マルセル・ラピエール モルゴン

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フランス自然派ワインの父

ブルゴーニュの自然派生産者と言えば、フィリップ・パカレが有名ですが、パカレの叔父にあたるのがマルセル・ラピエール。

2010年に惜しくも亡くなってしまったマルセル氏ですが、彼の影響を受けた自然派生産者は非常に多く、葬儀には彼を慕う人々が多く参列したという事です。

現在は、その偉大な父の後を継いでいるのは長男のマチュー・ラピエール氏。

2005年から栽培から醸造までを担い、マルセル氏の死によって品質が落ちるのではないかという心配をよそに、品質を大きく進化させ、多くの飲み手を魅了しています。

今回はそんな自然派ワインの礎を築いた生産者のワインを紹介します。

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ボジョレー・ヌーヴォーをはじめとする、カジュアルなワインのイメージが強いボジョレー。

しかしボジョレーにも格付けが存在し、以下の通りの階層になっています。

格上から順に。

1、村名AOCクリュ・ド・ボージョレ
※10の村が認定されています。

2、地区名AOC
《2-1》ボージョレ・ヴィラージュ
《2-2》ボージョレ+村名(村名AOC以外の村名)
《2-3》ボージョレ・シュペリウール
《2-4》ボージョレ
以上の4つのAOCはすべて地区名AOCに分類されます。

ボージョレよりボージョレ・シュペリウールとボージョレ+村名は少しだけ規定が厳しいため少し高品質。
ボージョレ・ヴィラージュはさらに厳しい規定があるためより厚みのある高品質なワインと考えて下さい。

以上です。

今回は、そんな階層の中でも最上級であるクリュ・ド・ボージョレ、つまりボージョレの最高峰を見つけようというものです。

クリュ・ド・ボージョレを生み、日本で購入可能な主要生産者は20程存在しましたが、その中で多くの日本の消費者の方々に実際飲まれ、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうと調べてみた結果、ダントツの存在感を放っていたのがマルセル・ラピエールのモルゴンでした。

この地区における圧倒的ナンバーワンであり、チャーミングでカジュアルなボージョレのイメージを覆す味わいは、知っておくべき上質ワインと言えるのではないでしょうか。

《ワイン名》 マルセル・ラピエール モルゴン

《価格》

4000~4500円

《ブドウ品種》ガメイ
《ボディ》  ライト~ミディアムボディ
《甘辛》   辛口
《産地》   フランス>ブルゴーニュ>ボージョレ>モルゴン
《生産者》  マルセル・ラピエール

《特徴》

繊細かつ奥深さがあり
自然の恵みが感じられる

このワインの特徴は、チャーミングな個性を持つガメイらしいイチゴやサクランボなどのニュアンスもありますが、自然や大地の恵みを感じるような野性的なニュアンスや、出汁の効いたような旨味も感じられる点にあり、口の中にスッと流れ込むような透明感のある味わいは繊細ではありますが、じんわり広がる味わいは奥深さも持ち合わせています。

また長期熟成を経ることで、より落ち着きと円熟味の増した品質に成長する点も特徴的です。

そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。

モルゴンのポテンシャル
チャーミングで軽快なイメージが強いボージョレのワインですが、ボージョレの格付け最高位のクリュ・ボージョレは一味違います。
そんなクリュ・ボージョレを生む10の村の中でも、肉厚で複雑な品質で、豊富な成分がある事で長期熟成にも耐えるワインを生むのがモルゴンであり、ムーラン・ア・ヴァンと並んでボージョレを代表する産地と言えます。

ビオロジック農法
化学肥料や農薬を使用しないビオロジック農法を実践することで、微生物の働きが活発になり、健全で成分豊かな土壌が育ちます。
ブドウはその豊かな成分を吸い上げ、大地の恵みを感じさせる野性的なニュアンスや、じんわりと広がる心地よい旨味を持ったピュアな品質になるわけです。

手摘みの収穫
大量生産でカジュアルなワインを生むボージョレでは、機械を使った収穫が主流ですが、マルセル・ラピエールにおいては、手間や人件費がかかりますが、丁寧な手摘み収穫を実践しています。
そうする事でブドウは傷つくことなく、健全な状態が維持され、雑味の無い透明感を持ったワインが生まれます

控えめの樽
樽のニュアンスが反映されやすい新樽の使用比率は10%以下
ブドウの持つ繊細なニュアンスが感じられる程度に樽を効ませます。

 

【外観】
深みのある赤紫色
熟成が進むほどレンガ色に近づいていきます。

【香り】
イチゴやラズベリーなどの赤い果実の香りに、バラの華やかさや、革製品や硫黄といった野性的なニュアンスも感じられます。

熟成するほど果実香は熟した果実の落ち着きがあらわれ、紅茶や土の風味も加わった複雑性も感じられます。

【味わい】
程良い果実味は主張しすぎることはありませんが、キメの細かいタンニンと、じんわり広がるような心地よい旨味が広がり、適度な酸が味わいをまとめ、果実や野性的な風味を伴った余韻があります。

熟成するほど成分は溶け合い、しなやかさが増し、円熟した落ち着いた果実感や土に紅茶のニュアンスが感じられる品質に成長していきます。

《飲む時の適正温度》

12℃18℃
低めの温度すれば酸味やフレッシュ感が際立ち軽快な飲み口になりますし、温度を上げるほど酸は穏やかに感じられ、甘味や複雑な風味の広がりある味わいを楽しめるでしょう。

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃と当たり年》

飲み頃はブドウ収穫年から
【およそ1年~15年
一般的傾向や飲んだ方の評価傾向から推測すると、これくらいではないかという個人的見解です。

良いヴィンテージのワインほど、飲み頃になるのが遅く長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど、比較的早くから楽しめ飲み頃の期間は短くなります。

一般的にブルゴーニュ赤のヴィンテージチャートは以下のようになっています。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

2005年 5
2006年 3
2007年 2
2008年 3
2009年 5
2010年 5
2011年 3
2012年 4
2013年 3
2014年 4
2015年 5
2016年 4
2017年 4

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《適正グラス》

【バルーン型ブルゴーニュグラス】
芳醇な香りと、複雑な味わいを持った上質ワインです。
香りが取りやすく、温度が少しずつ上がる事で甘味を感じやすいように設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》


チキンのグリルをベリーソースで


キノコのリゾット

など、上質でコクのある味わいの料理に合わせる事で、風味豊かなワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立てる美しいマリアージュが楽しめるでしょう。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

 


こんな場合におすすめ

ボージョレの最高峰を味わいたいのであれば、まずはこのワインを選ぶべきでしょう。

それほど名実共に優れたワインで、チャーミングなボージョレが苦手という方の、イメージを覆す可能性を秘めたワインと言えるでしょう。


こんな場合には不適切!?

ビオワインという事で、硫黄や獣のニュアンスが感じられるワインです。

もの凄く主張してくるわけではなく、むしろ複雑性を楽しめるとポジティブに捉える方が多いですが、ちょっと気になる方もチラホラ見られますから、そのような風味が苦手な方にはすすめにくいワインと言えるでしょう。

《飲んだ人の口コミ》

悪い口コミ

「美味しいけど以前飲んだ2015の方が良かったかな。1年熟成2018は深い味わいで香りも良いけど、味わいに粗さがあるような・・。状態の問題かもしれないけどね。」


「2年熟成という事でまだ若いかなと思いましたが、チャーミングさはありつつ、革製品のようなニュアンスもあり、思ったよりも落ち着きがありいい感じです。しかしビオという事で、獣的というか馬小屋的風味があるんだな~。そこだけは個人的にマイナスポイント。2017。」

良い口コミ

「じんわりと横に広がる味わいがクセになります。4年熟成2015は旨味の塊、ゆっくりしっかり味わいたい素敵なワインです。」


「このしなやかで上品な甘味、そして落ち着きある佇まいはピノノワールそのもの。と、思ったらビオのガメイ(笑)。この生産者はは随分前にいただいて苦手な味だったので敬遠してましたが、息子に代替わりして変化したらしいです。2年熟成の2017は私に新たな発見をくれました。」


「13年熟成の07は、透明感のある淡いルビーレッド。落ち着きのある香りは、よくあるチャーミング系のガメイのイメージを覆します。果実味はフレッシュさを保っており、酸が引き締める。タンニンはキレイにワインに溶け込みシルクのような心地よさがあります。薄旨ワインとはこのような品質の事を言うのでしょう。」


「2年熟成の2017はストロベリーやチェリーに少しの硫黄の香りがします。淡い印象の味わいですが、ピュアで透明感のある果実味は心地よい旨味を伴い、適度な酸とほのかなタンニンは、スッと染み込んでいくような心地よさがあります。全くストレス無しのバリアフリーのようなワインですね(笑)。」

 

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると

感動的!!     4%
美味しい     68%
普通       28%

良くない      0%

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

通常のガメイからは想像しにくい深さのある品質への評価は高い傾向ですが、ビオワイン特有の硫黄っぽさや、獣っぽい香りが感じられるコメントも多数見受けられたので、そのような個性を嫌う方にはおすすめできないワインであるとも思いました。

とは言え、そのような個性も含めて高い評価を与える方が大半を占めており、ガメイのイメージを覆す上級ワインである事がわかる結果となりました。

 

以上です。

フランスでビオを体感したいのであれば、パカレやシャソルネイにプリューレ・ロックも素晴らしいですが、元祖とも言えるマルセル・ラピエールも候補に入れるべき生産者でしょう。

ガメイのチャーミングさがどうも苦手な私にも、これなら試してみようと思わせてくれる品質である事が、皆様の評価から窺い知る事ができました。

皆様にとっても、新しい発見となれば幸いです。

あなたにとって善きワインとの出会いが多くなる事をお祈りしております。

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