元農業高校の教師のジャック・ユゴー氏。
土への探究心が強く教師から地質学者になり、さらには土壌が非常に影響力を持つワイナリー経営を1985年より開始。
非常にコスパの高いワインを生むことでも知られ、フランスのワイン雑誌「レヴュード・ヴァン・フランス」ではベストシャブリ生産者に選ばれるほどで、美味しいワインを造るための努力を様々実践しています。
実際飲まれた日本の消費者の皆様にも高評価を受けていましたので、紹介する事にしてみました。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 ドメーヌ ド ピスルー シャブリ
《価格》
【2000~3000円】
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>シャブリ
《生産者》 ジャック・ユゴー
《特徴》
豊かな果実味とミネラル感
厚みのある品質は
お値段以上
地質学者であるジャック・ユゴー氏が手掛けるシャブリの畑は、2004年より農薬や化学肥料をを使用しない自然農法に転換。土のプロフェッショナルである彼が育てた畑は今や、村名シャブリのレベルを超えプルミエクリュと同等のレベルを持った畑と言われています。
栽培においては、地表深い部分にあるキンメリッジ土壌(貝殻などの化石を多く含んだ土壌)にブドウの根が届くように、あえて密植する事で表土を栄養不足にし地中深くまで値を伸ばさせる工夫をしたり、一本のブドウの樹につけさせるブドウの房の量を制限する事で、質の高いブドウを得る技術も実践しています。
そして珍しいこだわりは、ブドウのピュアな味わいを表現するために樽を使わないのですが、ステンレスタンクも使わない事。
それはステンレスのメタリックな風味がワインに反映される事を嫌うからで、エナメルコーティングされた鉄製タンクを使用している事で、よりピュアな果実味を表現しているのですね。
また、搾りたての果汁を24時間静置し、その上澄みとオリ混じりの部分を分離し、オリのある部分はネゴシアンに売却。つまり上澄みの綺麗な部分のみを自社のシャブリに使用しているという事です。
このように優れた畑で、こだわりある栽培そして製造工程を経て造られるワインは、通常のシャブリよりも厚みのある味わいで、洗練された品質、それなのに価格は手頃。
お値段以上のポテンシャルを持ったシャブリと言えるでしょう。
【外観】
輝くレモンゴールド
【香り】
柑橘類のフレッシュな果実香や、青リンゴやラフランスなどのフルーティな果実香に蜜のニュアンス、白い花の華やかさや火打石のミネラリーな香り(チョークのような香り)も加わり、非常に豊かで心地よい印象です。
【味わい】
熟度の高い果実味は心地よく広がり、ミネラル感が芯のある質感を表現しており、キレイな酸味は味わいをまとめ上品な余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味が際立ち軽快さが増します。
少し温度を上げれば、フルーティで豊かな風味が広がる飲み口を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から2年~6年
若いうちの新鮮で豊かな果実味を楽しむタイプですが、少しの熟成で落ち着きある風味も楽しめるでしょう。
《適正グラス》
【小ぶりorふくらみのあるグラス】
温度が上がりにくいように設計された小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
少し温度を上げることで広がる風味を楽しみたい時は、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
真鯛のカルパッチョ
グラタン各種
など、比較的繊細な味わいから程良いコクを持つ料理に合わせると良いでしょう。フルーティで豊富なミネラルとほどよい酸味を持ったこのワインは、料理の味わいを引き立て寄り添ってくれるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
お値段は据え置きでワンランク上の綺麗なシャブリをお探しでしたら、このワインを選択肢の一つに入れても良いのではないでしょうか。
エナメルコーティングされた鉄製タンクによるピュアで清潔感ある果実味と、豊富なミネラル感を持つエレガントな質感は、樽の効いた上級シャブリのような深さこそ無いものの、カジュアル過ぎて薄っぺらくもないので、様々な場面で使いやすく料理にも寄り添い活躍してくれる事でしょう。
厚みのある味わいはちょっと贅沢気分を味わえますし、このレベルのワインはちょっとした手土産にしても喜ばれそうです。
《こんな場合には不適切!?》
シャブリにしては果実味豊かですが、ニューワールド系や南フランスに南イタリアなどのジューシーで凝縮感ある果実味を持ったワインが好みの方にはおすすめしません。
ちょっと物足りなさを感じてしまいそうです。
また、樽の効いた上級シャブリでもありませんから、大切な接待や特別な日に、深いコクを持った料理と共に楽しむワインを選ぶのであれば、このワインではちょっと軽く品格不足になる事が多いでしょう。
そのような場合はもっと深い味わいを持ち、品格を感じさせるようなスケールを持ったワインを選ぶことで、接待相手を満足させられるでしょうし、特別感のある味わいは特別な日をより深く印象付ける事に一役買ってくれるでしょう。
シャブリから選ぶならばラヴノーやヴァンサン・ドーヴィサがその条件を満たしているでしょう。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「レモンや青リンゴのような爽やかな香りで、味わいは結構果実味ありミネラルも感じられる。樽は使わないようで物足りなさもあるが、価格を考えれば十分のシャブリと言える。」
「柑橘類に鉱物的な香りもある。シャブリらしい強めの酸を感じますが丸みを帯びた印象で親しみやすい。生カキにもピッタリで豚肉にだって合いました🎵コスパシャブリです。」
「シャブリはそっけないイメージがあったがピスルーのシャブリは近づきやすいフルーティさがある。香りも心地よく、雑味の無い味わいはどれが主張しすぎる事もなくバランスの良い味わい。」
【悪い口コミ】
「シャブリらしい飲み口だけどちょっと薄い印象で、お値段通りですね。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 0%
美味しい 53%
普通 47%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
お値段も含めて、とても親しみやすさのあるワインである事が伝わってきて、シャブリにしてはやさしい果実味を感じさせる傾向が読み取れました。
また、普通より下の評価をする人がいない事もこのワインの特徴で、それなりにまとまりあるバランスの良い味わいは、万人受けしやすいお値段以上のワインなのだと思います。
以上です。
ドメーヌ・ド・ピスルーのイメージが膨らみましたでしょうか。
味には関係ないですが、このワインのエチケットの山の部分、横に寝かせてみてみると女性のボディーラインを表現しているとの事。
美しい山並み=美しいもの=女性。
という意味らしいです。ちょっとした話のネタになりそうですから知っておくといいかもしれません。
いろんな造り方や、ボトルデザインを考える人がおり味わいも様々。
いろんなワインを楽しんでみてはいかがでしょうか。
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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