数あるキャンティの中でも最も評判が良いと感じた銘柄の紹介です。（キャンティ クラシコを除く）
スッキリ軽快で価格も手軽なためデイリーワインに向くキャンティ。
しかし口コミ（vinica）では、その軽さからか物足りなかったり酸が主張気味と感じさせる銘柄も少なくありませんでした。
そんな中でも好評だったのがリカーゾリ。
様々な銘柄で評判が高い名門ワイナリーですが、手軽なキャンティであっても高い満足感を与えていました。
という訳で、キャンティで唯一紹介する銘柄はリカーゾリとなります。
※キャンティ クラシコは好評な銘柄も多いので、いくつか紹介します。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》キャンティ バローネ リカーゾリ
《価格》
【1300円前後】
《ブドウ品種》サンジョベーゼ主体
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア＞トスカーナ州
《生産者》 バローネ リカーゾリ
バローネ リカーゾリは、ワイン醸造業800年以上の歴史を持つトスカーナ（キャンティ クラシコ地区）の名門ワイナリーです。
現当主（2021年現在）のフランチェスコ リカーゾリ男爵の曽祖父はバローネ ベッティーノ リカーゾリ男爵。
キャンティの基礎となる製法を築き、イタリア共和国の首相も務め❝鉄の男爵❞と呼ばれた人物です。
1970年代から低迷期を迎えてしまったリカーゾリでしたが、フランチェスコ リカーゾリ男爵が1990年代から改革に着手。
「ブドウ本来の特徴とテロワールを大事にする」をコンセプトに、ブドウの樹の植替えや低収量の徹底などを行い品質は向上。評論家やワイン誌に高い評価を獲得する銘柄を生むようになります。2013年からはボルゲリ地区のワイン造りにも着手しており、伝統的キャンティの造り手でありながら、モダンなボルゲリ（スーパートスカーナ）の造り手としても更なる発展を続けています。
今回紹介しているキャンティは、日常消費用に造られた親しみやすい銘柄。
軽快でチャーミングながら名門たる気品が感じられ、多くの消費者を楽しませています。
《味わいの特徴》
軽やかで親しみやすく
ほどよい深みもある
このワインの特徴は、サンジョベーゼらしい軽快でフレッシュな味わいでありながら、適度なコクやスパイスやミネラル感などが感じられる味わいにあり、並のキャンティには無い深みや気品も感じられるところです。
情報の少ないワインでしたが、そのようなワインが生まれる理由を簡単に解説します。
■品種の個性■
キャンティに使用されるサンジョベーゼは、スミレやチェリーを思わせるフレッシュな香りを持ち、味わいも豊富な酸とフレッシュな果実味を持ったワインを生む傾向です。
とは言えリカーゾリが手掛けるキャンティは、軽やかさの中に程良い樽感やミネラルやスパイスの風味などが広がる複雑さも垣間見えます。
なぜそうなるのかについての情報はありませんでしたが、ブドウや土壌の個性を表現する事をコンセプトに掲げる名門リカーゾリの姿勢によると推測されます。
※ザックリすぎてすみません。。。
【外観】
透明感のある落ち着いたルビーレッド
【香り】
ラズベリーやチェリーを思わせるフレッシュさに、カシスやプルーンを思わせる熟した果実香。スミレの上品な華やかさや、ブラックペッパーやチョコレートのニュアンスも適度に感じられ複雑さがあります。
【味わい】
ほんのり甘味とタンニンを伴った果実味は、凛としたミネラル感や心地よい旨味を伴ったミディアムボディ。サンジョベーゼらしい豊富な酸が味わいをまとめると、果実やスパイスの風味を僅かに残した軽やかな余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【１２℃～１８℃】
冷やし気味にすれば引き締まった印象。酸やタンニンが際立ち軽快な飲み口に。
温度を上げるほど穏やかな印象。甘味や複雑な風味の広がりが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から２～５年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、トスカーナ州のヴィンテージチャートも載せておきます。
５点 秀逸な年
４点 良い年
３点 平均的な年
２点 やや難しかった年
１点 難しかった年
０点 悪い年
２０１３年 ５
２０１４年 ３
２０１５年 ５
２０１６年 ５
２０１７年 ３
２０１８年 ３
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
少し冷え気味にして軽快さを楽しむ場合は、温度の上がりにくい小ぶりのグラス。
香や風味の広がりを楽しむ場合は、香りが取りやすく、温度も上昇しやすいバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
カプレーゼ
鴨鍋
軽快さと複雑性を持ち合わせたバランス良いワインです。
合わせる料理も適度なコクを持ったものが適切で、ワインの複雑な風味は野性味のあるジビエ料理ともマッチします。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
2年熟成の2014は良い香りで旨味もしっかりだけど、酸やタンニンも豊富でえぐみも強いからワイン単体だとちょっと。。。チーズと合わせると良くなりますよ。
2年熟成の2017は酸が主張しすぎかな。薄っぺらいわけでもないけど、私にはあまり合いません。
初日の方が美味しい。翌日はやや落ちますから早く飲むべきかと。。。
【良い口コミ】
3年熟成の2016。チェリーやフランボワーズのような軽やかな酸味が心地よく、スイスイ飲めちゃいます。求め過ぎなければ十分にあり。リカーゾリは安定感がありますね♪
日常消費用としては中々優れている。7年熟成の2013は花やブラックベリーのアロマで、溶け込んだタンニンのシルキーな飲み口だね。
流石リカーゾリ！！綺麗な色調と優しく滑らかな味わい♪2年熟成の2016。この価格でこの出来栄えは素晴らしい♥
2年熟成の2018は透明感のある落ち着いたルビーレッド。赤系果実に樽が加わった複雑な芳香で、優しい果実味でタンニンはほとんど感じない。適度な酸が味わいを上品にまとめると、スッキリとした余韻があります。この複雑性と上品さは赤身のジビエと相性が良さそうです。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的！！ ０％
美味しい ２３％
普通 ７４％
良くない ３％
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
比較的軽快な味わいを持ったお手軽キャンティで、感動するようなコメントはゼロ。
キャンティらしい軽快な酸味に対してネガティブなコメントをされる方も少し。
とは言え、適度な深みとバランス感覚を持った味わいに好感を持つ方が最も多く、コスパの良さを褒めるコメントもチラホラ見られました。
価格も考慮すると、数あるキャンティの中では（クラシコを除く）最も満足度が高い銘柄だと感じました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
キャンティ バローネ リカーゾリは
【価格】
1300円前後
【味】
サンジョベーゼらしい軽快でフレッシュな味わいでありながら、適度なコクやスパイスやミネラル感などが感じられる味わいにあり、並のキャンティには無い深みや気品も感じられる。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から２～５年
【当たり年】
トスカーナ州のヴィンテージチャートは以下の通り。
５点 秀逸な年
４点 良い年
３点 平均的な年
２点 やや難しかった年
１点 難しかった年
０点 悪い年
２０１３年 ５
２０１４年 ３
２０１５年 ５
２０１６年 ５
２０１７年 ３
２０１８年 ３
【口コミ】
感動するようなコメントはゼロ。
キャンティらしい軽快な酸味に対してネガティブなコメントをされる方も少し。
とは言え、適度な深みとバランス感覚を持った味わいに好感を持つ方が最も多く、コスパの良さを褒めるコメントもチラホラ。
価格も考慮すると、数あるキャンティの中では（クラシコを除く）最も満足度が高い銘柄だと感じた。
以上です。
調べる限り最も評判が良いと感じたキャンティでした。
ブルネッロや上級キャンティ クラシコのような味わいは求めてはいけませんが、日常的に楽しむには候補に入れておいたい一本ではないでしょうか。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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