オー・ブリオンと言えば5大シャトーのシャトー・オー・ブリオンですか?
知名度では確かにそうですね。
シャトー・オー・ブリオンの隣に畑を持ち、違った個性を発揮するワイン。
時にはオー・ブリオンより高い評価を獲得するほどで、最大のライバルでもあります。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 シャトー ラ ミッション オー ブリオン
《価格》
【25000~11万円】
※3万~5万くらいが多い
※ヴィンテージによって価格は変動します。
《ブドウ品種》
・カベルネソーヴィニヨン
・メルロー
・カベルネフラン微量
※ヴィンテージによって使用比率は変動します。
《ボディ》フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ボルドー>ぺサック・レオニャン
《生産者》シャトー・ラ・ミッション・オーブリオン
《特徴》
濃厚で力強く男性的
熟成でエレガントで女性的に
オー・ブリオンの最大のライバルであるラ・ミッションの特徴は、複雑で品格溢れるエレガントさを持つ女性的なオー・ブリオンに対して、濃厚な果実味と骨格を形成する豊富なタンニンを持ち、豊かな酸味もあるところで、男性的なガッシリとした骨太な品質です。
そのように豊富なタンニンと酸を持ち併せている事で、非常に長期間の熟成に耐える事も特徴的で、特に良い年のワインは80年の熟成にも耐えると評されています。
また、熟成が進むほどに骨格ある男性的な味わいは、タンニンや酸などの成分がワインに溶け込み落ち着いていく事で、女性的なエレガントさを感じさせる品質に変化していきます。
そして近年の品質の安定感も素晴らしく、特に2000年以降のパーカーポイントも、格別の95点以上の評価を80%くらいの確率で獲得しているのもすごいですね。
もう一つのオー・ブリオン。
ラ・ミッション・オー・ブリオンを知らないのは、オー・ブリオンの半分しか知らないも同然!?なのかもしれません。(ちょっと言い過ぎたかな(笑))
【外観】
若いうちは深い赤紫色。
熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。
【香り】
若いうちは生き生きとしたベリー系果実やカシスなどの果実香に、土・キノコ・煙草のニュアンスなども加わり、複雑で芳醇です。
熟成が進むほど果実香は落ち着き甘やかになり、ドライフルーツ・トリュフ・獣などの熟成香も豊かに広がります。
【味わい】
若いうちは濃厚な果実味が広がり、なめらかさのある豊富なタンニンは存在感があり骨格を形成し、美しく豊かな酸味は味わいを引き締め、長い余韻があります。
熟成が進むほどタンニンや酸などの成分がワインに溶け込んでいき、非常になめらかなシルクのような質感になります。力強さよりも全体の調和が取れた品質で、上品な甘味と旨味そして複雑味を持ったエレガントで官能的なワインに成長していきます。
※熟成度合いによっても香り・味わいは変わるため、平均的な風味の指標にしてもらえると良いでしょう。
《飲む時の適正温度》
【16℃~18℃】
その豊かで洗練された香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当り年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~80年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど飲み頃の期間は短くなりますが、比較的早くから楽しめます。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1960年 1
1961年 5
1962年 4
1963年 0
1964年 3
1965年 0
1966年 4
1967年 3
1968年 0
1969年 1
1970年 3
1971年 2
1972年 0
1973年 2
1974年 0
1975年 3
1976年 2
1977年 0
1978年 3
1979年 3
1980年 1
1981年 2
1982年 5
1983年 3
1984年 1
1985年 4
1986年 4
1987年 2
1988年 3
1989年 4
1990年 5
1991年 1
1992年 1
1993年 1
1994年 3
1995年 4
1996年 4
1997年 2
1998年 3
1999年 3
2000年 5
2001年 3
2002年 3
2003年 4
2004年 3
2005年 5
2006年 3
2007年 3
2008年 4
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 3
2013年 2
2014年 4
2015年 5
2016年 5
2017年 4
【パーカーポイントが特に高かった年】
1975 99点
1978 96点
1982 100点
1989 100点
1990 99点
1995 95点
2000 100点
2005 100点
2006 95点
2008 95点
2009 100点
2010 98点
2011 95点
2012 97点
2014 96点
【パーカーポイントが低かった年】
1983 88点
1986 89点
1987 88点
1991 87点
1992 88点
1997 87点
1998 84点
2013 89点
※ワイン全体から見れば低い点ではありませんが、飲み頃を過ぎている可能性もありますから注意が必要です。
※1982以降でここに載っていないヴィンテージは90~94点の傑出した品質です。
※ワインの飲み頃についての知識は、
第10回【品種・タイプ別 赤ワイン・白ワインの飲み頃】
でも確認できます。
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れる事でしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
上質な和牛ヒレステーキを赤ワインソースで
クリーム系パスタにトリュフを乗せて
など、特に上質な素材を使用しコクの深い味わいの料理と合わせる事で、洗練された濃厚で複雑な風味の広がりを体感できる、極上のマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「樽に由来する複雑な香りに続いて芳醇な果実の香り。存在感のあるタンニンはほどよく溶け込み、まだまだ熟成に耐える品質である事がわかる。1999は今飲んでも十分に満足できる素晴らしいワインですね。」
「2006のラミッションをデキャンタしてゆっくり楽しませていただきました。ベリー系果実・花・干し草・土など様々な香りで、スッと口に入ってくるしなやかな質感でただただ美味しい。幸せな時間をありがとうございました。」
「グラスに注がれると甘やかな香りが感じられる。熟したベリー・キャラメルの風味は官能的な甘味を持ち、タンニンも溶け込みしなやか。素晴らしい熟成を経た秀逸な1955。」
【悪い口コミ】
「液漏れで液面も下がったラミッション・・・。やっぱり駄目だった・・。1970残念。今度は状態の良い古酒を飲みたい。」
「ラミッションはオーブリオンに比べて力強く濃いイメージを持っていましたが、1998は薄くてこんなラミッションは初めてです。まあ美味しいワインではありますが、本来の力ではありません。1998・・なるほど、パーカーの評価も低いわけだ。」
「素晴らしい香りを持ったワインですね。もうそれだけでも十分。味わいはまだタンニンと酸味が強く硬い印象で、果実の風味もやや弱め。2004はまだ早かったですがポテンシャルはものすごく感じました。2004はまだ飲んじゃダメ!!」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 30%
美味しい 50%
普通 17%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
品質劣化していた方以外では、ほぼ悪い評価をする方はいませんでした。
ヴィンテージによって品質に多少の波もあるようですから、購入される方は飲み頃を知るという意味でも、ヴィンテージの評価のチェックは必須だと感じました。
いずれにせよ、適切なタイミングで飲まれた方は非常に満足度が高く、特に20年以上熟成させたラミッションを飲まれた方の評価は高いですね。
近年のパーカーポイントも、100点満点やそれに近い得点で格別ですから、適切に保存して究極のラミッションを数十年後に飲むという計画を立てるのも素敵ですね。
以上です。
シャトー・ラ・ミッション・オーブリオン。
当たり年は80年の熟成に耐えますか。
飲んでみたいですね。生きてたら。
生きててワインが美味しいと思える健康なうちに、なるべくたくさんのワインを経験したいと思うこの頃でした。
その前にしっかり稼がないと飲めませんよ!!
って話ですが(笑)
しっかり稼いだ時、このような品格溢れるワインを自分で購入して、特別な人と特別な日に飲めたら最高に有意義ですね。
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
・・・
お前も頑張れよ
って
聞こえてきそうです・・・。
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