ロワールにおいて、ニコラ・ジョリーにディディエ・ダグノーと比肩する代表的生産者であり、ヴーヴレにおいて圧倒的存在感を放つ生産者。
いくつかのラインナップを持つ生産者ですが、豊富な日照で熟度が高まり糖度の高いブドウが収穫された年にだけ生産されるMoelleux(モワル―)は、甘美な味わいで飲み手を魅了しています。
ロワールの甘口ワインを選ぶのでしたら、必ず候補に入れておきたい優れた銘柄と言えるでしょう
《ワイン名》 ドメーヌ ユエ ヴーヴレイ レ オー リュー モワルー
《価格》
【10000~17000円】
《ブドウ品種》シュナン・ブラン
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 甘口
《産地》 フランス>ロワール地方>トゥ―レーヌ地区>ヴーヴレ
《生産者》 ドメーヌ ユエ
1928年。ガストン・ユエ氏がヴーヴレの「ル・オー・リュー」の畑を5ha手にした事から歴史は始まります。上質なワインを生むことで、無名だったヴーヴレの名を世界的に広めた人物こそがガストン・ユエ氏であり、フランスを代表するワインガイド誌であるレ・メイユール・ヴァン・ド・フランスにおいては、最高評価である3ツ星生産者に選出。
ロワールにおいては、ニコラ・ジョリーとディディエ・ダグノーと比肩する生産者となりました。1976年から当主となった娘婿のノエル・パンゲ氏は、ビオディナミ農法の導入を行うなどして、素晴らしいワイン達を生産し続けています。
《味わいの特徴》
アロマティックな香り
洗練された甘美な味わい
このワインはブドウがよく熟し、糖度が高くなった年にだけ生産されるもので、完熟したシュナン・ブランらしいフルーティーで華やかな香りや、ミネラル豊富な洗練された甘やかさが感じられます。
このワインに使用されるブドウの畑である「ル・オー・リュー」は粘土質が豊富な土壌で、とろみのある質感はそのような土壌に由来しており、リッチさを引き立てます。
また、農薬や化学肥料を使用しないことに加え、天体の動きを考慮した農作業を行うビオディナミ農法の実践しており、自然酵母などの微生物の働きも加わった健全な土壌からは、その土地の成分を吸い上げた上質なブドウが育つ一因となっています。
【外観】
輝く黄金色。
熟成が進むほど琥珀色に近づいていきます。
【香り】
アプリコットや熟したリンゴのフルーティーさに、黄色い花の華やかさやハチミツの甘やかさが優雅に広がります。
【味わい】
粘性のあるしなやかな飲み口。ボリューム感のある甘やかな果実味や、豊富なミネラルに旨味も感じられ、穏やかな酸が味わいをまとめ、魅惑的で上品な甘味を残した長い余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味が際立ち、上品でスッキリとした甘味を感じやすくなります。
少し温度を上げれば、広がる風味が楽しめますが、上げ過ぎると味わいがぼやけた印象になってしまう傾向です。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から約2年~50年
※実際に飲まれた方の感想や、一般的傾向から考えた個人的見解です。
【当たり年】
一般的にロワール白ワインのヴィンテージチャートは以下の通りです。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1983年 3
1985年 3
1986年 3
1988年 3
1989年 4
1990年 4
1991年 2
1992年 3
1993年 3
1994年 3
1995年 3
1996年 5
1997年 3
1998年 3
1999年 3
2000年 4
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 3
2005年 4
2006年 2
2007年 2
2008年 4
2009年 3
2010年 4
2011年 3
2012年 2
2013年 2
2014年 4
2015年 3
2016年 5
2017年 4
《適正グラス》
【小ぶりのオシャレなワイングラス】
香りがほどよく感じられ、温度も上がりにくく設計された小ぶりのグラスが良いでしょう。
また、気品あるワインですから、高級感のあるオシャレな形状のグラスの方が雰囲気もいいですね。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
フォアグラのバターソテー
ブルーチーズ
奥深い甘やかさを持ったワインはコクのあるフォアグラとの相性が良く、とろけるような味わいが楽しめます。
また料理ではありませんが、塩分の強いブルーチーズも対極の甘さを持つワインと合わせる事で互いの味わいが際立ち、そして引き立て合います。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
12年熟成の2005は、ちょっと状態が悪いのかな?って思わせる味わい。良いのかもしれないけど、私にはよくわかりません。。。
【良い口コミ】
26年熟成の1989は深いゴールドの輝きで、リンゴのような濃密な甘やかさは貴腐ワイン級ですね。美味しかった~~。
29年熟成の1989は爽やかさのある甘味がある。ソーテルヌの貴腐ワインのような甘やかさではなく、アッサリした感じがあるね。
2年熟成の2015はトロッとしてて、お花やトロピカルな果実香が広がり甘美な味わいですね~。
3年熟成の2015は、カリンやアンズに黄色い花やナッツ系の香りが広がり、蜜のような甘い味わいでした。塩分の強いチーズと合わせると、一層美味しく感じられましたね。
という皆様の声でした。
その他にもいくつかの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 15%
美味しい 30%
普通 50%
良くない 5%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
驚くほどの感動を覚えた方は多くはない印象ですが、非常にハイレベルなワインである事が伝わってくる口コミが多く、ヴーヴレで上質なワインを選ぶのであれば、ユエを選択肢から外す事はできないと感じる結果となりました。
2年程度の若いワインでも、長期熟成ワインでも高い評価を受けており、なんと89年熟成の1924年のワインに無言の平均的得点を与える方がおられたことは驚きでした。(コメントされてないので、状態は不確かですが。)
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ドメーヌ ユエ ヴーヴレイ レ オー リュー モワルーは
【価格】
およそ10000~17000円
【味】
アロマティックな香りと洗練された甘美な味わい。
【飲み頃と当たり年】
・飲み頃
ブドウ収穫年から約2年~50年
※実際に飲まれた方の感想や、一般的傾向から考えた個人的見解。
・当たり年
一般的にロワール白ワインのヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1983年 3
1985年 3
1986年 3
1988年 3
1989年 4
1990年 4
1991年 2
1992年 3
1993年 3
1994年 3
1995年 3
1996年 5
1997年 3
1998年 3
1999年 3
2000年 4
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 3
2005年 4
2006年 2
2007年 2
2008年 4
2009年 3
2010年 4
2011年 3
2012年 2
2013年 2
2014年 4
2015年 3
2016年 5
2017年 4
【口コミ】
驚くほどの感動を覚えた方は多くはない印象だが、非常にハイレベルなワインである事が伝わってくる口コミが多く、ヴーヴレで上質なワインを選ぶのであれば、ユエを選択肢から外す事はできないと感じた。
コメント