ワイン界初のオーク樽とスコッチ樽の二重熟成。
オーストラリアのシラーズらしい濃厚な味わいとオーク樽の風味、スコッチ樽によるソフトな飲み口が表現されており、口コミ満足度もとても高いと感じました。
濃厚でマイルドなワインを2000円前後で選ぶ時、候補に持つべき面白い選択肢になるのではないでしょうか。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ジェイコブス クリーク ダブル バレル シラーズ
《価格と基本情報》
【2000前後】
《ブドウ品種》シラーズ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 オーストラリア>南オーストラリア>バロッサ ヴァレー
《生産者》 ジェイコブス クリーク
オーストラリアにおいて海外へのワイン輸出量1位。
日本でも見かけることも多いジェイコブス クリークは、オーストラリアを代表するトップワイナリーのひとつです。 1847年にヨハン クランプ氏がジェイコブス クリーク(小川)沿いの土地を買い、バロッサ ヴァレーにブドウ畑を開墾したのが始まりで、代々ワイン造りは継承され規模は拡大し、1984年から輸出を開始します。 2022年現在では120を超える栽培農家と力を合わせ、人々に愛される素晴らしいワインを造ることを目標にしており、2008年度には「世界のベストワイナリー100」で1位を獲得する実績も残しています。
《味わいの特徴》
濃厚でマイルド
樽の風味も心地よく
バランスが良い
【外観】
濃厚な赤紫色
【香り】
ブラックベリーやカシスなど円熟した果実にチョコレートやトーストやスパイスの風味も加わり、豊潤でふくよかな味わいを連想させる香りが広がります。
【味わい】
凝縮感のある果実味は適度なコクとほんのり甘味があり、豊富でシルキーなタンニンと相まって力強くも滑らかな飲み口。酸は穏やかでマイルドな印象で、豊潤な果実味と樽の風味を残した余韻があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の特徴■
100%使用されるシラーズは豊潤な果実味とスパイシーな風味が特徴的な品種。
色調も濃厚でパワフルなワインが生まれる傾向です。
■産地の特徴■
ブドウ畑があるバロッサ ヴァレーは温暖で乾燥しており、シラーズの産地として非常に有名です。
豊富な日照と温暖な気候はブドウの熟度を高め、雨が少ない事でより成分は凝縮されます。
元々濃いワインを生むシラーズですが、以上の恵まれた気候条件もあり非常に凝縮感あるパワフルなワインが生まれることが特徴的な産地です。
■ダブル バレル製法■
このワインの最も特徴的なところで、ワイン業界初の試みとなる製法です。
それはワイン醸造後に通常のオーク樽で熟成(最大18ヶ月)した後、スコッチウイスキーの熟成で使用した樽でさらに熟成(数ヶ月)させる二重熟成というものです。
スコッチ樽で熟成させるのはウイスキーの風味を付けるためではなく、ソフトで丸みを帯びたワインに仕上げる狙いがあり、オーク樽に由来するバニラやトーストのニュアンスが反映され、スコッチ樽によるまろやかさが反映されます。
※微かにウイスキーっぽいアーモンドの殻のようなニュアンスも反映されますが、口コミを見る限りほとんどわからないようですね。
《飲む時の適正温度》
【14℃~20℃】
少し低めの温度にすれば酸やミネラルが際立ち、引き締まった上品な飲み口。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、果実感や複雑な風味の広がりある味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~10年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、南オーストラリアのヴィンテージチャートも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 5
2011年 2
2012年 4
2013年 4
2014年 3
2015年 4
2016年 4
2017年 3
2018年 5
2019年 4
《適正グラス》
【ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計された大ぶりのボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く香りと味わいを感じ取れます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
スパイシーなラムチョップ
ラザニア
など、スパイシーなワインの味わいにはスパイスの効いた肉料理はよく合いますし、濃厚でリッチなワインの味わいはチーズやバターを使用したコクのある料理にも優しく寄り添い引き立て合います。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
スコッチ樽使ってるってことで買ってみたけど、スコッチっぽさが感じられないような?
【良い口コミ】
1500円クラスのワインとしてはトップクラスのワインだと思います!!充実感と上品さが両立しており、しっかり飲み応えはあるのに飲み口しなやかでバランスが良いですね。他のラインナップも楽しみになるほど、このワインは素晴らしく感じました!♪
なんだかクセになりそ~♪濃厚な味わいを連想させる芳ばしい樽や皮の香り。充実感ある果実味にしっかりとしたタンニンもあるフルボディですが、酸は微量な感じです。
濃いめで少しの甘味のあるマイルドな味わいの中にスパイシーさも。樽やベリー系果実の香りも芳醇で、美味しいコスパワインだと思いました。
ウイスキー好きな私としてはスコッチ樽を使ったワインに惹かれて購入。結果スコッチ感はわからず。。ですが、優しい甘味とコクのある味わいで美味しかったので良かったです。(笑)数日楽しみましたが、個人的には初日が一番良かったですね♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 57%
普通 40%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
樽の効いた濃くてマイルドな味わい傾向で、満足度はとても高い印象です。
ネガティブコメントはほとんどありませんが、生産者もスコッチの風味を付ける狙いではないので、そのようなスコッチ感を求めた場合は期待から少しズレる印象。そして、涼しげな酸味が引き締める上品さを求める方にはややカテゴリーが違うとも感じました。
とは言えワインとしての完成度は高いと感じる意見が最も多く、スコッチ樽の効果でしなまろやかさが増している傾向も感じられ、コスパを褒める意見も多いワインでした。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ジェイコブス クリーク ダブル バレル シラーズは
【価格】
2000前後
【味】
豊潤でふくよかな味わいを連想させる熟した果実や樽の香り。
凝縮感のある果実味は適度なコクとほんのり甘味があり、豊富でシルキーなタンニンと相まって力強くも滑らかな飲み口。
酸は穏やかでマイルドな印象で、豊潤な果実味と樽の風味を残した余韻がある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~10年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
南オーストラリアのヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 5
2011年 2
2012年 4
2013年 4
2014年 3
2015年 4
2016年 4
2017年 3
2018年 5
2019年 4
【口コミ】
樽の効いた濃くてマイルドな味わい傾向で、満足度はとても高い印象。
ネガティブコメントはほとんど無いが、スコッチ感を求めた場合は期待から少しズレる印象で、涼しげな酸味が引き締める上品さを求める方にはややカテゴリーが違うとも感じた。
とは言えワインとしての完成度は高いと感じる意見が最も多く、スコッチ樽の効果でしなまろやかさが増している傾向も感じられ、コスパを褒める意見も多い。
以上です。
個人的にもジェイコブズクリークは「わ」の白とスパークリングのコスパの良さに好感があります。
今回のダブルバレルもそれ以上の満足感を飲み手に与えている印象なので、期待できると感じています。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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