今回は新鋭かつイケメン醸造家の、コスパ上質白ワインの紹介です。
若き当主シルヴァン・ロワシェ氏がドメーヌを設立したのは2005年、若干21歳の時。
元々ロワシェ家はブルゴーニュに畑を所有していましたが、ロワシェ氏の祖父と父親は石材業を営んでいたため、畑を他の生産者へ貸していました。
しかしワイン造りを天職と考え育ったシルヴァン・ロワシェ氏は、ボーヌの醸造学校に通い大学卒業のタイミングでその畑を取戻し、自身でワイン造りを始めます。
現在はショレイ・レ・ボーヌを拠点に18のアペラシオン(産地)のワインを造るほどに拡大し、モダンなスタイルの味わいで人気を集め、ブルゴーニュ期待の新世代として高い注目を集めています。
私はラドワ・セリニーで多くの方に選ばれ、口コミ評価の高いワインはどれだろうと客観的視点から調べてみた結果、村名ワインでモノポール(単独所有畑)のこのワインは自然と浮上してきました。
調べてみると、シルヴァン・ロワシェを有名にしたのも、このラドワの品質の高さだったという事です。
そして品質が高い事に加えイケメンという事で、これからますます人気も上昇するかもしれませんね。(笑)
《ワイン名》 シルヴァン・ロワシェ ラドワ ボワ・ド・グレション モノポール
《価格》
【5500~7500円】
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>ラドワ・セリニ―
《生産者》 シルヴァン・ロワシェ
《特徴》
豊かな果実味と美しい酸
バランス良く親しみやすい
モダンブルゴーニュ
このワインの特徴は、豊かな果実香と樽に由来する心地よいバニラやトースト香が感じられ、味わいも豊潤な果実味を豊富なミネラルと酸が引き締めるバランスの良い質感にあり、そのような親しみやすく、現代的なスタイルはモダン・ブルゴーニュとも言われています。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■ビオロジック農法■
化学肥料や農薬を使用しないことで微生物の働きが活発になり、健全で成分豊かな土壌が育ち、その豊かな成分を吸い上げた土地の特徴を反映したブドウが得られます。
■丁寧な収穫と選果■
収穫はブドウの糖度・酸度そしてロワシェは香りの成熟度も重要視して収穫のタイミングをも極め、手摘みでブドウの状態しっかりチェックしながら丁寧に行います。
そしてさらに、醸造工程に入る前にもう一度チェックすることで、上質なブドウだけが醸造され、その結果洗練度の高いワインが生まれます。
■天然酵母による発酵■
酵母は添加するのではなく、その土地に自生する天然酵母の働きを待ちます。
そうすることでその土地の個性が反映されたワインが生まれます。
【外観】
透明感のある淡いレモンゴールド。
熟成が進むほど濃いゴールドの色調に変化していきます。
【香り】
柑橘類や青リンゴなどのフレッシュな果実香に、白桃のようなフルーティーな果実香も感じられ、樽に由来するバニラやバターの優しいニュアンス、やハチミツの心地よい風味も広がります。
【味わい】
凝縮感のある果実味は豊かで透明感も感じさせるもので、心地よいコクが味わいに深みを持たせます。凛としたミネラル感と美しい酸は、味わいに芯を持たせるように存在し、豊かな果実香と優しい樽のニュアンスを伴った余韻が続きます。
《飲む時の適正温度》
【8℃~12℃】
冷やし気味にすれば酸味が際立ちエレガントさが増します。
温度を上げるほどふくよかな風味の広がりを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~15年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ白のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2005年 4ファーストヴィンテージ
2006年 3
2007年 4
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 3
2013年 4
2014年 5
2015年 3
2016年 4
2017年 5
《適正グラス》
【ふくらみのあるシャルドネグラス】
少し温度を上げることで広がる風味を楽しめますから、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶことをおすすめします。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
スモークサーモン
地鶏のグリル
など、ほどよい強さの味わいとコクのある料理などと合わせることで、豊かな風味とコクの広がりある上質なマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
ブルゴーニュの上質ワインを、比較的手頃で味わえるワインをお探しでしたら、このワインを候補にしてもおもしろいですね。
ラドワというややマイナーな産地は、知識豊富な方の好奇心を擽る意外性もありますし、もちろん注目度の高い新鋭の造るワインだけあって、価格以上の品質と評判です。
ちょっとしたプレゼントや、持ち寄りのワイン会などでこのようなワインが登場しても盛り上がりそうです。
《こんな場合には不適切!?》
ラドワの意外性は、ある程度ワイン経験を積んだ方にこそ伝わるのではないかと思いますので、あまりワインに興味が無い方との席で、このようなワインを片手に、「ラドワにこんなワインがあるとはね~」などと発言した場合、「そ~なんだ~。ら~ど~わ~。へ~。よくわから~ん。」となるかもしれません(笑)。
そのような方々とワインを楽しむ場合は、コテコテのシャブリなどを選んだ方が、「なんかそれ知ってる!!」となって盛り上がるかもしれません。
以上の話は私の勝手な妄想であり、フィックションであります。
ワインはお酒であり楽しむことが最も大切だと思いますので、基本的には不適切な場面は無いと思っています。
場面の雰囲気を悪くしてしまうような飲み方は良くないでしょう。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「6年目の09は2回目なんだけど、悪いわけではないが前回のような生き生きとした酸が無い。どこか栗のようなニュアンスがあり、熟成を多少感じる味わい。時間経過で良くはなってきたのだが、8ヶ月前の方が良かったかな。」
【良い口コミ】
「5年熟成の2012は柑橘類に白桃、芳ばしいナッツに蜂蜜の香り、厚みのある果実味は柑橘類のフレッシュさとほろ苦さ、白桃のようなフルーティーさがあり、凛としたミネラルと酸に支えられています。ほー、このようなややマイナー産地にも隠れた名品があるもんですね。」
「これは良いワインでしょう。価格も手頃ですし、いろんな料理に寄り添いそうなバランスもあります。シルヴァン・ロワシェ・モノポールは5年目の2014。」
「これはなかなかのワインじゃないか。下手なコルトン・シャルルマーニュよりも良くできている。この強めのミネラル感は熟成させてもおもしろそうだ。6年目の09は隠れた銘酒と呼べるだろう。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 10%
美味しい 64%
普通 26%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
感動レベルの口コミをされる方こそ少ないものの、厚みがあってバランスの良い味わいに、価格以上の価値を感じた方が多いという印象を持ちました。
そして、特にこのワインの良くない部分を指摘する口コミは見当たらないという事で、比較的万人受けしやすい品質である事も読み取れました。
以上です。
なかなか興味深くこれからにも期待できる生産者だと思います。
シルヴァン・ロワシェは他にも多くのラインナップを持っていますが、興味のある方は、まずはロワシェの原点とも言えるこのラドワから試してみてはいかがでしょうか。
あなたにとって善きワインとの出会いが多くなる事をお祈りしております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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