オーストラリアを代表するピノ。
ルーシーマルゴーと並んで口コミ満足度が非常に高いピノを生む生産者ですが、ルーシーマルゴーはネット上でほぼ売っていないため、このブログでは唯一紹介するオーストラリアのピノです。
ブルゴーニュを思わせる上品さや繊細さが楽しめる優れた赤ワインだと感じています。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》カーリー フラット ピノ ノワール
《価格と基本情報》
【7000前後】
《ブドウ品種》ピノ ノワール
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 オーストラリア>ヴィクトリア州
《生産者》 カーリー フラット
カーリー フラットはオーストラリアにおけるピノノワールとシャルドネのトップ生産者のひとつです。1980年代にスイスに在学中だったフィリップ モラハン氏は、ブルゴーニュのピノノワールに出会い魅了され、自分でそのような繊細なピノをオーストラリアで造ることを決意。
最適な環境を見つけるための地道な調査の結果たどり着いたのは、ヴィクトリア州のマセドン レンジズでした。
そうして1989年にジェニファー コルカ氏と共にワイナリーを設立。
その味わいの良さは口コミなどで徐々に浸透していき、2022年現在オーストラリアを代表する生産者のひとつとして認知されるようになりました。
《味わいの特徴》
上級ブルゴーニュを思わせる
繊細さと滋味深さがある
【外観】
透明感のあるガーネット色
【香り】
ラズベリー、イチゴ、チェリーなど赤い果実の芳香にバラやスミレの華やかさも感じられ、腐葉土、紅茶、革製品などのニュアンスも加わり複雑で上品な芳香が広がります。
【味わい】
透明感のある上品な果実味は少しの甘味と出汁の効いたような旨味を伴い、タンニンはしなやかで穏やか。涼しげな酸が味わいを上品に引き締めるバランスも良く、心地よい旨味や複雑な風味を残した余韻が続きます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
ピノノワールは男性的な力強さよりも、繊細で上品な女性的ニュアンスを持っています。
そして土地の個性を反映しやすい特徴もあり、大地の恵みを感じさせる滋味深いニュアンスを持ったワインを生むことも特徴的です。
■目指す品質■
繊細でエレガントなブルゴーニュのピノに魅了され、そのようなワインをオーストラリアで造るべく始まったワイナリーです。
以下の取り組みはそのようなワインを生むための具体的手法と言えます。
■冷涼な産地■
ブルゴーニュのピノノワールのような繊細なピノを造るために選んだヴィクトリア州のマセドン レンジズ。
オーストラリアでも最も冷涼な地区で、同じく冷涼なブルゴーニュにも似た上品な酸が魅力的なワインを生みます。
■ビオディナミ農法■
2006年以降は農薬や化学肥料を一切使用しないことはもちろん、天体の動きに合わせて農作業を行うなど、非常に緻密な管理が必要なビオディナミ農法を実践しています。
土地の天然酵母など、様々な微生物などの働きが加わった土壌は健全で成分豊かな状態になり、そのエキスを吸い上げたブドウはピュアで滋味深いワインを生みます。
■控えめの抽出■
赤ワインの醸造工程において、果皮や種などを果汁と共に漬け込むことで色素や渋味を抽出する工程がありますが、あえてその抽出を抑え気味にすることで色調は淡めで繊細な味わいを生みだしています。
■天然酵母■
人工的に培養された酵母ではなく、土地に自生する天然酵母の力だけで発酵させており、より土地の個性が反映されたワインが誕生します。
■グラヴィティーシステム■
醸造工程においてワインの移動は重力のみで、段階を経て地下へと進む仕組みです。
ワインに余計な負荷がかからず、ピュアでクリアーな味わいになる要因の一つになっています。
■適度な樽感■
醸造を終えてワインは24ヶ月の樽熟成期間が設けられており、ブドウの繊細なニュアンスを覆い隠さない程度の樽感を付けています。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し冷やし気味にすれば酸味が際立ち上品な飲み口になります。
温度を上げるほど酸は穏やかに感じられ、甘味や複雑な風味の広がりある味わいを楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から2~20年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
香りが取りやすく甘味を感じやすいように設計された、バルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
鴨鍋
地鶏のグリルをベリーソースで
など、適度にコクのある料理に合わせる事で、複雑でエレガントな風味の広がるマリアージュが楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
5年熟成の2015はラズベリー系の軽い味わい。評判が良く期待しすぎたのか、若干物足りないような?
6年熟成の2011は香りは素晴らしいのだけど。。。味わいに一体感が無いというかバランスが悪い印象で期待以下だね。
【良い口コミ】
6年熟成の2015は期待通りのキレイで繊細なワインでした♪イチゴなど赤い果実を思わせる若々しさの中に、秋の山道を思わせる土っぽい落ち着きがあり、しなやかで複雑な味わい。3日後でもヘタることなく幸せな時間を過ごせました。
率直に素晴らしい。6年熟成の2015は熟した赤系果実、ドライフラワー、芳ばしい樽、革製品などの複雑な芳香。ふくよかな果実味を主体にしつつ、透明感がありキレイな酸が上品さも表現しておりバランスが絶妙。オーストラリアのピノをさらに探究したくなる気にさせるワインですよ。
村名ブルゴーニュの熟成酒のような素晴らしい味わい。7年熟成の2011はエレガントな旨味たっぷりで、じんわりと広がる味わいが楽しめる。やや閉じ気味の注ぎたてよりも15分経過したあたりからが素晴らしさが湧き出てきました。
7年熟成の2008。これはブラインドならブルゴーニュって言う。外観から余韻まで全てブルゴーニュ的で、安くはないけどコスパは良いと感じました。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 24%
美味しい 53%
普通 20%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
とても評判良く、経験豊富な熟練者の方々も納得の優良ピノといった印象です。
期待しすぎたや、少し軽いといったようなネガティブコメントもありましたが、ブルゴーニュを思わせるエレガントで滋味深さのある味わいに満足する意見が最多で、ツボにハマり感激する方もチラホラ見られました。
時間経過で広がる味わいへの高評も見受けられ、やや高額ながらそれ以上の満足感を与えていると感じました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
カーリー フラット ピノ ノワールは
【価格】
7000前後
【味】
透明感のある上品な果実味は少しの甘味と出汁の効いたような旨味を伴い、タンニンはしなやかで穏やか。
涼しげな酸が味わいを上品に引き締めるバランスも良く、心地よい旨味や複雑な風味を残した余韻が続く。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~20年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
とても評判良く、経験豊富な熟練者の方々も納得の優良ピノといった印象。
期待しすぎたや、少し軽いといったようなネガティブコメントもあるが、ブルゴーニュを思わせるエレガントで滋味深さのある味わいに満足する意見が最多。時間経過で広がる味わいへの高評も見受けられ、やや高額ながらそれ以上の満足感を与えている印象。
以上です。
ブルゴーニュのピノが好きな方へのプレゼントにしても面白い銘柄だと感じました。
ブラインドで飲んでいただき、答えがオーストラリアだった時の意外性が楽しそうですね♪
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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