エトナロッソの最高峰。
調べる限りエトナの赤ワインの中で最も口コミ満足度が高いのでは?
そう感じた銘柄です。
さらに上級キュベの方が充実感ある味わいがあるようですが、価格も含めた満足度ではエントリークラスのこの銘柄が勝る印象です。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》パッソピッシャーロ エトナロッソ
《価格》
【4000~5000】
《ブドウ品種》ネレッロ マスカレーゼ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>シチリア州
《生産者》 パッソピッシャーロ
パッソピッシャーロは「イタリアワイン界のカリスマ」と呼ばれるアンドレア フランケッティ氏がエトナに設立したワイナリーです。
トスカーナで1997年にテヌータ ディ トリノーロを立ち上げ、瞬く間に世界的評価を獲得し鬼才とも表現される同氏が、エトナの可能性を感じ2000年に畑を購入したのが始まりです。
今回紹介しているエトナロッソはパッソピッシャーロのエントリークラスの銘柄。
産地と品種の個性が表現された味わいへの評価は高く、例えば2017ヴィンテージはワインアドヴォケイトで91点。ワインスペクテーターで91点の高得点を獲得しています。
もう少し生産者の情報を知りたい方は、ワイングローリアス様のページで詳しく解説されています。
《味わいの特徴》
ピノノワールを彷彿する
複雑でエレガントな味わい
このワインの特徴は、ブルゴーニュのピノノワールを彷彿させるような複雑で上品な味わいにあります。
果実味は主張しすぎないものの、じんわり広がる旨味や複雑な風味は充実感ある味わいを表現しており、味わいを引き締める美しい酸味からは上品さも感じられます。
【外観】
透明感のあるルビーレッド
【香り】
ラズベリー、ストロベリー、チェリーなどフレッシュな赤い果実の芳香に、スミレやバラの華やかさ。河原の石や鉄を思わせる硬質な鉱物的ニュアンスやスパイスのニュアンスも加わり複雑でエレガントな芳香が広がります。
【味わい】
果実味は主張しすぎないものの出汁が効いたような旨味が広がり、エレガントで充実感あるドライな味わい。綺麗で伸びのある酸味が味わいを上品に引き締め、中程度のタンニンが味わいの構造を形成しており、複雑な風味や旨味を残した余韻が続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
100%使用されるネレッロ マスカレーゼはブルゴーニュのピノノワールを思わせる特徴があります。
繊細で美しい酸を持ち、イチゴやチェリーを思わせる赤系果実のニュアンスを持つエレガントなワインを生む傾向です。
■エトナの環境■
温暖なシチリアにおいても標高の高いエトナの畑は独特の環境があります。
豊富な日照はブドウの熟度を高めますが、夜の冷え込みはキレイな酸をもたらし、昼夜の寒暖差は豊かな芳香を反映します。
■樹齢の高さ■
ブドウの樹の樹齢は70年~100年の古木を使用しています。
若い樹に比べ根が深く土地の成分を吸いあげる能力が高いなど、上質なブドウが実るのが古木(ヴィエイユ ヴィーニュ)の特徴です。
■収量制限■
剪定や間引きなどで収穫量はあえて抑えます。
残された良質なブドウに成分が集中することで凝縮感溢れるワインが生まれます。
■樽熟成■
発酵を終えたワインは大樽で18ヶ月熟成されます。
小樽に比べるとワインとの接触面積も少ないため、穏やかな樽の風味が反映されるのが大樽の傾向です。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
少し冷え気味にすれば酸味が際立ち上品で引き締まった印象。
温度を上げるほど酸は穏やかに感じられ、複雑な風味の広がりある味わいを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~15年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、エトナのヴィンテージチャートも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 3
2011年 4
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 4
2016年 4
2017年 4WA91点
2018年 3
2019年 4
WA=ワインアドヴォケイト
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
心地よい香りと出汁の効いたような旨味を持った上質なワインです。
香りが取りやすく温度が少しずつ上がる事で複雑な風味を感じやすいように設計された、バルーン型ブルゴーニュグラスをおすすめします。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
マグロの赤身の刺身
鴨鍋
複雑で上品さもあるワインの味わいは程良いコクのある料理との相性が良く、マグロやカツオなど血液のニュアンスが感じられる鮮魚との相性も良いでしょう。
また野性味のあるジビエ料理に合わせても複雑なワインの味わいがマッチします。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
7年熟成の2013は果実香よりもバラやスミレといった華やかな香りが主体。渋味は少なめで、複雑な味わいを適度な酸がまとめる味わい。十分に楽しいワインではあるけど、欲を言えばもう少しインパクトが欲しいかな?
期待しすぎたかな?4年熟成の2013は思ったより普通。。。
【良い口コミ】
これコスパ良い♪3年熟成の2016は上品かつ複雑。また飲みたいワインです♪
8年熟成の2013はイチゴを思わせる香り。味わいはもう少し落ち着きある赤~黒系果実のニュアンスがあり、ブラックペッパー系のスパイシーさと心地よい酸があります。最初に感じた少しのざらつき?も時間経過で気にならなくなり飲むスピードは加速。滲み出るようなエレガンスが感じられるワインで、お肉との相性も抜群。血液のニュアンスが感じられるカツオやマグロとも合わせたくなるワインでした!♪
4年熟成の2014は最初タンニンが主張気味だったけど、時間経過で柔らかになり香りも広がってきました。これだけの強さがあるワインですから、熟成後も楽しみですね♪
エトナらしさとネレッロマスカレーゼらしさが感じられる良いワインですね!!4年熟成の2016はベリー系果実にドライフラワーやスパイスの香りが広がり、ふくらみのある果実味を涼しげな酸が引き締め、力強いタンニンが存在感を示す。パワフルかつエレガントな味わいはとても楽しいですね!♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 44%
普通 53%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
数あるエトナのワインの中では高額ですが、味わいへの満足度も比例している印象。
ピノノワールを思わせる出汁系の旨味や複雑さがあり、エトナの赤ワインの中でも頭一つ抜けており、多くの熟練ワインラバーの方々も楽しまれている様子が窺い知れました。
若い段階から楽しめる傾向ですが、熟成してしなやかさや円熟味が増した味わいも楽しみな一本だと感じました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
パッソピッシャーロ エトナロッソは
【価格】
4000~5000
【味】
ブルゴーニュのピノノワールを彷彿させるような複雑で上品な味わい。
果実味は主張しすぎないものの、じんわり広がる旨味や複雑な風味は充実感ある味わいを表現しており、味わいを引き締める美しい酸味からは上品さも感じられる。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~15年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
エトナのヴィンテージチャートは以下の通り。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 3
2011年 4
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 4
2016年 4
2017年 4WA91点
2018年 3
2019年 4
WA=ワインアドヴォケイト
【口コミ】
数あるエトナのワインの中では高額だが、味わいへの満足度も比例している印象。
ピノノワールを思わせる出汁系の旨味や複雑さがあり、エトナの赤ワインの中でも頭一つ抜けており、多くの熟練ワインラバーの方々も楽しまれている様子が窺い知れた。
以上です。
エトナは産地や品種も違うのに、かなりブルゴーニュのピノノワールに似た味わいで非常に興味深いと感じています。
ブルゴーニュのピノノワールが好きな方で、エトナを試したことが無い方にはコスパも含めておすすめです。
今回紹介したパッソピッシャーロはやや高額ですから、もう少し手頃なエトナでしたらテヌータ デッレ テッレ ネーレやジローラモ ルッソなどもおすすめ。
反対にもっと上質を求めるならば、パッソピッシャーロの単一畑から造られる上級キュベを試してみるのも良いと思います.
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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