりました。今回紹介しているカントドーロは、サクラアワードで2014年が金賞を獲得するなど、様々なワイン誌やコンテストでも高い評価を獲得しています。
《味わいの特徴》
厚みがあり飲み心地軽快
フードフレンドリーな
バランス良い味わい
このワインの特徴は、特筆するような奥深さこそありませんが、適度に厚い果実味を優しいタンニンと酸がまとめるバランス良い味わいにあります。
また、主張しすぎない味わいはスルスル飲めるような心地よさがあり、料理に合わせやすいワインである事も特徴と言えます。
【外観】
深みのあるルビーレッド
【香り】
プルーンやカシスなどの円熟した果実香に、樽に由来するバニラやチョコレートの風味も加わった豊かな芳香が広がります。
【味わい】
ほんのり甘味のあるフルーティーな果実味はボリューム感があり、シルキーなタンニンと穏やかな酸と相まって柔らかな飲み口。樽の風味とフルーティーな果実味が広がるバランス良い味わいが楽しめます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■目指す品質■
フェウドアランチョはただ濃いだけのワインではなく、上品さも兼ね備え料理にも合わせやすいワインを目指しています。
■品種の個性■
このワインに80%使用されるネロ ダーヴォラは、濃厚なワインを生むシチリアの主要品種。
非常に濃い色調で、濃厚な果実味で酸やタンニンはマイルド。ブラックベリーやプルーンなどの熟した果実の風味に、チョコレートやインクのニュアンスが現れる場合もあります。
20%使用されるカベルネ ソーヴィニヨンは、果実味も酸もタンニンも強めで骨格あるワインを生む傾向。
ネロ ダーヴォラの濃厚な果実感に適度な酸やタンニンをもたらし、バランス良いワインを生んでいます。
■樽熟成■
ステンレスタンクで発酵を終えたワインは、フランス産の小樽で16ヶ月熟成後、8ヶ月の瓶熟成を経て出荷されます。
大樽と比較して樽に触れる面積も広いため、樽の風味が反映しやすいのが小樽の特徴で、樽に由来するバニラやチョコレートのニュアンスが感じられます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
やや低めの温度にすれば引き締まった印象になり、軽快な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、香り、甘味、旨味が広がる味わいが楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から3~6年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【ボルドーグラス】
【小ぶりのグラス】
香りが取りやすく、温度も上昇しやすいボルドーグラスをおすすめします。
ちょっと冷やし気味にして軽快さを楽しみたい時は、温度も上がりにくい小ぶりのグラスも良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
焼き鳥各種
ラザニア
など、少々コクの強めの食材、あるいは味付けの施された料理との相性が良く、厚みのあるワインと料理の味わいが互いを引き立て合います。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
4年熟成の2016は上品ではあるが特に印象に残るような要素も無いかな。
4年熟成の2014は飲みやすくて悪くもないけど、もう少し酸が穏やかだと良いのにな。
【良い口コミ】
外さないフェウドアランチョ。このカントドーロは3年熟成の2016で、ボリューム感のあるベリー系の風味ですが、全体のバランスも良くクドさも無いので、スルスル飲めて美味しいですね。
1000円台全半にしてはマイルドなコクもあり安っぽくないですね。4年熟成の2014はフレッシュな果実感としっかりとした味わいがあり、甘過ぎず辛過ぎずバランスがとても良い。時間を置くとチョコレートのニュアンスが強まり濃い味わいになりました。
タンニンはしっかりしてるけど、穏やかな酸と柔らかなバニラの風味もほんのり加わりマイルドな印象。4年熟成の2017はとても飲みやすくて気に入りました♪
そりゃ欲を言えば果実感や渋味はもっと充実してほしいですよ、とは言えクセも無くクイクイ飲める味わいで、日常的に楽しむワインとしてはおすすめできる!!
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 0%
美味しい 40%
普通 60%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
1000円台前半としてはとても満足度が高い印象です。
特筆するような奥深さはありませんが、厚みのあるマイルドな味わいで、価格も考えれば納得あるいは満足できると感じる方が多い傾向です。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
フェウド アランチョ カントドーロは
【価格】
1300前後
【味】
適度に厚い果実味を優しいタンニンと酸がまとめるバランス良い味わいで、主張しすぎない味わいはスルスル飲めるような心地よさもあり、料理にも合わせやすい。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~6年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
1000円台前半としてはとても満足度が高い印象。
特筆するような奥深さは無いが、厚みのあるマイルドな味わいで、価格も考えれば納得あるいは満足という意見が多い。
以上です。
フェウドアランチョは今回紹介したカントドーロに限らず、1000円前後で非常にコスパの良いワインを造っており、庶民の味方の代表格ではないかと感じています。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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