非常にお手軽ワインを産むエミリアロマーニャ州において、イルヴェイと並んでワンランク上の味わいで人気。(それでも手頃ですが。)
手掛ける銘柄はどれも口コミ満足度は高いですが、特に人気で好評なのが微発泡のマルヴァジーアだと感じました。
特徴的なワインではありますがバランスは良く、料理にも合わせやすい味わい。
自然派ワイン好きな方に限らず手頃な良質ワインとして、おもしろい選択肢になると感じています。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》カミッロ ドナーティ マルヴァジーア
《価格》
【2500前後】
《ブドウ品種》マルヴァジーア ディ カンディア アロマティカ
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>エミリア ロマーニャ州
《生産者》 カミッロ ドナーティ
カミッロ ドナーティはエミリア ロマーニャ州で自然派ワインを造る優良生産者。
2021年現在当主であるカミッロ氏の祖父オルランド氏が、1933年に自家消費用にワインを造り始めたことが始まりで、1964年からカミッロ氏がワイナリーを引き継ぎました。
自然な栽培と醸造を実践しており、日本の消費者からも高い評価を集めています。
※詳しくは輸入元であるヴィナイオータさんのページで確認できます。
《味わいの特徴》
豊潤でドライ
ナチュラルな旨味を持った
ハイコスパ微発泡白ワイン
このワインの特徴は、ブドウのナチュラルな旨味を伴った豊潤でドライな飲み口にあり、ハイレベルなワインにしては価格が抑えられている点も嬉しい特徴と言えます。
【外観】
やや濁りのある濃いめの麦藁色
【香り】
ラフランス、赤リンゴ、白桃、カリンなどのフルーティーで豊かな香りを主体に、グレープフルーツなどの柑橘類やハーブを思わせる爽やかさや、石灰を思わせる鉱物的なミネラル香も垣間見えます。
【味わい】
僅かな甘味を持ったピュアな果実味は心地よい旨味を伴ったミディアムボディーの飲み口。ピリリとした微発泡と引き締める酸味がドライな味わいを表現しており、ナチュラルな旨味や少しの苦味を感じる後口があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
このワインに使用されるマルヴァジーア ディ カンディア アロマティカはギリシャのクレタ島が原産で、数世紀前からこエミリアロマーニャ州で栽培されています。
トロピカルフルーツのようなアロマティックな芳香が現れる特徴があります。
■自然なワイン造り■
農薬や化学肥料を使わない有機農法を実践し、人工的に培養された酵母ではなく土地の天然酵母の働きで発酵させます。
様々な微生物の働きが加わった健全で成分豊かな土壌が育まれ、そのエキスを吸い上げたブドウのピュアな味わいを表現しようとしています。
■マセラシオンをする■
通常の白ワインは最初にブドウを搾り果汁だけを発酵させます。
しかしこのワインは果皮などの固形物を果汁に漬け込む工程を経ています。
この漬け込みをマセラシオンと呼び、果皮などから抽出される濃いめの色調や仄かな苦味や渋味など、複雑さのある味わいを生む要因の一つになっています。
■微発泡の生み方■
アルコール発酵は果汁の糖分がアルコールと炭酸に変化する発酵。
このワインの場合アルコール発酵の途中の糖分を残した果汁を一部取り出し、発酵を止めて別で保存します。
そして通常通りアルコール発酵を終えたワインをボトリングする際、この糖分を残した果汁を添加。栓をしたボトルの中で再び発酵が始まり炭酸が発生することで微発泡のワインが生まれます。
《飲む時の適正温度》
【8℃~16℃】
冷やし気味にすれば酸が際立ち引き締まった印象。上品な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど酸は穏やかな印象になり、広がりある風味が楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
飲み頃ブドウ収穫年から1~5年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【中庸で膨らみのあるグラス】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスで飲めば、軽快な飲み口が楽しめます。
香りが取りやすく温度も上がりやすい膨らみのあるグラスで飲めば、心地よいな風味の広がりが楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
サーモンのハーブグリル
パスタ全般
程良いコクもある白ワインで、心地よい発泡性は肉料理など強めの味わいをサッパリさせる効果もあり、幅広い料理に合わせやすいワインです。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
2700ですか。美味しいけど気軽に楽しめる値段ではないかな。。。
【良い口コミ】
結構ドライでフードフレンドリー。和食ともよく合いました!!2年熟成の2018は飲んだ後に感じるハーブ香が気に入りました♪
イタリアの自然派マルヴァジーアはコスパが良い銘柄が多いがコレも然り。いくつかのワインを楽しむ会で、赤ワインが続いた後登場した2年熟成の2018は、口直しのような爽快な飲み口で会全体を和らげてくれる働きぶり。皆さんの反応も良く、いいタイミングで出せました。
フランスで同レベルの味わいを同価格帯で見つけるのはかなり難しい。イタリアはその点素晴らしいですね。最近はバランス型のメンティロンカイエばかりでしたが、ほんのり桃やレモンを感じる個性的なカミッロ ドナーティも良いですね。今回は2年熟成の2018でした。
前飲んだ時は旨味の凝縮感が凄いイメージだったけど、2年熟成の2018は思いのほかスッキリ軽快な印象。自然派でボトル差があるのかもしれないけど、それでも十分に美味しいと思えるお気に入り銘柄です!♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 15%
美味しい 50%
普通 35%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
発泡性のある個性的なフリツァンテではありますが、安定して満足感が高い印象。
価格面でネガティブなコメントもありましたが品質を否定するものではなく、むしろコスパの良さを褒める意見の方が多かったです。
また、味わいのバランスも良く料理との相性の良さを褒める意見も少なくありませんでした。
カミッロ ドナーティは手軽な価格帯のワインがほとんどのエミリア ロマーニャ州においては、イルヴェイと並んで高品質な自然派ワインを生んでいる印象。
その中でも特に満足度が高いのがマルヴァジーアだと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
カミッロ ドナーティ マルヴァジーアは
【価格】
2500前後
【味】
僅かな甘味を持ったピュアな果実味は心地よい旨味を伴ったミディアムボディーの飲み口。ピリリとした微発泡と引き締める酸味がドライな味わいを表現しており、ナチュラルな旨味や少しの苦味を感じる後口がある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から1~5年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
発泡性のある個性的なフリツァンテだが、安定して満足感が高い印象。
価格面でネガティブなコメントもあるが品質を否定するものではなく、むしろコスパの良さを褒める意見の方が多い。
また、味わいのバランスも良く料理との相性の良さを褒める意見も少なくない。
以上です。
私個人としては非常に興味深いワインでしたが、あなたはどのように感じましたでしょうか。
ちなみに今回は特に好評のマルヴァジーアを紹介しましたが、最後までどちらを紹介すべきか迷ったのがソーヴィニョンブランでした。
スッキリ爽快なソーヴィニョンブランとはちょっと違ったニュアンスがあるようですが、かなり好評。
そんなソーヴィニョンブランを含めたカミッロドナーティの様々なラインナップは、下記のリンク先で検索できますから参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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