中価格帯のブルネッロで最もおすすめできる人気銘柄。
口コミ内容(vinica)を客観的に見る限り、非常に満足度の高さが際立つ印象。
・香りの素晴らしさ
・酸、タンニン、コクなどのバランスの良さ
・時間経過で向上する風味
特に以上の点を高く評価される方が多く、他の生産者のブルネッロと比較するとマイルドで優しい飲み口である事が伝わるものでした。
美味しいブルネッロを選ぶ時、必ず候補に入れるべき銘柄です。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ブルネッロ ディ モンタルチーノ アルジャーノ
《価格》
【6000円前後】
《ブドウ品種》サンジョベーゼ(ブルネッロ)
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 やや辛口
《産地》 イタリア>トスカーナ州
《生産者》 アルジャーノ
アルジャーノはブルネッロを代表する生産者の一つです。 1581年からワイン造りの長い歴史がありますが、注目を集めるようになったのは1992年にノエミ マローネ チンザノ伯爵夫人が所有者になってから。
豊富な資金力で畑やセラーを改装し、イタリア屈指の醸造家ジャコモ タキス氏によって誕生した「ソレンゴ」でその名声を上げます。
2015年にコンサルタントに就任したのはトスカーナ出身のアルベルト アントニーニ氏で、権威あるワイン誌デカンターでは世界の5大醸造家に選ばれるほどの人物です。
同氏の自然派農法への様々な取り組みや、設備の新調なども実施されており、これからの飛躍にも期待が寄せられている生産者です。
今回紹介しているブルネッロは、ソレンゴと並んでアルジャーノを代表する銘柄の一つ。
・2010ヴィンテージはジェームズサックリングで98点
・2015ヴィンテージはワインアドヴォケイトとジェームズサックリングで95点
など様々なワイン誌や評論家に高く評価されている銘柄です。
※詳しくは輸入元のフィラディスさんのページでも確認できます。
《味わいの特徴》
芳醇でまろやか
複雑性と風格を持ち合わせた
人気ブルネッロ
このワインの特徴は、熟した果実を思わせる円熟した果実香と樽やスパイスなどが折り重なった芳醇な香りと、尖ったところの無い深くまろやかな味わいであること。全体のバランス感覚にも非常に優れており、複雑で風格ある味わいで非常に高い人気を誇っています。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
ブルネッロはサンジョベーゼの別名で、厳密にはサンジョベーゼの亜種にあたるサンジョベーゼ グロッソを指します。
フレッシュで軽快な味わいを生む傾向のサンジョベーゼと比較して、サンジョベーゼ グロッソは分厚い果皮がある事からタンニンも豊富。
繊細さと力強さを両立し、長期熟成に耐えるワインを生みます。
■温暖なエリア■
アルジャーノの畑があるサンタンジェロ イン コッレというエリアは、ブルネッロ ディ モンタルチーノの産地の中でも最も温暖な気候を持ちます。
他のエリアと比較してもブドウが成熟するのが早く、ボリューム感のある果実味とマイルドな酸を持ったワインが生まれる傾向です。
■自然派農法■
農薬や化学肥料は極力制限しており、土地の天然酵母など様々な生物の営みが反映された健全で成分豊かな土壌が育まれます。
その成分を吸い上げたブドウは、土地の個性を反映したピュアで成分豊かなワインを生みます。
■大樽で30ヶ月熟成■
アルコール発酵後、オークの大樽で30ヶ月の長期間熟成します。
長期間の熟成で成分が溶け合う事で深みのある円熟味が現れ、樽に由来するバニラやコーヒーのような風味も適度に加わり、複雑性を高めています。
■豊富な資金力■
資金力の豊富さは最新の設備の導入や、コンサルタントの招集、そして様々な研究を実施することを可能にします。
抽象的ですが、上質なワインを生み、さらに成長する原動力の一つになっていると言えるでしょう。
【外観】
透明感のある深いガーネット
熟成するほど淡いレンガ色に近づきます
【香り】
ブラックベリー、プルーン、レーズンなど円熟した果実香は豊かで、樽に由来するバニラやコーヒーの香りも適度。革製品や土やキノコなどの熟成香が加わることで複雑性が高まり、それらが一体となり優雅な芳香を放ちます。
【味わい】
ブラックベリーやプルーンなど、熟した黒系果実を思わせる甘みとコクを伴ったボリューム感のある果実味。シルキーなタンニンは構造ある味わいを表現しつつ、滑らかな飲み口を表現し、穏やかで美しい酸と凛としたミネラル感が味わいを綺麗にまとめると、まろやかな旨味と複雑な風味を伴ったエレガントな余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し冷やし気味にすれば引き締まった印象。酸やタンニンが際立ちエレガントな飲み口に。
温度を上げるほど穏やかな印象。甘味や複雑な風味の広がりが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、トスカーナのヴィンテージチャートも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1999年 5
2000年 4
2001年 5
2002年 2
2003年 3
2004年 5
2005年 3
2006年 5
2007年 5
2008年 4
2009年 4
2010年 5特に好評
2011年 4
2012年 4
2013年 5
2014年 3
2015年 5特に好評
2016年 5
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
充実感ある香りと味わいを楽しむには、香りが取りやすく、甘味を感じやすいバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ラムチョップ
うなぎのかば焼き
など、上質でコクの深い味わいの料理に合わせると良いでしょう。
滑らかで芳醇かつ複雑なワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立てる上質なマリアージュが楽しめます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
6年熟成の2011は普通に美味しいけど、まだ若くタンニン粗め。熟したプラムに樽の香りで、ブルネッロにしては甘味が強めで陽気な感じですね。
【良い口コミ】
6年熟成の2012はバランスが凄く良い!♪甘味と渋味の強さ加減が絶妙です!!
9年熟成の09は、また飲みたくなる。抜栓直後から広がる素晴らしい芳香から、構造はしっかりしつつシルキーな質感は期待通りで、長い余韻が続く。
7年熟成の09は2日目が全開でめっちゃ果実感が素晴らしい!!抜栓直後はサラッとした感じでそれほどでもなかったのに。。。これは早めの抜栓必須ですね!!
このブルネッロなら日常楽しめるワインとして、高すぎるブルゴーニュの代わりになり得るのでは!?6年熟成の2011は角が無いので今飲んでもとても心地よく、ネガティブな要素が無い。もっといろんなブルネッロを知りたくなるキッカケの銘柄になりました!!
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 10%
美味しい 64%
普通 26%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
かなり満足度の高い銘柄というのが第一印象。
ややネガティブ寄りのコメントもありましたが極めて稀で、大半の方が納得、あるいは非常に満足している傾向です。
印象的だったのは香りの心地よさと、味わいのバランスが特に優れていると評価される方が非常に多かった事。
他の生産者のブルネッロと比較すると、滑らかで優しい飲み口である事が多くのコメントから伝わってきました。
抜栓直後から楽しめる印象ですが、時間経過するほど風味は広がり、翌日の味わいに魅了されるコメントもいくつか見られました。
客観的な個人的解釈としては、中価格帯のブルネッロの中で最も満足度が高い銘柄でした。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ブルネッロ ディ モンタルチーノ アルジャーノは
【価格】
6000円前後
【味】
熟した果実を思わせる円熟した果実香と樽やスパイスなどが折り重なった芳醇な香りと、尖ったところの無い深くまろやかな味わい。
全体のバランス感覚にも非常に優れており、複雑で風格が感じられる。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
トスカーナのヴィンテージチャートは以下の通り。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1999年 5
2000年 4
2001年 5
2002年 2
2003年 3
2004年 5
2005年 3
2006年 5
2007年 5
2008年 4
2009年 4
2010年 5特に好評
2011年 4
2012年 4
2013年 5
2014年 3
2015年 5特に好評
2016年 5
【口コミ】
客観的な個人的解釈としては、中価格帯のブルネッロの中で最も満足度が高い銘柄。
ややネガティブ寄りのコメントもあるが極めて稀で、大半の方が納得、あるいは非常に満足している傾向。
香りの心地よさと、味わいのバランスが特に優れていると評価される方が非常に多い。
以上です。
数あるブルネッロの中でも最も温暖な産地のブドウで、やや優しい味わいが好みの方におすすめしやすいブルネッロだと感じました。
あなたはどのように感じましたでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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