ラマンチャで唯一口コミ満足度が高いと感じた白ワイン。
軽快なテーブルワインを生むアイレンの特徴を完全に裏切る濃厚な味わいで、その意外性とバランスの良さもあって消費者から高い支持を集めていました。
ペスケラで有名なアレハンドロ フェルナンデスが唯一手掛ける白ワインです。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》アレハイレン
《価格》
【3300前後】
《ブドウ品種》アイレン
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 スペイン>ラ マンチャ
《生産者》 エル ヴィンクロ(アレハンドロ フェルナンデス)
エル ヴィンクロはペスケラで有名な生産者「アレハンドロ フェルナンデス」がラ マンチャで手掛けるワイナリーです。 1985年にペスケラが造った「ハヌス」が、ロバートパーカー氏に「これぞスペインのペトリュスである」と絶賛され、5ツ星生産者と評価したことで知名度は急上昇。 2019年からはアレハンドロの孫たちがグループの経営陣に加わり、リベラ デル ドゥエロを代表する生産者の地位を保持しつつ、時代に適応したワイン造りを行っています。
今回紹介しているアレハイレンはアレハンドロ フェルナンデスが造る唯一の白ワイン。
生産者「アレハンドロ」とブドウ品種「アイレン」の名を組み合わせたもので、日本の一般消費者からも高い支持を集めています。
《味わいの特徴》
リッチでドライな飲み口
樽感もしっかりで
個性的なアイレン
このワインの特徴は、
【外観】
濃いめのイエローゴールド
【香り】
黄桃やラフランスなど円熟した果実に、黄色い花の華やかさや蜜のニュアンス。樽に由来するバニラやオリエンタルスパイスやナッツ類の香りも感じられ、それらが一体となったふくよかな芳香が広がります。
【味わい】
ボリューム感のある果実味はリッチで厚みのある味わい。キレイな酸と少しの苦味が味わいをドライにまとめるバランスも良く、豊潤な果実味と樽の風味を残した余韻が長く続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
100%使用されるアイレンは、フレッシュでフルーティーな味わいを持った軽いテーブルワインを生む傾向ですが、アレハイレンはリッチで厚みのある味わい。
そのようなワインが生まれる理由は以下の通りです。
■ヴィエイユ ヴィーニュ■
若い樹に比べ土地の成分を吸い上げる能力が高いなど、上質なブドウを実らせるのが古木(ヴィエイユ ヴィーニュ)の特徴。
アレハイレンに使用されるブドウは、なんと80年の古木です。(2022年現在の情報)
■収量制限■
剪定や間引きなどで、1 株に3㎏のブドウしかつけない厳しい収量制限を実施。
残された良質なブドウに成分が集中することで凝縮感溢れるワインが生まれます。
■樽熟成■
アルコール発酵を終えたワインは、新樽100%で24ヶ月の長期熟成を実施。
古樽に比べ樽の風味が反映されやすいのが新樽の特徴で、バニラやスパイスなどの風味が強めに感じられます。
《飲む時の適正温度》
【6℃~14℃】
よく冷やせば酸や凛としたミネラル感が強調され、引き締まった上品な飲み口。
温度を上げるほど酸は穏やかな印象になり、果実の豊潤さや複雑な風味の広がりを楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~8年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【ふくらみのある大きめのグラス】
冷やし気味にして軽快さを楽しむ場合、温度も上がりにくい小ぶりのグラスを選ぶと良いでしょう。
少し温度を上げて広がる風味や味わいを楽しむ場合は、香が取りやすく温度も上昇しやすい大きめのグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
フォアグラのバターソテー
キノコのリゾット
リッチな果実味と樽も効いたアレハイレンにはバターで火を通した料理など、やや強めの味わいを持った料理を合わせると良いでしょう。
平均的な白ワインに合う新鮮な魚介類など繊細な味わいの料理とは相性が良くありません。
、※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
このワインに対する具体的ネガティブコメントはありませんでした。
【良い口コミ】
紹興酒やオリエンタルスパイスのニュアンスがあり濃厚な白。かなり個性的で普通じゃつまらない方には面白い選択肢になるでしょう。
4年熟成でリリース直後の2014ですが既にバランスは良好。新樽に由来するバニラ香は強めだけど上品で、後に続く果実や花の香りも繊細で心地よい。味わいもリッチではあるがスッキリとしたニュアンスもあり、余韻に感じるほのかな蜜もいい感じです。
軽快で瑞々しいアイレンの印象はどこへ!?(笑)5年熟成の2012は色合いが既に黄金で全然違う。味わいも濃厚で樽もしっかり。アレハンドロ フェルナンデス、やはりただ者ではありませんね。
白ワインだけどブランデ―みたいな感じ。樽もしっかりで美味しいです♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 17%
美味しい 40%
普通 40%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
濃厚で樽感もしっかりな個性的な味わいで満足度は高い傾向です。
そもそもの口コミ量が少ないせいもあるかもしれませんが、個性的なワインにしては否定的なコメントは見る限りゼロ。
個性的ではあるもののバランス良い味わいへの好感が最も多く、中には感動的評価を与える方もチラホラ見られる銘柄でした。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
アレハイレンは
【価格】
3300前後
【味】
円熟した果実香と樽の香りで、ボリューム感のある果実味はリッチで厚みのある味わい。キレイな酸と少しの苦味が味わいをドライにまとめるバランスも良く、豊潤な果実味と樽の風味を残した余韻が長く続く。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~8年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
濃厚で樽感もしっかりな個性的な味わいで満足度は高い傾向。
口コミ量が少ないせいもあるかもしれないが、個性的なワインにしては否定的なコメントはゼロ。
個性的ではあるもののバランス良い味わいへの好感が最も多く、感動的評価もチラホラ見られた。
以上です。
ブランデーを思わせる個性的で濃厚な白ワインで、個人的にはフランスの南西地方のモンテュスブランを思い出しました。
普通じゃ面白くないというような、好奇心あるいはチャレンジ精神旺盛な方にもおすすめできる銘柄ではないでしょうか。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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