マルセル ダイス ゲヴェルツトラミネール

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アルザスを代表する生産者筆頭のマルセル ダイス

多くのラインナップを持つダイスのワインはどれも口コミ評価(vinica)が高く、おすすめできる銘柄ばかりですが、客観的に口コミを読み込んでみた中で、特に満足度が高いと感じた銘柄のひとつがゲヴェルツトラミネール。
ゲヴェルツらしいアロマティックなライチ香やスパイスのニュアンス、甘美でありながら爽やかさも垣間見える味わいは多くの飲み手を楽しませています。

ほんのり甘めなワインゲヴェルツらしさを感じてみたい方は、このワインを必ず候補に入れるべきでしょう。

この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。

《ワイン名》マルセル ダイス ゲヴェルツトラミネール

《価格》

4500円前後

《ブドウ品種》ゲヴェルツトラミネール
《ボディ》  ミディアム~フルボディ
《甘辛》   やや甘口
《産地》   フランス>アルザス地方
《生産者》  ドメーヌ マルセル ダイス

プロフィール
ドメーヌ マルセル ダイスはアルザスを代表するトップ生産者
1744年からブドウ栽培を続ける家系で、1945年に故マルセル ダイス氏がワイナリーを設立。2020年現在は3代目であるジャン ミシェル ダイス氏が当主としてドメーヌを担っています。
アルザスのワイン法を改正させたことでも知られる生産者で、「土壌こそ賞賛されるべきものである」と考えるジャン氏は、2000年から畑名のみをラベル表記。当時品種を記載しないことはアルザスでは違法でしたが、その信念を貫き、2005年には法を改正させることに成功。2020年現在、グランクリュと地方名AOC(アルザスとクレマンダルザス)しかないアルザスの階層に、「プルミエクリュ」を実現させる活動も行っています。そんなマルセルダイスへの評価は高く、その例を挙げると、
・ワイン評論家のロバート パーカー氏から、最高評価の5ッ星生産者の評価を獲得
・フランスで最も権威あるワイン誌、レ メイユール ヴァン ド フランスで最高評価の3ッ星評価を獲得
などがあり、後で紹介する一般消費者の口コミ評価(vinica)も非常に高く、名実共にアルザスを代表する生産者として君臨し続けています。

《味わいの特徴》

溢れる芳香性
密のような甘美さと
綺麗な酸の上品さを両立

このワインの特徴は、完熟したライチや黄桃などのトロピカルフルーツや、黄色い花や蜂蜜の香りも加わった非常に豊かな芳香性があるところ。香から連想される通り凝縮された果実味は上品な蜜の甘味を伴った甘美さがありますが、綺麗な酸が味わいを引き締めることで、上品で爽やかなニュアンスも兼ね備えています。

そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。

ゲヴェルツトラミネールの個性
ライチを連想させるトロピカルな風味が特徴的な品種で、やや甘口に仕上げられたこのワインは、熟したライチに上品な蜜などのニュアンスが重なった豊かな芳香性があります。
味わいも香りから連想される通り、ほんのり甘やかで円熟した果実味を主体に、爽やかな酸や凛としたミネラルが上品さを表現します。

ビオディナミ農法
農薬や化学肥料を使用しないことはもちろん、天体の動きに合わせて農作業を行うビオディナミ農法を実践。自然酵母などの微生物の働きも加わった土壌は、健全で成分豊かな状態になり、その成分を吸い上げたブドウは土地の個性を反映したワインを生みます。

密植
ブドウの樹を植える間隔をあえて狭くする「密植」を行っています。
これによって生存競争が活発化し根は地中深くまで伸び、その結果ブドウは土壌の成分を多く含んだ地下水を吸い上げます。

収量制限
さらに剪定するなどをしてブドウの収穫量をあえて低くします。
そうすることで残されたブドウに成分が集中し、厚みのある味わいを持ったワインが生まれます。

※その他にも様々な取り組みがされているようですが、その根底にはテロワール(ブドウを取り巻く自然環境)を表現したワインを生むというマルセルダイスの信念があります。

 

【外観】
輝くレモンゴールド

【香り】
熟したライチや黄桃などの果実香は、フルーツのコンポートや上品な蜜のニュアンスを伴いアロマティック。黄色い花の華やかさやオレンジやマスカットの爽やかなニュアンスも垣間見えます。

【味わい】
ほんのり甘味を伴った厚みのある果実味は、トロミのある質感と相まって甘美な飲み口を表現し、深みのあるコクも感じられます。綺麗な酸が上品にまとめる味わいはレモンジャムのようなニュアンスがあり、アロマティックな風味を残した心地よい余韻が続きます。

《飲む時の適正温度》

8℃14℃
冷やし気味にすれば酸が際立ち引き締まった印象になり、軽快な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど酸は穏やかな印象になりますが、アロマティックな香りや甘美な果実感が広がり、優雅な飲み口が楽しめます。

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃と当たり年》

【飲み頃】
ブドウ収穫年から4~10年
※一般的傾向から推測

【当たり年】
アルザスのヴィンテージチャート以下の通りです。
※あくまで一般的傾向です。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

2010年 4
2011年 3
2012年 3
2013年 3

2014年 3
2015年 3
2016年 4
2017年 5

※ワインの飲み頃についての知識は、
第10回【品種・タイプ別 赤ワイン・白ワインの飲み頃】
でも確認できます。

《適正グラス》

【小ぶりのグラス】
【ふくらみのあるシャルドネグラス】
冷やし気味にして軽快さを楽しむ場合、温度も上がりにくい小ぶりのグラスを選ぶと良いでしょう。
少し温度を上げて広がる風味や味わいを楽しむ場合は、香が取りやすく温度も上昇しやすいシャルドネグラスを選ぶと良いでしょう。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》


フォアグラのバターソテー


ブルーチーズ


バニラアイス

など、少々コクの強めの食材、あるいはバターやチーズなどを使ってコクのある味付けの施された料理との相性が良く、アロマティックで甘美さのある味わいが料理の味わいを優雅に引き立ててくれるでしょう。※ダイス氏本人はカレーにも合うのでぜひ試してみてください。」と言っています。
また、上品な甘味は塩分の強いブルーチーズやウオッシュチーズなどとの相性も良く、チーズの塩味がワインの甘味を引き立て、またワインの甘味がチーズの旨味を引き立て合う相乗効果が楽しめます。
そして、甘味のある味わいはバニラアイスなどのスイーツとの相性も良く、ワインの甘味とスイーツの甘味が溶け合い、複雑な甘やかさを楽しむことができます。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

《飲んだ人の口コミ》

悪い口コミ

あれ?甘い!!これは繊細な料理に合わせるワインではないですね!!ワイン単体で評価すればゲヴェルツらしさ満開で、さすがマルセルダイスって感じですけどね。

良い口コミ

4年熟成の2016です。バニラアイスやクッキー達と一緒にいただきましたが、これがまた最高に美味しい♪♪


3年熟成の2012。甘口寄りだけどスパイシーなニュアンスも垣間見えバランスが良い。しっかり冷やした方が良さが感じやすいと思いますよ。


料理に合わせるよりワインだけで楽しみたい味。ほんのり甘くて美味し~~♥


アルザスのトップ生産者、ダイスの2014は4年熟成。ゲヴェルツらしいライチ香が爆発!!オレンジの花やバニラのニュアンスも加わり、味わいは甘美な果実味と生き生きとした酸が見事に溶け合い、甘口ながら清々しい後口があります。美味しいですね!!

 

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、

感動的!!     7%
美味しい     50%
普通       43%

良くない      0%

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

アロマティックで甘味のあるワインで、繊細な料理には合わせにくいワインではありますが、適度なコクのある料理やスイーツ、あるいはワイン単体で楽しむのに適していることがよくわかりました。

ゲヴェルツトラミネールらしい香りと、上品な甘味と適度な酸味を持った味わいにほとんどの方が好感を持っていることが印象的。甘くて苦手という意見もあるだろうと思ったのですが、調べる限りそのような意見も見当たらなく、上質な甘美さを持ったワインである事が伝わってきました。

マルセルダイスのラインナップの中で最も評判が良いと感じたアルザスブランに近い満足度で、ゲヴェルツトラミネールらしさを存分にを楽しみたい場合は、このワインを選ぶべきと思えました。

まとめ

それでは最後に情報整理です。

マルセル ダイス ゲヴェルツトラミネール

価格
4500円前後


完熟したライチや黄桃などのトロピカルフルーツや、黄色い花や蜂蜜の香りも加わった非常に豊かな芳香性。香から連想される通り凝縮された果実味は上品な蜜の甘味を伴った甘美さがあるが、綺麗な酸が味わいを引き締めることで、上品で爽やかなニュアンスも兼ね備えている。

飲み頃
ブドウ収穫年から4~10年
※一般的傾向から推測

当たり年

アルザスのヴィンテージチャート以下の通り。
※あくまで一般的傾向。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

2010年 4
2011年 3
2012年 3
2013年 3

2014年 3
2015年 3
2016年 4
2017年 5

口コミ
ゲヴェルツトラミネールらしいアロマティックな香りと、上品な甘味と適度な酸味を持った味わいに、ほとんどの方が好感を持っていることが印象的。甘くて苦手という意見もあるだろうと思ったが、調べる限りそのような意見も見当たらなかった。

以上です。
ゲヴェルツらしさ満載のアロマティックで甘美なワインでした。
ほんのり甘味を持ったワインを選ぶ時や、ゲヴェルツトラミネールらしさを知りたい時などには是非候補に入れていただきたい銘柄です。
ライチ感満載のゲヴェルツトラミネールは、他の品種を圧倒するようなアロマティックさがあるので、その個性があなたの好みとマッチすれば素敵な出会いになると感じています。
それでは今回はおしまいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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