「5000円以下のシャンパーニュでおすすめはどれですか?」
こう聞かれたら、私は必ずこのシャンパーニュを候補に入れるでしょう。
価格以上の品質は評論家もさることながら、多くの一般消費者の高い満足感を獲得しています。
もしもご存知でなかったなら、必ず今インプットされることをおすすめします。
さて、私は非常に多くの生産者が手掛けるシャンパーニュにおいて、多くの日本の消費者の方々に飲まれ(口コミされ)、そして口コミで高評価の銘柄はどれかという事を、信頼できる口コミが見られるVinicaを使ってリサーチしてみました。
その結果日本で購入可能で主要な約100の生産者の中でも、特に高評価を獲得していると感じたのは25の生産者達。
今回紹介するジュール ラサール プレフェランス ブリュットは、比較的手頃な価格帯のシャンパーニュの中でも一際目を引く存在だったというわけです。
個人的には5000円以下の価格帯の銘柄の中では、トップではないかと思わせるだけの口コミ内容で、自信を持っておすすめできると感じた一本です。
それでは始めましょう。
《ワイン名》 ジュール ラサール プレフェランス
《価格》
【4000~5000円】
《ブドウ品種》
・ムニエ
・シャルドネ
・ピノ・ノワール
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>シャンパーニュ地方
《生産者》 ジュール ラサール
【ここで簡単にプロフィール】
ジュール・ラサールは1942年にジュール・ラサール氏によって設立された小規模生産者で、ブドウ栽培から醸造まで一貫して行うRM(レコルタン・マニピュラン)。
ジュール氏の死後品質低下が危惧されたが、妻と娘が品質を守り、現在では孫娘も参画し女性3代で切り盛りしている。
その品質の高さはロバート・パーカー氏の評価にも現れており、クリュッグやボランジェと並んでパーカー5ツ星生産者の評価を受ける数少ない生産者である。
《味わいの特徴》
複雑でボリューム感ある風味
上品さも兼ね備えた
コスパシャンパーニュ
このワインの特徴は、様々な果実やハチミツにナッツに石灰といった複雑でボリューム感のある芳香性に、ボディの豊かな飲み口は上品さも感じられるバランス感覚にあり、そのような気品あるシャンパーニュが手頃な価格で楽しめるところも嬉しい特徴と言えます。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■優れた畑■
このワインに使用されるブドウは、グラン・クリュに次ぐ高品質なワインを生むプルミエ・クリュのブドウが使用されており、成分が充実し洗練された上質な果実が実ります。
■リュット・レゾネ■
化学肥料や農薬を極力使用しない減農薬農法(リュット・レゾネ)を実践することで、微生物の働きなどにより健全で成分豊かな土壌が育ち、その土地の成分を吸い上げた上質なブドウが実ります。
■3種のブドウ■
・ムニエ60%
・ピノノワール20%
・シャルドネ20%
以上の3種と使用比率で造られるシャンパーニュです。
ムニエは優しい果実味や華やかさ、ピノ・ノワールは厚みやコク、シャルドネは美しい酸や繊細さを表現し、それらが融合することで、バランスと複雑性を持った品質になります。
【外観】
淡いレモンゴールド
豊かな泡立ち
【香り】
柑橘類の爽やかさに蜜りんごやラフランスのフルーティさ、蜂蜜の甘やかさにナッツやジンジャーといった複雑で芳醇な香りが広がりを見せます。
【味わい】
豊富な発泡性はキメが細かく柔らかな口当たり。
膨らみのある果実味は豊かなコクと凛としたミネラルを伴い、美しい酸が引き締めます。
ほんのり苦味をアクセントに持ちつつ、複雑ニュアンスを残した余韻が長く続きます。
《飲む時の適正温度》
【4℃~12℃】
酸味や凛としたミネラル感を際立たせ、キレのある爽快な飲み口が楽しみたい場合はしっかり冷やしましょう。
果実感や複雑な風味の広がる味わいが楽しむ場合は、少し高めの温度にした方がいいですね。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
飲み頃は【購入後5年程度】
買った時が飲み頃のシャンパーニュでフレッシュな味わいが楽しめますが、熟成能力もあり、円熟した風味を楽しむこともできます。
とは言え、長期熟成は適切な保存が大前提であり、常温で長く放置されている可能性があるようなお店では、買わない方が良いでしょう。
※それにしてもデゴルジュマンの日(あるいは出荷年でもいいですね)を記載するのは消費者に親切で良いと思います。
当たり年は【ありません】
いくつかのヴィンテージのワインをブレンド(アッサンブラージュ)して造られるもので、年による品質の差は少ないという事です。
当たり年を意識するのは、単一年のブドウだけで造られたヴィンテージシャンパーニュ(ミレジメ)の場合のみという事です。
《適正グラス》
【フルート型グラス】
まずは美しい泡立ちを見られる形状である事。
そして空気に触れる部分も少ないため、温度も上がりにくいと同時に炭酸も抜けにくく設計されています。
グラスの美しい外観はシャンパーニュの華やかさをさらに引き立てます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
生ハム
天ぷら各種をレモンと塩で
など、爽やかさと厚みを持ったバランスの良いジュール ラサール プレフェランス は食前酒にも適しますし、適度な強さの味わいの料理との相性が良いですが、爽やかな泡と美しい酸は口の中をスッキリさせる効果もあり、どんな料理にも無難に適応する万能性があります。
また、【パリッ】【サクッ】とした食感の料理、例えば皮目をパリッと焼いた地鶏や天ぷらなどには、シャンパーニュの【シュワツ】とした飲み口はよく合います。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「綺麗な酸で軽快な飲み口なんだけど、ちょっと飲み飽きる感じがあるかな。普通で。」
「購入店が悪いのか、冷蔵庫で縦置き長期保存が悪かったのか・・。お前はもう劣化している・・。あべし。」
【良い口コミ】
「こんなコスパシャンパーニュがあるんですね!!バタークッキーや蜜を思わせる甘い風味だけど、酸もしっかりしてるからバランスが良く上品さがある。そしてこの透明感。ん~すばらしい・・。」
「ここは品質が良いって評判だからな。これはベーシックで一番手頃なやつだ。柑橘類や白桃の香りに、蜂蜜や石灰にジンジャーもあるね。泡のキメは細かく滑らかで、厚みのある果実感を酸が引き締めバランスも良い。時間経過で果実味は熟したテイストに変化していき、少しの苦味も心地よいアクセントになっている。感動するほどではないが、均衡の取れた良質シャンパーニュだ。」
「ちょっと驚きの美味しさですね。熟したリンゴにオレンジピールに柑橘系、白い花にミントにスパイスに石灰などなど、様々な香りが押し寄せる。これはブルゴーニュグラスを選択して正解。味わいも想像を超えており、全ての要素がハッキリと感じられますが、出しゃばる事はなくバランスが良く、熟成を感じる余韻の長さも想定外。これはリピーターになるしかありません。」
「あんまりシャンパンの事はよくわかんが、これは中々旨い。旨味の乗った果実味がジュワ~と広がるね~。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 44%
普通 50%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
品質劣化以外で良くないと感じる評価はほぼゼロですが、感動される方もごく少数で、バランスと適度な複雑性を持ち合わせた品質に好感を持った方が多かった印象です。
数値だけ見ると並のシャンパーニュにも思えますが、実際の口コミ内容は価格以上の品質と感じる方が非常に多く、満足感も一定の高さを維持している印象です。
ほとんどの銘柄の口コミを拝見しましたが、5000円以下のシャンパーニュの中ではトップ、あるいはトップクラスの満足感を与えている傾向が読み取れたこともあり、非常に印象的な銘柄でした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
それでは最後に情報整理です。
ジュール ラサール プレフェランス ブリュットは
【価格】
4000~5000円
【味】
様々な果実やハチミツにナッツに石灰といった複雑でボリューム感のある芳香性に、ボディの豊かな飲み口は上品さも感じられるバランス感覚がある。
【飲み頃と当たり年】
飲み頃は【購入後5年程度】
当たり年の概念は無い。
【口コミ】
口コミ内容は価格以上の品質と感じる方が非常に多く、満足感も一定の高さを維持している印象。
価格に対する品質の高さという意味では、かなり上位に入る事は間違いないと思えるだけの評価でした。(評論家も一般消費者も)
あまり知名度が高くなく、それほど生産量も多くないという事で、掘り出し物感満載な感じもまた魅力的ではないでしょうか。
私は一か月以内に必ず試すと決めました!!
あなたはいかがでしょうか。
素敵なワインとの出会いが多くなることをお祈りしております。
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