「モレ・サン・ドニで美味しい赤ないかな~」
今回はそう思っている方のための記事です。
モレ・サン・ドニといえば、デュジャックにポンソを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、この生産者を忘れてはいけません。
ロバートパーカー氏はDRCやルロワに並んで、ユベール・リニエを5ツ星生産者の評価を与えており、その評価に恥じる事のない味わいは、実際に飲まれた方の口コミ評価も高く、モレ・サン・ドニのワインを選ぶのであれば外す事とのできないワインだと感じたので紹介する事にしました。
規模はそれほど大きくない生産者であり、人気も高い事から希少性も高く、なかなか手に入れにくいワインではありますが、試すだけの価値のあるワインだと確信しています。
それから、ユベール・リニエのエチケット(ラベル)は非常に風格が漂っており、カッコイイところも魅力の1つだと私は感じています。
実際手に取ってみると、とても期待の高まるようなデザインで、もちろん品質も高く、贈り物にしてもとても様になります。
2004年にはユベール・リニエ氏の息子で、ユベール氏の後を継いでいたロマン・リニエ氏の死去などもあり苦難もありましたが、引退を撤回して奮起したユベール氏ともう1人の息子、ローラン氏も加わり亡きロマン氏の意思を継いで、力強くもエレガントなバランス型重視のワイン造りに励んでいます。
それでは参りましょう。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 ドメーヌ ユベール リニエ モレ サン ドニ
《価格》
【7000~1万円】
《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>モレ・サン・ドニ
《生産者》 ユベール・リニエ
《特徴》
豊かで複雑な風味は
力強くもエレガンスを感じる
バランス型
このワインの特徴は洗練されたピュアな果実味、しなやかなタンニン、上質な酸味、ほどよい樽のニュアンスなどの成分が高次元で融合している事。
何かが突出しているというよりは、全体のパワーで力強く複雑な味わいを表現しており、それぞれの成分の緻密さはクオリティーの高いものであり、エレガントさも感じさせるバランス感覚を兼ね備えています。
冒頭で申し上げたように、亡きロマン氏の目指していたワインはまさにこのようなバランス型ワインで、ユベール・リニエ氏はそれ以前に造っていた、果実味や樽香の強いパワフルな自分のスタイルに復帰後戻さなかったことは、亡き息子へのオマージュ(敬意)と言えるでしょう。
【外観】
深いルビーレッド。
熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。
【香り】
ラズベリーやチェリー、カシスやブルーベリーなどの豊かな果実香に、バラやスミレの華やかさ、ほどよい樽のニュアンスも感じられます。
熟成するほど果実香は落ち着きあるドライフルーツのようなニュアンスになり、腐葉土のような熟成香も加わる事で円熟味を感じます。
【味わい】
凝縮感のある豊かな果実味は、複雑な風味と旨味も加わりリッチな印象でありながら、なめらかなタンニンと上質な酸味によってエレガントさも感じさせます。
熟成が進むほどタンニンや酸味などの成分が溶け合う事で、さらになめらかさは高まり、力強さよりも上品で旨味たっぷりのエレガントさを持った妖艶な品質に成長していきます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
少し低めの温度にすれば、酸味を感じやすくエレガントな飲み口が楽しめますし、温度を上げるほど甘味を感じやすく酸は穏やかな印象になり、豊かで複雑な風味の広がりを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3年~30年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1990年 5
1991年 3
1992年 2
1993年 4
1994年 2
1995年 4
1996年 5
1997年 3
1998年 3
1999年 4
2000年 3
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
豊かな香りとエレガントで複雑な味わいを持った上質なワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がる事で甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
牛肉の赤ワイン煮込み
キンキの煮付け
など、豊かなコクのある味わいの料理に合わせる事で、豊かなワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立て、複雑で優雅な風味の広がる上質なマリアージュが楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
モレ・サン・ドニで、いや、ブルゴーニュで上質なピノノワールを選びたいのであれば、ユベール・リニエのワインを選択肢に入れておくべきでしょう。
上質なピノノワールとはどのようなものか。
それを感じる事のできるワインです。
それから冒頭で申し上げた通り、エチケットに風格が漂っており、いかにも上級ワインという感じがします。(私だけかも?いや、きっとそう思っている方は多いはず)
つまり、贈り物や特別な日に特別な人と飲むワインにも最適という事です。
見た目も品質も抜群で、受け取った方も「なんだか凄そうなワインだ。」と、思っていただけるかもしれません。(笑)
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「このワインは口コミが20件程度しかなく、その中には具体的に悪い所を評価するコメントは見つかりませんでした。」
【良い口コミ】
「3年目の2014は派手さはありませんが複雑な味わい。料理に寄り添ってくれるようなそんな親しみやすさがあり、さすがリニエと思わせてくれました。」
「8年熟成の2011はやや若さを感じさせるがタンニンや酸は馴染み始めておりいいね。プルミエにくらべればなめらかさと成分の充実感は劣るもののレベルは高い。1時間経過で甘味も増し、樽に腐葉土の複雑さも加わりさらに良くなったよ。」
「19年目の2000年は素晴らしい。この存在感は村名ワインの域を超えており、まだ熟成に耐えるでしょう。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 0%
美味しい 66%
普通 34%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
そもそも評価している方が少なかったですが、そんな少ない口コミからも、やはりユベール・リニエは優良生産者で、安定的に優秀なワインを生産しているなと確認できるような結果でした。
どちらかというと、若いうちよりも熟成によって成分が十分落ち着いたものが、より高評価を得ている印象です。
以上です。
ユベール・リニエのイメージは広がりましたでしょうか。
繰り返しになりますが、味わいも折り紙つきですが、エチケットもカッコイイので個人的にだいぶおすすめです。
中身はもちろん大切ですが、見た目も結構大切だと思います。
料理も使う器や盛り付けで印象が大きく左右されます。
ジャケ買い的な要素がありますが、素敵なボトルデザインのセンスを持った生産者は、ワイン造りのセンスも優れているのかも!?しれません。
ユベール・リニエはそれです。
流通少なく、下のリンク先も在庫を持っているか不安ですが、いつかは出会っていただきたい造り手です。
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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