ドイツのピノノワールを選ぶなら、必ず候補に入れるべき生産者。
輝かしい受賞歴もさることながら、口コミでも日本の一般消費者から高い支持を集めるワイナリーで、調べる限りでは味わいのレベルという意味でドイツのピノの頂点ではないかと感じています。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ベルンハルト フーバー マルターディンガー シュペートブルグンダー トロッケン
《価格》
【5000前後】
《ブドウ品種》シュペートブルグンダー(ピノノワール)
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 ドイツ>バーデン
《生産者》 ベルンハルト フーバー
ベルンハルト フーバーは優れたピノノワールで注目を集めるバーデンの生産者。 1987年に設立され、ピノ ノワール(シュペートブルグンダー)の栽培に尽力し続けたワイナリーです。
当時は安くて甘いワインが主流のドイツであったため、世間から冷たい風にさらされる事もありましたが、徐々に評価を獲得。
2008年にはドイツのワイン誌「ゴーミヨ」にて2008年度最優秀醸造家賞を受賞、さらに2013年には同誌で赤ワイン部門3冠を獲得しており、名実共にドイツを代表する赤ワイン生産者となりました。 創業者でワイナリー名でもあるベンハルトフーバー氏は、2014年に若くして亡くなってしまいますが、その意志は頼もしい子息によって引き継がれています。
《味わいの特徴》
ブルゴーニュを彷彿させる
複雑性とエレガンス
【外観】
透明感のあるルビーレッド
【香り】
野いちご、ラズベリー、チェリーなど赤い果実の甘酸っぱい香りに、バラやスミレの華やかさ。紅茶や腐葉土などのニュアンスも加わり、複雑でエレガントな芳香が広がります。
【味わい】
ふくよかな果実味は甘味は抑えられてドライな印象ながら、エキス感豊富で旨味の広がるミディアムボディの飲み口。タンニンは柔らかで上品な酸が味わいを引き締めるバランスが良く、複雑でエレガントな芳香と味わいを残した余韻が続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
シュペートブルグンダー(ピノノワール)は男性的な力強さよりも、繊細で上品な女性的ニュアンスを持っています。
そして土地の個性を反映しやすい特徴もあり、大地の恵みを感じさせる滋味深いニュアンスを持ったワインを生むことも特徴的です。
■優れた栽培環境■
ワイナリーがあるマルターディンガー村は、ブルゴーニュから続く地層で赤い石灰岩土壌で、シャンボール ミュジニーにも似た土壌と言われています。
また、昼夜の寒暖差が大きいこともブドウ栽培に適しており、昼の温暖さで豊潤な果実味を育みつつ、夜の冷え込みで綺麗な酸を持ち合わせたブドウが生まれます。
このワインはマルターディンガー村ビーネンベルク畑のブドウのみを使用しており、ベーシッククラスのワンランク上と位置付けられており、ブルゴーニュで言うところの村名ワインに相当します。
■収量制限■
剪定や間引きなどで収穫量はあえて抑えており、残された良質なブドウに成分が集中することで凝縮感溢れるワインが生まれます。
フーバーでは房の下部半分を剪定する特徴的な手法を実践しており、日照を受け糖度が高くなる房の上部だけを使うことで濃縮間のある味わいが生まれます。また、下部を着ることで風通しが良くなり、湿度によって発生しやすいカビから守られることで健全なブドウが育ちます。
■樽熟成■
発酵を終えたワインは古樽の小樽で12ヶ月熟成されます。
樽の風味が反映されやすいのは新樽>古樽、小樽>大樽で、ブドウの繊細なニュアンスを隠さない程度に樽の風味が加わり複雑性が生まれます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
少し冷やし気味にすれば酸味が際立ち、エレガントで上品な飲み口。
温度を上げるほど酸は穏やかに感じられ、甘味や複雑な風味の広がりある味わいが楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から3~15年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計された、バルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ポークグリル
鴨鍋
など、適度にコクのある料理や野性味のある味わいを持った素材との相性が良いでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
ブルゴーニュの上質ピノみたいで美味しいけど、コスパは良くはないかな。。。
【良い口コミ】
3年熟成2016は赤い果実の甘酸っぱさに適度な樽も加わった良い香り。中程度の果実味とキメ細かなタンニンがあり、味わいを上品にまとめる酸のバランスも良く、とっても美味しいと思いました♪
ラズベリーやチェリーにバラや紅茶、鉄っぽいニュアンスも感じられる香り。穏やかな果実味とシルキーなタンニンが広がるミデアムボディの飲み口で味わいはドライです。充実したエキス感があり、ほど良い酸が上品にまとめる味わいで、余韻に残る花の蜜を思わせるニュアンスが印象深いですね!!
9年熟成の2013は魅惑的なルビー色で、上品でエレガントなブルゴーニュを彷彿させる味わいで、冷涼な産地のブドウであることが伝わる。さすがフーバーといった感じです。
4年熟成の2016は淡めの色調から、赤系果実、紅茶、土、革製品などの複雑なニュアンスを含んだ芳香が広がる。ブルゴーニュに比肩するクオリティーがあるが、若干果実感が強めなのでワインだけでも楽しめる印象。美味しいですよ。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 47%
普通 50%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
ブルゴーニュにも似た上質ピノノワールといった印象で、納得の美味しさで満足度は高めな傾向です。
お値段もそこそこするので、コスパという意味でネガティブな意見もありましたが、多くの方が複雑かつ上品な味わいに納得している印象です。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ベルンハルト フーバー マルターディンガー シュペートブルグンダー トロッケンは
【価格】
5000前後
【味】
赤い果実、バラ、紅茶、土などの複雑でエレガントな芳香。
ふくよかな果実味は甘味は抑えられてドライな印象ながら、エキス感豊富で旨味の広がるミディアムボディの飲み口。タンニンは柔らかで上品な酸が味わいを引き締めるバランスが良く、複雑でエレガントな芳香と味わいを残した余韻が続く。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~15年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
ブルゴーニュにも似た上質ピノノワールといった印象で、納得の美味しさで満足度は高めな傾向。
お値段もそこそこするので、コスパという意味でネガティブな意見もありましたが、多くの方が複雑かつ上品な味わいに納得している印象。
以上です。
高騰するブルゴーニュを考えるとドイツのピノは良い選択肢になり得るのではないでしょうか。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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