フリッツ ハーク モーゼル リースリング アウスレーゼの価格と味は?当り年や飲み頃や口コミなど詳しく解説

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モーゼルの甘口ワインの中で最も口コミ満足度が高いと感じた銘柄

ドイツを代表するエゴンミュラーは類い稀な味わいで消費者を魅了しており、味わいだけを考えれば間違いなくトップと感じました。

しかし価格を含めた満足度という意味では、高額なエゴンミュラーよりもフリッツハークの方が勝る印象です。
※あくまで口コミに対する客観的で個人的な解釈です。

この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。

《ワイン名》フリッツ ハーク ブラウネベルガー ユッファー ゾンネンウーア リースリング アウスレーゼ

《価格》

6000~8000

《ブドウ品種》リースリング
《ボディ》  ミディアム~フルボディ
《甘辛》   甘口
《産地》   ドイツ>モーゼル
《生産者》  フリッツ ハーク

プロフィール
フリッツ ハークはモーゼルを代表するワイナリーのひとつです。
先代のヴィルヘルム ハーク氏はVDP(ドイツの高品質なワイン醸造家の協会)の設立メンバーでもあり、1984~2004年まで会長を務めた人物。
「偉大なリースリングの個性を形成するのは何か?」と尋ねられたインタビューでは、「お風呂みたいに飛び込みたくなるやつが最高さ!」と答えたエピソードは有名です。

2005年からは息子のオリヴァーハーク氏に引き継がれ、偉大な父に劣ることなく2022年現在もその才能を発揮し続けています。
ワイン誌や評論家からも高く評価されており、その評価実績の一例は以下の通りです。

ワインアドヴォケイトで、2017年の19種のワインが全て90点以上を獲得。(内17種が93以上、10種が96以上、3種が100点満点
・ドイツのワイン誌『アイヒェルマン2018』ではワイナリー オブ ザ イヤーを受賞。
 

詳しくは輸入業者の稲葉様のページで確認できます。

《味わいの特徴》

甘美な果実味と
引き締める酸のバランス
エレガントで気品ある味わい

【外観】
輝くレモンゴールド
熟成するほど濃いゴールド琥珀色へと変化

【香り】
蜜りんごやパイナップルなど熟した果実に、蜜のようなコクのある甘味を連想させる芳香で、柑橘系の爽やかさや白い花の華やかさも加わりリッチかつエレガントな香りが広がります。

【味わい】
蜜のような優しく奥行きのある甘味を伴った果実味は豊潤で甘美。中程度の酸味が上品に味わいを引き締めるバランスも良く、上質な甘味と酸味を残した長い余韻が続きます。

それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。

品種の個性
辛口から極甘口まで幅広いタイプを生むリースリングですが、共通してリンゴや白い花の香りがあり、キレの良い酸味を持っています。
また熟成を経ることで石油を思わせるぺトロール香が出てくることも特徴的な品種です。

産地によって傾向は異なり、このワインを生む冷涼なモーゼルからはアルコール低めで酸は高め、繊細で透明感のあるエレガントな味わいが生まれる傾向です。
※モーゼルと並んでリースリングの有力産地ラインガウからは、やや温暖な気候もあり円熟した厚みを感じさせるワインが生まれる傾向です。

優れた畑
このワインに使用されるブドウ畑「ユッファー ゾンネンウーア」は、VDPが定める最高級格付けの「グローセ ラーゲ」で、これはブルゴーニュで言うとグランクリュに相当する畑です。
恵まれた気候や土壌を持っており、パッションフルーツやライチなどの果実味を繊細で綺麗な酸がまとめるエレガントなワインが生まれます。

アウスレーゼ
収穫時のブドウの糖度が高いほど格上と考えるのがドイツ独特のもので6段階】に階層化されています。
※糖度の数値はエクスレ度というもので表されています。
ここで紹介しているワインは4番目のアウスレーゼで、上品な甘味と酸も持ち合わせたエレガントなスタイルに仕上がっています。

1、Troken beeren aus lese
トロッケン・ベーレン・アウスレーゼ

・150~154エクスレ
・トロッケンは乾いたという意味を持ち、つまり貴腐ブドウ(貴腐菌によって干しブドウ化した極甘口ブドウ)を表します。
ベーレン=ブドウの粒。アウスレーゼ=選んで収穫を意味し。粒選りの貴腐ブドウを使った極上甘口ワインというわけです。
 

2、Eiswein アイスヴァイン
・110~128エクスレ
・あえて冬まで収穫を待ち、凍って水分が抜け糖度が高くなったブドウを使う甘口ワインです。 

3、Beeren aus lese
ベーレンアウスレーゼ

・110~128エクスレ
・ベーレン(粒)アウスレーゼ(選んで収穫)で、粒選り過熟ブドウ又は貴腐ブドウを使った甘口ワインです。

※上記の3つはどうしても甘口ワインになりますが、下記の3つは辛口の場合もあります。

4、Aus lese アウスレーゼ
・83~100エクスレ
・選んで収穫の意味で、完熟ブドウの房選りのブドウを使います。

5、Spet lese シュペートレーゼ
・76~90エクスレ
・シュペート=遅い、レーゼ=摘む、つまり遅摘みのブドウを使います。

6、Kabinett カビネット
・67~82エクスレ
・通常収穫のブドウを表しています。

 

《飲む時の適正温度》

℃~12℃】
よく冷やせば酸味が際立ち、上品でスッキリとした甘味を感じやすくなります。
少し温度を上げれば、広がる風味が楽しめますが、上げ過ぎると味わいがぼやけた印象になってしまう傾向です。

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃と当たり年》

【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~30年
※一般的傾向や口コミから推測

【当たり年】
参考までに、モーゼルのヴィンテージチャートも載せておきます。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

1990年 5
1991年 3
1992年 3
1993年 4
1994年 4
1995年 3
1996年 4
1997年 3
1998年 4
1999年 3
2000年
 2

2001年 4
2002年 4
2003年 4
2004年 4
2005年 5
2006年 3
2007年 4
2008年 4
2009年 5
2010年 3
2011年 4
2012年 4
2013年 3
2014年 2
2015年 4
2016年 4
2017年 4
2018年 4
2019年 4

《適正グラス》

【小ぶり~大ぶり】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスは、上品でエレガントな味わいを楽しめます。
香りが広がる大きなグラスで優雅さを楽しむのも良いでしょうし、お洒落な形状のデザートワイングラスも特別感があって楽しいですね。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》


フォアグラのバターソテー


チーズ各種

奥深い甘やかさを持ったワインはコクのあるフォアグラとの相性が良く、とろけるような味わいが楽しめます。
また、塩分の強いブルーチーズなども対極の甘さを持つワインと合わせる事で互いの味わいが際立ち、そして引き立て合います。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

《飲んだ人の口コミ》

ネガティブな口コミ

このワインに対する具体的ネガティブコメントはありませんでした。

良い口コミ
困る表情のイラスト1(男性)
フレッシュで上品な甘さをキレイな酸が引き締める飲み口。20年熟成の2001は状態も素晴らしく、思ってたよりもサラッとしてエレガントな味わいでした♪


私の経験上のアウスレーゼではこのワインがトップかな。10年熟成の2004は洗練された蜜の甘味で、濃厚なのに抵抗なく流れるような滑らかさがありクドさが全くないんですね!!素晴らしいバランスです。


2年熟成の2015です。甘さと酸味の具合がバッチリで美味しかったです~~♪


甘口ワインの経験値は少ないけど、このワインが上級である事は想像に易い。16年熟成の2003ヴィンテージは蜜を思わせるコクのある甘味があるが、引き締める酸のおかげで飲み口は上品。熟成によって溶け合った様々な要素が一体となり舌の上を流れてゆく。。。

 

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、

感動的!!    25%
美味しい     45%
普通       30%

良くない      0%

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

口コミ量こそ非常に少ないワインですが、経験豊富なワインラバーの方々から非常に高く評価されている傾向です。

若くても好評ですが20年を超える熟成物の方がさらに満足度は高い傾向。

甘美な味わいを引き締める酸とのバランスを褒める意見が多い銘柄でした。

 

まとめ

それでは最後に情報整理です。

フリッツ ハーク モーゼル リースリング アウスレーゼ

価格
6000~8000


蜜のような優しく奥行きのある甘味を伴った果実味は豊潤で甘美。
中程度の酸味が上品に味わいを引き締めるバランスも良く、上質な甘味と酸味を残した長い余韻が続く。

飲み頃
ブドウ収穫年から2~30年
※一般的傾向や口コミから推測

当たり年
モーゼルのヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

1990年 5
1991年 3
1992年 3
1993年 4
1994年 4
1995年 3
1996年 4
1997年 3
1998年 4
1999年 3
2000年
 2

2001年 4
2002年 4
2003年 4
2004年 4
2005年 5
2006年 3
2007年 4
2008年 4
2009年 5
2010年 3
2011年 4
2012年 4
2013年 3
2014年 2
2015年 4
2016年 4
2017年 4
2018年 4
2019年 4

口コミ
口コミ量こそ非常に少ないが、経験豊富なワインラバーの方々に非常に高く評価されている傾向。
若くても好評だが20年を超える熟成物の方がさらに満足度は高い傾向。
甘美な味わいを引き締める酸とのバランスを褒める意見が多い。

以上です。

辛口ワインが主流な現在において、このような本格的な甘口ワインも選択肢の幅を広げてくれそうですね。

なお今回紹介したアウスレーゼは、格上のアウスレーゼ ゴールドカプセルの選別から落ちたブドウを使用しているとのこと。
それでも非常にハイレベルな味わいで人気でしたから、ゴールドカプセルのさらに深い味わいが期待されます。

そんなゴールドカプセルを含めたフリッツハークのアウスレーゼは、↓のリンク先でも検索できますから参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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