引退して13年、最近右ストレートの打ち方のコツがわかってきました。
遅いかな?
こんにちは、元プロボクサーの加藤です。
さて、日常の疲れを優しく癒すような親しみやすいワインに興味はありませんか?
今回はそんな方に提案したい、リッチで親しみやすいマコンヴィラージュの紹介です。
手頃で良質なワインを生むマコネ地区において、日本の一般消費者の方々に多く飲まれ、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうと客観的視点から調べてみました。
その結果、主要な約40の生産者の中でも、ドメーヌ・ド・ラ・ボングランのマコン・ヴィラージュは多くの方に選ばれており、その値打ちな価格に対する口コミ評価も高い傾向が強く感じられました。
因みに、
・ギュファン・エナン
・レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォン
・ルフレーヴ
・コルディエ
・ジャン・マルク・ボワイヨ
以上の生産者も、この地区での評価は特に高い傾向ですが、ボングランが造る独特の製造過程を経たリッチなワインは、他の生産者のワインとは違った魅力で飲み手を楽しませています。
ドメーヌ・ド・ラ・ボングランは、15世紀からテヴネ家が所有する歴史あるドメーヌで、ヴィレ村とクレッセ村の間のカンテーヌ村が所在地です。
現在はジャン・テヴネ氏と息子のゴーチエ氏によって伝統が引き継がれ、変人?とも呼ばれる独特のスタイルで造られるワインは、多くの消費者を魅了しています。
《ワイン名》 マコン・ヴィラージュ テヴネ・カンテーヌ
《価格》
【3000円前後】
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>マコネ
《生産者》 ドメーヌ・ド・ラ・ボングラン
《特徴》
リッチでバランス良く
親しみやすいコスパワイン
このワインの特徴は、凝縮されたリッチな果実味と優しい樽の風味が感じられる品質にあり、ブルゴーニュらしい綺麗な酸味や上品な蜜のニュアンスは、バランスにも優れた味わいを表現しています。
また、そのような良質ワインが比較的手頃に購入できる親しみやすさも、このワインの嬉しい特徴の一つと言えるでしょう。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■ビオロジック農法■
化学肥料や農薬を使用しないことで微生物の働きが活発になり、健全で成分豊かな土壌が育ち、その豊かなミネラルなどの成分を吸い上げ土壌の特徴を反映した、ピュアなワインを生むブドウが得られます。
■完熟ブドウ■
ブドウはしっかりと完熟したものを丁寧に手摘で収穫します。
そうすることで凝縮された果実味と、上品な甘味を持ったワインが生まれます。
■低温長期発酵■
ジャン・テヴネ氏は試行錯誤の末、ワインに複雑性を与えるためには長期間かけての発酵が必要という考えに至り、その発酵温度も10~16℃と低めにし、なんと16ヶ月にも及ぶ発酵を実践しているという事です。
※通常の白ワインは、15℃~20℃で1~2週間程度です。
■木樽を使用しない熟成■
オーク樽を使わずステンレスタンクでゆっくり熟成させることで、樽の風味を付けずブドウ本来のピュアな風味を表現。
また、アルコール発酵で活躍した酵母の死骸である《澱》はあえて残したままにする事で、澱から抽出されるコクが反映された深みのある味わいを持ったワインが生まれます。
以上のような独特の工程を踏むため、出荷されるのは他の生産者に比べても2年近く遅くなり、円熟したワインが消費者の元に届きます。
おもしろいのは、熟成過程で樽を使用していないにも関わらず、樽の風味が感じられるところで、多くの方の口コミで樽が効いてるとコメントされているところです。(長期間のアルコール発酵の時の樽の風味が出ているか、もしかして、近年樽を使用するようになったのかもしれませんが・・。)
【外観】
深みのあるイエローゴールド
【香り】
桃やパイナップルにラフランスなどの熟した果実の香りに蜂蜜の甘やかさ、柑橘フルーツ爽やかさに白い花の華やかなニュアンスに、樽の風味も複雑性を高めます。
【味わい】
ボリューム感のある熟した果実の風味に、ほんのり甘い上品な蜜のニュアンスが広がり、綺麗な酸は心地よくバランスを整えます。
樽の風味や旨味も伴った心地よい余韻が長く続きます。
《飲む時の適正温度》
【8℃~14℃】
冷やし気味にすれば軽快さが増し、エレガントさのある飲み口になります。
温度を上げるほどボリューム感あるリッチな風味の広がりを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
飲み頃はブドウ収穫年から
【およそ3年~10年】
一般的傾向や飲んだ方の評価傾向から推測すると、これくらいではないかという個人的見解です。
参考のためヴィンテージチャートも載せておきます。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 5
2011年 4
2012年 3
2013年 4
2014年 5
2015年 3
2016年 4
2017年 5
《適正グラス》
【ふくらみのあるシャルドネグラス】
少し温度を上げることで広がる風味を楽しめますから、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶことをおすすめします。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
バーニャカウダ
ラザニア
など、ほどよくコクのある料理などと合わせることで、フルーティな風味とコクの広がりあるマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
果実味豊かでリッチなカリフォルニアのシャルドネのようなワインが好きな方におすすめしたいワインです。
カリフォリニア飲めばいいじゃん。
と言われそうですが(笑)、カリフォルニアなど他のニューワールド系ワインとは違ったリッチさで、ブルゴーニュらしい上品な蜜や美しい酸、そして凛とした鉱物的なミネラル感は、カリフォルニアワインのような味わいが好きな方にとっての、一味違った選択肢になるのではないかと考えます。
ちょっとリッチな気分を味わいたい時、ホッと癒されたい時に力を発揮するワインです。
《こんな場合には不適切!?》
凝縮された果実味を持つ豊潤系のワインが苦手な方にはおすすめしません。
スッキリ系を求めるなら、爽やかなハーブのニュアンスがあるロワールのサンセールや、ステンレスタンクで発酵させた軽快なシャブリ、繊細で主張が少ない日本の甲州などが候補に挙げられるでしょう。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「全体的にはふくよかでキレも良く悪くはなく、むしろ好きな部類。でも10年熟成の08は後味の酸が主張気味で、アルコール感も少し気になるかな。」
【良い口コミ】
「そうそう、これこれ。マコンらしいふくよかさがあり、完熟果実を使用している事がよくわかる。前から好きなんだよね。」
「一週間頑張ったもんね~。青リンゴに優しいバニラの風味、まろやかな味わいは疲れた体に染み入るような心地よさがありますよ~🎵」
「蜂蜜とかパイナップルが広がるリッチさ。優しく寄り添うような味わいで酸も良いバランス。素直に美味しいと言えるワイン。」
「あまり期待していなかっただけに、その美味しさに感激!!7年熟成の2011は濃い目のイエローでトロミのある質感。桃にアンズの豊潤さにレモンの爽やかさ、蜂蜜にバターやナッツ系の香りも広がります。味わいも密度の濃い果実味を酸が引き締め、ハッキリとしたストラクチャーがあり、ほどよいミネラル感。この価格でしたら満足しないわけがない。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 0%
美味しい 40%
普通 60%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
完熟果実や蜜を思わせる豊潤な果実味を綺麗な酸が引き締めるような品質で、複雑性や奥深さはそれほど無く、感動レベルの評価はありませんが、手頃な価格のワインとしてのポテンシャルは非常に高く、高印象を持った方が多数見受けられました。
特に悪い口コミは見当たりませんが、完熟ブドウによるリッチさがこのワインの特徴的な部分ですから、スッキリ系が好みの方にはおすすめしにくいですし、ワイン単体でも楽しめる強さのある品質は、繊細な味わいの料理には合わせ辛いとも思いました。
とは言え、優れた品質である事は確かで、フルーティーで親しみやすいマコンヴィラージュの中でも、特にリッチさが際立つ豊潤なワインは、選択肢の幅を広げてくれる良質ワインだと感じる結果となりました。
以上です。
通常1~2週間程度のアルコール発酵を16ヶ月。
これだけでもかなり興味深いですね。
出荷後、買ってすぐに円熟を感じられるワインも中々ありませんから、そういった意味でも魅力的。
因みにワンランク上のヴィレ・クレッセ キュヴェ・E.J.・テヴネはさらにリッチさと円熟味が際立ちますので、参考になれば幸いです。
あなたにとって善きワインとの出会いが多くなる事をお祈りしております。
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