世界3大貴腐ワインのひとつにフランスのソーテルヌが挙げられますが、そのソーテルヌの貴腐ワインの格付けにおいて、唯一特級に君臨し続けるシャトーディケムは有名で秀逸です。
しかし、その品質の高さゆえにお値段もお高いのです。(安くて4万程度)
という事で、もっと手軽に購入できるソーテルヌ格付け第1級の11銘柄の中でも、最も口コミ評価も高く多くの方が飲んでいる銘柄を調べてみました。
ちなみに今回は紹介しませんが、私の調べた限りでは、
第3位 シャトー・スデュイロー
第2位 シャトー・ギロー
という順に高評価で多くの人を楽しませている印象。
そして
第1位 シャトー・リュ―セック
でした。
今回はそんなシャトー・リュ―セックの紹介です。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 シャトー リュ―セック
2009
当たり年でパーカー98点
《価格》
【8000~22000円】
※ヴィンテージによって価格は変動します。
《ブドウ品種》
・セミヨン主体
・ソーヴィニョンブラン微量
・ミュスカデル微量
※ヴィンテージによって使用比率は変動します。
《ボディ》フルボディ
《甘辛》 極甘口
《産地》 フランス ボルドー ソーテルヌ&バルサック
《生産者》シャトー リューセック
《特徴》
ラフィットが手掛ける
とろけるような官能的甘口
シャトーリュ―セックは歴史ある生産者で、所有者は度々変わりながらも安定して品質の高い貴腐ワインを生産し続けてきました。
1984年には5大シャトー筆頭であるシャトーラフィットロートシルトを擁する、ドメーヌ・バロン・ド・ロスチャイルドが所有者になったことで、さらに厳しく生産・品質管理が行われるようになります。
その結果、納得のいく品質のワインが得られなかった年には「シャトーリュ―セック」の名のワインは製造しない、という事も起こるほどの徹底ぶりで信頼も厚いと言えます。
リュ―セックの品質の特徴は深みのある花の香りがある事で、蜜のような濃密さもあり奥深さが感じられます。
価格はディケムの4分の1程度ですが、十分に高貴な貴腐ワインの要素を持っています。
【外観】
若いうちはやや淡めの黄金色。
熟成が進むほど琥珀色に近づきます。
【香り】
若いうちは熟したフルーツに花、蜂蜜などのアロマ。
熟成が進むほどスモーキーな樽の香りや、ココナッツといった落ち着きのある風味が加わってきます。
【味わい】
若いうちは密度の濃い甘美な味わいの中に、果実のピュアな風味を感じられ、ほどよい酸味もありエレガンスを感じます。
熟成が進むほどなめらかな質感になり、果実味は落ち着き深みのある旨味と共に豊潤な甘味が感じられ、長い余韻へと続きます。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
酸味が際立つことでスッキリとした甘味を感じやすくなりますから、よく冷やして飲まれることをおすすめします。
少し温度を上げれば、広がる風味が楽しめますが、上げ過ぎると味わいがぼやけた印象になってしまう傾向です。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当り年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~50年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど飲み頃の期間は短くなりますが、比較的早くから楽しめます。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1970年 3
1971年 5
1972年 1
1973年 2
1974年 1
1975年 5
1976年 4
1977年 0
1978年 2
1979年 3
1980年 2
1981年 2
1982年 3
1983年 5
1984年 2
1985年 3
1986年 4
1987年 1
1988年 5
1989年 5
1990年 5
1991年 1
1992年 1
1993年 0
1994年 2
1995年 4
1996年 4
1997年 4
1998年 3
1999年 3
2000年 2
2001年 5
2002年 3
2003年 4
2004年 3
2005年 5
2006年 3
2007年 4
2008年 3
2009年 5パーカー98点
2010年 3
2011年 5
2012年 1
2013年 4
2014年 3
2015年 4
2016年 4
2017年 4
2018年 4
《適正グラス》
【小ぶりのオシャレなワイングラス】
香りがほどよく感じられ、温度も上がりにくく設計された小ぶりのグラスが良いでしょう。
また、気品あるワインですから、高級感のあるオシャレな形状のグラスの方が雰囲気もいいですね。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
フォアグラのバターソテー
ブルーチーズ
貴腐ワインとフォアグラの相性は抜群で有名です。
また、塩分の強いブルーチーズも、正反対の甘さを持つ貴腐ワインと合わせる事で互いを引き立てます。
さらに、上質なバニラアイスに貴腐ワインを少し垂らしても、複雑な甘味がアイスに加わり官能的な味わいを体験できます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
ソーテルヌを代表する素晴らしい貴腐ワインのひとつで、知名度も高いワインでもあります。
甘口ワインが好きな方への贈り物にしても、品格あるワインですから喜んでもらえるでしょう。
また結婚記念日や誕生日、あるいは昇進祝いなどに飲むワイン等にも良いですね。
きっと良い思い出となるでしょう。
お金に余裕がある方は普段飲みにしちゃって下さい。
開けてからも数か月はおいしく飲めるのも嬉しいですね。
食後のデザート代わりに少しづつ飲んでも長く楽しめます。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「色調、味わい共にいいね。過熟せず酸味も生きているので2004も正に飲み頃かな。」
「いつもデザートワインにはリュ―セックを選ぶの。安心できるから。濃すぎずなめらかな質感、蜂蜜の香りがあって酸味もほどよく心地いいわね。1997。」
「2007。いい感じで~す★桃のコンポートに蜂蜜、完熟アプリコットに樽の風味も加わって複雑でとろけそうで~す。」
【悪い口コミ】
「1997。セメダインを思わせる薬品っぽい香りがちょっと苦手かな。よく味わってみると、甘味だけでなく複雑で高貴な味わいでもあり面白さもあるわ。」
「んん??これは!?梅酒か!?状態悪し・・。」
「爽やかな甘味と心地よい後口。常備しておきたいソーテルヌ。でもヌルいのは良くないよ。温度は大切。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、
感動的!! 7%
美味しい 80%
普通 10%
良くない 3%
という結果でした。
感動的なコメントこそ少ないもの、非常に好感の持てる上質なワインである事が伝わる印象です。
なるほど、ラフィット所有だけあってやはり品質の信頼性も高いのですね。
以上です。
シャトーリュ―セック。
極上でもなくカジュアルでもない上質貴腐ワインを求めるのであれば、選択肢のひとつに入れるべきワインではないかと思います。
赤・白・ロゼ・泡も素晴らしいですが、このようなワインをアイテムのひとつに持っておくことで、フォアグラ料理に少量合わせるマリアージュを楽しんだり、食後に楽しむワインとしても活躍し、ワインを楽しむ幅が広がりそうです。
いろんなイメージが広がって想像するだけでもワインって楽しいですね。
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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