オスピス・ド・ボーヌ ボーヌ プルミエ・クリュ ニコラ・ロラン

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「ボーヌの病院」

の紹介です。

ワイン紹介しなさいと言われそうです(笑)。

さておき、ボーヌのワインで多くの方に選ばれ(口コミされ)、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうという客観的視点から調べてみた結果、オスピス・ド・ボーヌはその条件を満たしており、この地区において外す事の出来ない生産者である事も確認することもできました。

歴史

15世紀当時ボーヌは非常に貧しい状態にあり、街には病人や貧困者が溢れ、その事に心痛めたブルゴーニュ公国の財務長官、ニコラ・ロランとその妻であるギゴーヌ・ド・サランは、私財をなげうって病院を設立。

しかし、治療費を払えない人々の状況は変わりませんでした。

そこでニコラ・ロラン氏は自身の所有するブドウ畑を病院に寄付、そこから造られるワインを売った利益で病人に無償で治療を施し、多くの人々を救ったことが始まりです。

この慈悲深い精神に共感した富裕層やワイン生産者も多く、次々に自らの所有する畑を寄付するようになり、この病院はブルゴーニュ地方に広く畑を所有するようになりました。

現在は医療施設としての機能は持たず、ワインの利益は近代化されたオスピス・ド・ボーヌの維持費などにあてられています。

《ワイン名》 オスピス・ド・ボーヌ ボーヌ プルミエ・クリュ ニコラ・ロラン

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《価格》

20000~26000円

《ブドウ品種》ピノノワール
《ボディ》  ミディアム~フルボディ
《甘辛》   辛口
《産地》   フランス>ブルゴーニュ>ボーヌ>プルミエ・クリュ
《生産者》  オスピス・ド・ボーヌ

《特徴》

品質のバラつきがあるが
大体ハイクオリティー

なかなか理解しにくい小見出コメントですね(苦笑)。

というのも、このワインの製造過程や消費者に届くまでの経緯が独特で様々である事から、そのように言わざるを得ないというのが現状です。

ではその部分を簡単に解説しておきましょう。

オスピス・ド・ボーヌのワインは、多くの生産者がそれぞれブドウを栽培し醸造したワインを樽の状態で競売にかけられ、落札者はネゴシアンにそのワインを預け、熟成と瓶詰をするという過程を経る事になります。

つまり、ワイン造りの段階での生産者の実力の差が出る事と、熟成から瓶詰させるネゴシアンの実力の差が出るという事です。

今回紹介しているボーヌのプルミエクリュは、後で紹介する実際に飲まれた方にも高い評価を得ていますから、比較的品質は安定して高い傾向にあると言えるのではないでしょうか。

【外観】【香り】【味わい】
今回は、前述の通り生産者やネゴシアンによって味わいに差がありますから、具体的な表現は避けさせていただきます。

ボーヌのプルミエ・クリュという事ですから、芳醇で力強さと柔らかさを持った品質で、熟成を経るほどに妖艶で複雑な風味が現れるというザックリとした傾向だけお伝えしておきます。

《飲む時の適正温度》

14℃18℃
その豊かで複雑な香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。

少し冷やし気味にすれば酸味が際立ちエレガントな飲み口になりますし、温度を上げるほど酸は穏やかに感じられ、甘味や風味の広がりある複雑な味わいを楽しめるでしょう。

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃と当たり年》

飲み頃はブドウ収穫年から
【およそ5年~40年
様々な生産者とネゴシアンが介入しているため、飲み頃の幅もあえて幅広いものと捉えました。

良いヴィンテージのワインほど、飲み頃になるのが遅く長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど、比較的早くから楽しめ飲み頃の期間は短くなります。

一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下のようになっています。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

1973年 1
1974年 1
1975年 0
1976年 4
1977年 0
1978年 5
1979年 3
1980年 2
1981年 2
1982年 2
1983年 3
1984年 1
1985年 5
1986年 4
1987年 4

1988年 5
1989年 4
1990年 5

1991年 3
1992年 2
1993年 4
1994年 2
1995年 4
1996年 5
1997年 3
1998年 3
1999年 4
2000年 3

2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 2
2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4

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《適正グラス》

【バルーン型ブルゴーニュグラス】
豊かな香りと、エレガントで優雅な味わいを持った上質なワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がる事で甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》


アワビバター


鴨鍋

など、上質な素材でコクのある味わいの料理に合わせる事で、豊かで優雅な風味の広がる上質なマリアージュが楽しめるでしょう。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

 


《こんな場合におすすめ》

購入することでその利益の一部が医療の充実に繋がる仕組みを持っているワインです。

もちろん品質も上質で、そのような意味合いも含めてワインを楽しみたい場合は良いかもしれませんし、ワイン好きの医師の方への贈り物にしても、そのような仕組みも含めて共感していただけるかもしれません。


《こんな場合には不適切!?》

このワインが競売にかけられるのは、収益を多く捻出し医療を充実させるという意味合いも含まれているため、若干コスパが悪いワインとも言えるでしょう。

また、前述の通り品質にバラつきがある事も特徴ですから、ここは外せないという場面ではちょっとリスキーかもしれません。

ワクワクとスリルを楽しむ場面には良さそうですが(笑)。

 

《飲んだ人の口コミ》

悪い口コミ

「ん?苦味が支配的だ。飲めない品質ではなく普通としておくが、これはきっと酒屋の保存が悪かったのだろう。ちゃんとしてもらいたいものだ。」

良い口コミ

「清潔感があって、身なりも所作も素敵な紳士のような端正さがあります。3年熟成の2012は若いのでしょうが、私は大好きです。」


「熟成ボーヌだけが持つ丸さ、深さ、複雑さがあるね。45年の適切な熟成を経た72は非常に状態も良く、古酒の魅力を存分に楽しめる。ボーヌはやはり熟成させたいね。」


「4年目の2011は若々しい爽やかさとチャーミングさを感じますが、決して安っぽい感じはなく、料理に合わせれれば互いを引き立てあう素敵なマリアージュが楽しめますね。」


「16年熟成の01は飲み頃だ。成分は溶け合いしなやかでエレガントな印象だが、フレッシュさと力強さもまだ持っており、クリーム系パスタとよく合うね。とても楽しい時間を楽しませてもらった。」

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると

感動的!!    10%
美味しい     63%
普通       27%

良くない      0%

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

突き抜けるような凄みは無いにせよ、かなりクオリティーの高い品質である事が伝わってきました。

樽の状態でオークションにかけられ、その後は落札者が貯蔵、瓶詰め、出荷までを行うというという事で、品質に個体差があるというところは賛否両論ありそうですが、遠足に行く前のようなワクワクやスリルを楽しみたい場合は特に良いかもしれません。

 

以上です。

オスピス・ド・ボーヌ・プルミエ・クリュ・ニコラ・ロランのイメージは広がりましたでしょうか。

品質のバラつきが特徴なのですからイメージが広がりようがありませんね(苦笑)。

ここまで読み進めると、貧しい人々や病人を助ける仕組みを思いつき実行したニコラ・ロラン氏が、いかに慈悲深く偉大な人物なのかと感じた方も少なくない事でしょう。

ところがこのニコラ・ロラン氏、かなりの悪代官で有名な人物というのが正体で、自らの私腹を肥やすために多くの犠牲を生んだという事です。

そしてそのような過去を浄化したいという考えから始めた活動というわけです。

なんだか幻滅してしまうような話ですがそれが事実なんですね。

そして毎年11月の第3日曜に競売にかけられる、オスピス・ド・ボーヌの競売会は非常に有名なイベントであり、ワインの価格にもご祝儀相場が含まれています。

日本で言えばマグロの初競りのようなものですかね。

要するに高めであり、実は美しいばかりではないストーリーを持ったワインなのですね。

・・・。

あれ?

私はこのワインをすすめているのでは?(笑)

ともあれ、収益の一部が医療現場に注がれている事は事実で、実際飲まれた方の評価も高いという事で、選択肢に入れたりこのような話のネタにしてみてもおもしろいかもしれません。

日頃悪い事してるな~と感じてる方は、このワインをたくさん買って下さい(笑)。

あなたにとって善きワインとの出会いが多くなる事をお祈りしております。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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