コスパワイン=価格以上の品質を持ったワイン。
メドック格付けワインの中でコスパワインを選ぶとしたら、間違いなくこのワインが候補に挙がるでしょう。
あまり知名度は高くはありませんが、ボルドーワインを愛する方々をこっそり満足させている品質は知っておくべきでは?
と、感じましたので紹介させていただきます。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 シャトー グラン ピュイ ラコスト
《価格》
【7000~3万円】
1万前後が多いです。
※ヴィンテージによって価格は変動します。
《ブドウ品種》
・カベルネソーヴィニヨン主体
・メルロー少し
《ボディ》フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ボルドー>メドック>ポイヤック
《生産者》シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト
《特徴》
ボルドーらしい力強さで
コスパが高い
グラン・ピュイ・ラコストの特徴は、クラシカルな力強いボルドースタイルで、コスパが高い事が特徴です。
《力強いボルドースタイル》
まろやかな果実味が主体で、タンニンと酸味の角が取れた柔らかなモダンなスタイルではなく、豊かな果実味とタンニンを持った品質は、たくましさ・力強さを感じさせる昔ながらのボルドースタイルです。
《コスパが高い》
1990年代半ばまで品質が安定せず価格も控えめでしたが、現在でもその名残からか価格は控えめです。
品質に関しては、格付け第2級のデュクリュ・ボーカイユを仕切っていたグザヴィエ・ボリー氏が近年オーナーになったことで、より安定し向上しています。
【外観】
若いうちは深いルビーレッド。
熟成が進むほどレンガ色に近づきます。
【香り】
若いうちはベリー系果実やチェリーに、チョコレートやタバコのニュアンスが加わります。
熟成が進むほど果実香は落ち着きある甘やかさが現れ、革製品や土といった熟成香も加わります。
【味わい】
若いうちはベリー系果実やカシスなどの豊かでピュアな果実味が感じられ、豊かなタンニンは骨格を形成し、酸味が味わいをまとめます。
熟成が進むほど果実味は円熟味を増し落ち着きが現れ、タンニンなどの成分が溶け込みしなやかになった質感と共に、上品さを感じさせる品質に成長していきます。
※熟成度合いによっても香り・味わいは変わるため、平均的な風味の指標にしてもらえると良いでしょう。
《飲む時の適正温度》
【16℃~18℃】
その豊かで洗練された香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当り年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~25年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど飲み頃の期間は短くなりますが、比較的早くから楽しめます。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1990年 5
1991年 1
1992年 1
1993年 1
1994年 3
1995年 4
1996年 4
1997年 2
1998年 3
1999年 3
2000年 5
2001年 3
2002年 3
2003年 4
2004年 3
2005年 5
2006年 3
2007年 3
2008年 4
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 3
2013年 2
2014年 4
2015年 5
2016年 5
2017年 4
※グランピュイ ラコストは1960年代~1977年までの出来は良くなかったようです。
【パーカーポイントが高かった年】
1982 95点
1986 90点
1990 95点
1994 90点
1995 95点
2000 92点
2005 95点
2006 91点
2007 90点
2009 95点
2010 95点
2011 91点
2014 95点
>アマゾンでグラン ピュイ ラコストの当り年を探す
【パーカーポイントが低かった年】
1983~2014までで上記以外の年は80点代後半で、ワイン全体から見れば低い点ではありません。
しかし古いヴィンテージは飲み頃を過ぎている可能性もありますから注意が必要です。
※ワインの飲み頃についての知識は、
第10回【品種・タイプ別 赤ワイン・白ワインの飲み頃】
でも確認できます。
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れる事でしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ラムチョップ
うなぎのかば焼き
など、上質な素材などを使用しコクのある味わいの料理と合わせる事で、豊かで複雑な風味の広がりを体感できる、上質のマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「2011はオフヴィンテージだけど、そこがまたいいのかな。親しみやすい味わいだ。果実味に煙草などの風味でボルドーらしさがあり、濃いわりにそれを感じさせないエレガントさが心地よい。2日目はさらに良くなったよ。」
「1975は素晴らしい熟成を経たようです。タンニンは溶け込み甘やかな風味。ブルピノばかりの私でしたが、ボルドー古酒にもハマりましたね。」
「甘やかな果実香でタンニンも溶け込み絹のよう。コーヒーを感じさせる甘美な余韻はまだまだ飲み頃が続く事がわかる。1982は素晴らしいですよ。」
【悪い口コミ】
「2013は雨が多く難しかったからね。こんなもんかな。」
「薄いわ!!水で薄めたの!?2001は気を付けて!!香りはいいけどタンニンだけが主張してくるのよ!!」
「独特な風味だ。馬っぽいぜ。2007はクセが強いのかもしれない。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 6%
美味しい 65%
普通 23%
良くない 6%
というニュアンスが伝わる結果でした。
良いワインだと思うという気持ちが伝わる口コミが最も多く、熟成古酒で感動している方もいらっしゃいました。
しかし一部では独特の風味がする方(ブショネかもしれませんが)、ヴィンテージが悪く薄っぺらいという口コミが見られたのも事実です。
以上です。
シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト。
ロバートパーカー氏も3級に格上げしても良いかもしれないと言っています。
私にも言わせて下さい。
知って得する。かもしれない。
失敗したとしてもダメージが少ない。かもしれない。
そんなワインですかね(笑)
全てのワインを元気なうちに飲める方は存在しませんが、できるだけ様々なワインを経験して、あなただけの特別な一本に出会えることをお祈りしております。
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