「ワイン界のポカリスエット」
このキャッチフレーズだけで一度試してみたくなる方も少なくないのでは?
それだけが理由ではないでしょうが、実際非常に多くの方に飲まれており、その口コミ評価も上々。
ポカリを思わせるミネラリーで癒し系の飲み口で人気を集めており、イタリア自然派ワインを語る上でも外せない優良生産者だと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ラ ビアンカーラ(アンジョリーノ マウレ) サッサイア
《価格》
【3000前後】
《ブドウ品種》ガルガーネガ
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>ヴェネト州
《生産者》 ラ ビアンカーラ(アンジョリーノ マウレ )
ラ ビアンカーラはヴェネト州屈指のワイナリーで、イタリア自然派を代表する生産者のひとつ。 創業者であるアンジョリーノ マウレ氏はワイン造りに無縁の家庭に生まれますが、若い頃から自身のワインを造る事に憧れていた人物。妻ローザマリーアさんと始めたピッツェリアの成功により、念願の畑を購入。1988年にワインのボトリングを開始しました。
当初はコンサルタントを雇っていましたが、ありのままのブドウをワインにしたいと考えていたアンジョリーノ氏は、様々な添加物を入れろという彼らと意見が合わず、すぐに契約を解消。
とは言え、どうしたらよいかわからずにいた時に、ワインバーで自然派の先駆けであるグラヴナーのワインを飲み衝撃を受け、それ以降グラヴナーのところに通いつめるようになります。
そこではエディ カンテ、ラディコン、ラ カステッラーダのベンサ兄弟、ダリオ プリンチッチ、ヴァルテル ムレチニックなど現在では自然派を代表するメンバー達が集い激論を交わしながら、それぞれが目指す自然派ワインを造っていく事になります。
その後、意見の相違からグラヴナーのところに集まることはなくなりますが交友は継続しており、2021年現在アンジョリーノ氏は今でも更なる品種向上を目指し挑戦を続けています。
今回紹介しているサッサイアは、そんなラ ビアンカーラを象徴する代表的な銘柄。
ワイン名は、石(Sassi)がごろごろしていた畑がサッサイア(Sassaia)と呼ばれていたことに由来。
巷では「ワイン界のポカリスエット」と呼ばれており、そのナチュラルで心地よい飲み心地で非常に人気の高い銘柄です。
※ラビアンカーラのこだわりや個性的な人物像など、さらに詳しい情報は、非常に熱意ある輸入元と感じるヴィナイオータ様のページでも確認できます。
《味わいの特徴》
自然な果実味と旨味
大人のポカリにも例えられる
瑞々しく優しい味わい
このワインの特徴は、大地の恵みを感じるようなピュアでナチュラルな味わいであること。重すぎず軽すぎることのないバランス感覚にも優れており、その瑞々しい飲み口は大人のポカリスエットに例えられています。
【外観】
薄く濁ったレモンイエロー
【香り】
レモンやグレープフルーツなど柑橘系の爽やかさに、ラフランスや青リンゴのフルーティな果実香はピュアで豊潤。白い花の華やかさや石灰のようなミネラル香のニュアンスも感じられます。
【味わい】
ほんのり甘味を伴った瑞々しい果実味はピュアで軽やかな飲み口。豊富で伸びやかな酸は味わいをスッキリまとめますが、心地よい自然な旨味と相まって優しい印象で、ほのかな苦味を残しつつエレガントな余韻があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
ガルガーネガは、香りや味わいが控えめで、柑橘系の酸が強めでスッキリとした味わいを生む傾向。
しかし、以下のような取り組みを実践することで、軽快さの中に深みのあるピュアな味わいが生まれています。
■ビオディナミ農法■
農薬や化学肥料を使用せず、さらに天体の動きに合わせて農作業を行うビオディナミ農法を実施。
土地の天然酵母など様々な微生物の働きが加わった土壌は、健全で成分豊かなブドウを生みます。
■自然な醸造■
酵母は添加せず、天然酵母の働きを待って発酵を起こさせます。
また酸化防止剤は無添加あるいは少量の添加で済ませており、目指しているのは全ワイン無添加です。
その他にも様々な取り組みがされていますが、大いなる自然から生まれたブドウのピュアな味わいを、そのままボトリングしたいという生産者の信条が根底にあります。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味や凛としたミネラルが際立ち軽快な飲み口が楽しめます。
少し温度を上げれば穏やかな印象になり、ふくらみのある飲み口が楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から2~10年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【小ぶりor膨らみのあるグラス】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
温度が上がりやすく香りも取りやすい膨らみのあるグラスで飲めば、広がりある味わいが楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
生カキをレモンと塩で
鮮魚のカルパッチョ
など、素材の味わいを楽しむような強すぎない味わいの料理との相性が良く、ミネラル豊富なワインの味わいは、特にミネラル豊富な魚貝類との相性が良いでしょう。
逆に力強い肉料理などに合わせると、ワインの味わいが感じにくくなってしまうためおすすめしません。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
ん~。人気みたいだけど、どうも私の好みではないんだよな~。。。
【良い口コミ】
大いなる自然の滋味深さが感じられるサッサイア。柑橘系にハーブ、若干ケミカルなニュアンスを感じる芳香から、非常に軽やかで心地よいアタック。ミネラリーで少しの苦味が適度な果実味と酸と絡み合い絶妙なバランス。野菜の天ぷらとの相性も素晴らしく、無限ループのような時間がしばし。。。素直に美味しいと思わせてくれますね。サッサイアは色々飲んだけど、熟成酒よりも今回の2年熟成の19のような、若くて軽快な味わいの方が個人的には好み。
5年熟成の2016を2本飲み比べ。同じワインなのに瓶詰めの日や、酸化防止剤有無の違いを感じる事ができてとても楽しかった♪
熟成ガルガーネガの素晴らしさに感動!!2010年のマグナムボトルは何と10年熟成。黄金の外観から、金柑やドライハーブの香で、熟成感ある魅惑的果実味をナチュラルな酸がまとめていて、絶妙なバランスです♪
酸が豊富でキレがあるんだけど、丸みを帯びていて優しいんだね。魚介に合わせるべき優秀なワインだと思う。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 57%
普通 37%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
まずはその口コミ量の多さに、注目度や話題性の高さが窺い知れました。
感動的評価こそ稀ですが、否定的な意見も稀。自然派ワインに現れることがある、硫黄臭や豆っぽさといった還元的ニュアンスは無く、非常に心地よいナチュラルな味わいを高く評価するコメントが最も多かったです。
また、熟成酒に対する高評価も興味深く、抜栓してから数時間~数日の変化も楽しいワインである事も伝わってきました。
稀に見る探究心を持つ生産者が手掛ける自然派ワインという事で、ヴィンテージ毎あるいはボトル差もあるように感じましたが、品質が優れている印象は共通。
輸入元であるヴィナイオータさんと同様に熱意の伝わる生産者で、これからの進化も益々楽しみな銘柄と感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ラ ビアンカーラ(アンジョリーノ マウレ) サッサイアは
【価格】
3000前後
【味】
大地の恵みを感じるようなピュアでナチュラルな味わい。
重すぎず軽すぎずバランス感覚にも優れており、その瑞々しい飲み口は大人のポカリスエットに例えられてる。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~10年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
まずはその口コミ量の多さに、注目度や話題性の高さが窺い知れた。
感動的評価こそ稀だが、否定的な意見も稀。自然派ワインに現れることがある、硫黄臭や豆っぽさといった還元的ニュアンスは無く、非常に心地よいナチュラルな味わいを高く評価するコメントが最も多かった。
また、熟成酒に対する高評価も興味深く、抜栓してから数時間~数日の変化も楽しいワインである事も伝わってきた。
以上です。
非常に熱意があり、良いワインを造るための話であれば誰にでも歯に衣着せぬ言葉をかける生産者。
そのこだわりぶりは頭一つ抜けた印象で、これからの躍進も楽しみな注目生産者だと感じました。
なお今回は代表銘柄であるサッサイアを紹介しましたが、弟分である「マシエリ」など、どの銘柄も評価は高い傾向ですから、参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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