シンデレラワインとは?
無名だったワインがいきなり注目を浴び、急激に人気や市場価格が高騰するワインの事。
さて、ボルドーではそのようなシンデレラワインがいくつかあります。
シャトー・ペトリュスが元祖。
そしてシャトー・ル・パンが1980年代に名声を挙げます。
それらに次いで頭角を現したのがシャトー・ヴァランドローです。
あなたのワイン選びの一助になれば嬉しく思います。
《ワイン名》 シャトー ヴァランドロー
2010
ビッグヴィンテージかつ飲み頃パーカー97点
《価格》
【17000~55000円】
※ヴィンテージによって価格は変動します。
《ブドウ品種》
・メルロー
・カベルネフラン
※ヴィンテージによって使用比率は変動します。
《ボディ》フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ボルドー>サンテミリオン
《生産者》シャトー・ヴァランドロー
《特徴》
リッチで凝縮感溢れる優雅な
シンデレラワイン
ヴァランドローは1989年に設立された新鋭のシャトーです。
ワイン商で成功を収めたテュヌヴァン夫妻は、自分達で最高のワインを造ろうと考えました。
ミシェル・ロラン氏のコンサルティングの力もあり、1991年の初ヴィンテージ以来瞬く間にトップワインに上り詰め、2012年の格付け見直しで第一特別級Bに昇格しました。
※これはサンテミリオン格付けにおいて第一特別級Aの4シャトーに次ぐ2番目の格付け順位を意味します。
研究熱心なテュヌヴァン氏は、2000年にブドウ畑にビニールシートを敷いて雨水を排除する方法でブドウを育てましたが、この方法は法律では禁止されており、このブドウを使って造られたワインは格下げされる結果となりました。
しかし、格下げしてでも良いワインを造りたいという熱意が伝わるエピソードで、現在でも法律違反はしませんがそのような熱意は変わらず、良きワインを造るための努力を継続しています。
そんなヴァランドローの特徴は、緻密に凝縮されたリッチなな味わいで豊富なタンニンを持った優雅な味わい。
豊かな果実味を感じる早飲みでも楽しめ、熟成させても奥深く落ち着きある優雅な味わいを楽しめます。
瞬く間にトップに上り詰めたこのワインは、これから頑張る方への激励にもいいですし、昇進祝い、あるいはシンデレラのような可能性を秘めた方に贈ってもいいですね(笑)
【外観】
若いうちは非常に濃厚な紫。
熟成が進むほど濃厚さはやわらぎ、ガーネットを帯びた色調に変化していきます。
【香り】
若いうちはプラムやベリー系果実、バラやチョコレートなどを感じさせます。
熟成が進むほど果実の香りは落ち着きを見せ、ドライフルーツや土、煙草に革製品といった香りも感じさせます。
【味わい】
若いうちは非常にパワフルで緻密な果実味主体の味わいで、熟成が進むほどタンニンなどの成分が溶け込み、落ち着きある奥深い旨味・コクを持った優雅な品質になってゆくでしょう。
※熟成度合いによっても香り・味わいは変わるため、平均的な風味の指標にしてもらえると良いでしょう。
《飲む時の適正温度》
【16℃~18℃】
その豊かで洗練された香りと味わいを感じるには、このくらいの温度帯が最も広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当り年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5~30年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど飲み頃の期間は短くなりますが、比較的早くから楽しめます。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1990年 5
1991年 1
1992年 1
1993年 3
1994年 3
1995年 4
1996年 3
1997年 3
1998年 5
1999年 3
2000年 5
2001年 4
2002年 3
2003年 3
2004年 3
2005年 5パーカー97点
2006年 3
2007年 3
2008年 5
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 2
2014年 4
2015年 5パーカー96点
2016年 5
2017年 4
※ワインの飲み頃についての知識は、
第10回【品種・タイプ別 赤ワイン・白ワインの飲み頃】
でも確認できます。
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れる事でしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
牛肉の赤ワイン煮込み
ラムチョップ
など、上質な素材などを使用しコクのある味わいの料理と合わせる事で、複雑な風味と豊かなコクの広がりを体感できる極上のマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
サンテミリオンを代表する素晴らしい品質のワインで、知名度も高いワインでもあります。
大切な方への贈り物にしても、ヴァランドローであれば、品格・味わい共に抜群で喜んでもらえるでしょう。
また、結婚記念日など記念日に飲んでも思い出の1ページに残るワインになるでしょう。
それから、ヴァランドローは一躍クラッセBから昇格したワインですから、昇進祝など何かを達成した時にはピッタリですね!!
そのような時にプレゼントしてもいいですし、シンデレラワインですからシンデレラのような潜在能力に満ち溢れた方への激励にもいいですね。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「ずっと飲んでみたかったんです。旨い。未知の複雑さでしたよ。皮製品やインクもありましたね~2007。」
「平凡なヴィンテージなのかい?1999は。いや、私には素晴らしいよ。樽のスモーキーなニュアンスが印象的で、果実の密度はとても深みがあるね。まさに飲み頃だ。」
「繊細さのあるフレンチに合わせたいワイン。重くもあり優雅でもある。様々な味わいがあり飽きが来ないわね。全体のバランス感覚にも優れているわ、2008は私の好み。」
【悪い口コミ】
「2007はメルロー100%でめずらしいらしいけど・・。俺にはカベルネフランが入った方が好みのようだな~。」
「2004。14年経ったのにまだ硬いではないか!!さすがというべきか!?タンニン好きにはいいかもね。2日経過でちょっと良くなった。あと数年待つべきだった。」
「上品な香りはいいわね。口当たりのなめらかさがもっと欲しいわね。悪くわないけど価格を考えると期待が膨らむから。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、
感動的!! 30%
美味しい 55%
普通 15%
良くない 0%
という結果でした。
5大シャトーで見られるような感動的なコメントは少ないものの、奥深く上質なワインである事は伝わる印象の口コミが多かったですね。
ヴィンテージの良い年は、非常に成分が充実しているので硬い印象の口コミもいくつかありましたから、タンニンの溶けた品質が好きな方は熟成せせたヴァランドローを選んだ方がよさそうですね。
以上です。
シャトー・ヴァランドロー。
シンデレラワインです。
技術も情報も洗練されつつある現在においては、このようなワイナリーが世界のどこで現れても不思議ではありません。
次なるシンデレラはどこに出現するでしょうか。
そんな宝探しのようにワインを楽しむのも悪くありませんね。
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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