昔は質の低いワインを造っていたとかいないとか・・・
スクールウォーズで言えば大木大介、北斗の拳で言うとバット的な・・
また世代のわかる妄想をしてしまいました(笑)。
ムルソーのワインで多くの方に選ばれ(口コミされ)、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうという客観的視点から調べてみた結果、それほど多くは飲まれてはいないものの、少なめながらも安定して皆様の高い満足感を獲得していたのがこのワインであり、知っておくべきワインではないか!?と、思いましたので紹介させていただく事にしました。
1969年ロワールのブドウ栽培家に生まれ、87年にボーヌの農業学校を卒業後、ギー・アミオで2年間、ベルナール・モレイで6ヶ月の研修を受けたミシェル・クトー氏。
大きかったのは、その間にシャサーニュ・モンラッシェのトップ・プロデューサーであるミシェル・ニーロン氏の次女と出会い91年に結婚した事。
現在は義父であるミシェル・ニーロン氏と共に、ドメーヌ・ミシェル・ニーロンの栽培から醸造までを手掛ける人物です。
今回紹介するミシェル・クトーは、そんな名門ドメーヌの力も借りて広げた栽培家達とのネットワークを駆使して立ち上げられたネゴシアン(自身の畑を所有せず、ブドウあるいはワインを仕入れてワインを製造あるいは販売するスタイル)で、1997年がファーストヴィンテージです。
妻との出会いにミシェル・ニーロン氏との出会い、そして優秀な栽培家たちとの出会いも加わったことで、安定して上質なワインを生むことが可能になったというわけです。
出会いというのは人生を大きく動かすのだと感じます。
《ワイン名》 ミシェル・クトー ムルソー レ・ナルヴォー
《価格》
【7000~9500円】
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>ムルソー
《生産者》 ミシェル・クトー
《特徴》
やわらかな果実味
バランス感覚に優れた
リッチな風味
このワインの特徴は、ボリューム感のあるやわらかな果実味があり、ほどよい酸味とミネラル感がバランスを保つことで、ムルソーらしいナッツの風味や樽の風味を伴ったリッチな味わいを表現している点にあり、土台となるブドウのクオリティーの高さを感じさせる雑味の無いエレガントさも持ち合わせています。
そのような品質になる理由を挙げましょう。
■区画の特性■
この村名ワインに使用されるブドウは1級畑に隣接したレ・ナルヴォ―という区画から生まれます。
丘の上部に位置し冷たい風が通る区画のブドウは、美しい酸を持ち、ムルソーらしい豊かな果実味や凛としたミネラルを感じさせるワインを生みます。
■優れた栽培農家■
ミシェル・ニーロン氏の力も借りて築き上げた優れた栽培農家との出会いにより、上質なブドウが安定的に得られます。
【外観】
輝く淡いレモンゴールド。
熟成が進むほど濃いゴールドの色調に変化していきます。
【香り】
柑橘類にピーチなどフレッシュでフルーティーな果実の香りに、白い花の華やかな香りも広がり、ムルソーらしいナッツ類の香りや樽に由来するバニラの風味も心地よく広がります。
熟成するほど果実香は円熟を思わせる熟した果実やハチミツの甘やかさも加わり、落ち着きある樽やナッツ系の香りも広がります。
【味わい】
透明感のあるピュアな果実味はふくよかでボリュームのある味わいで、粘性のある口当たりはなめらか。美しい酸味と凛としたミネラル感は味わいを引き締めるようにまとめ、果実にナッツ類や樽のやわらかな風味を伴った長い余韻があります。
熟成が進むほど果実味は熟した果実や蜜を思わせる甘やかさも加わり、円熟を感じさせる品質に成長していきます。
《飲む時の適正温度》
【8℃~14℃】
冷やし気味にすれば酸味が際立ちエレガントさのある飲み口になります。
温度を上げるほどボリューム感溢れる風味の広がりを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~15年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ白のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2005年 4
2006年 3
2007年 4
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 3
2013年 4
2014年 5
2015年 3
2016年 4
2017年 5
《適正グラス》
【ふくらみのあるシャルドネグラス】
少し温度を上げることで広がる風味を楽しめますから、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶことをおすすめします。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
キノコのリゾット
ホタテバター
など、上質でコクのある味付けをした料理などと合わせることで、ボリューム感ある風味とコクの広がりある豊かなマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
上質でバランスの良いムルソーを選ぶのであれば候補にしてもよいのではないでしょうか。
優れた栽培家のブドウと、ミシェル・ニーロンの醸造能力を掛け合わせた品質は安定して上質であり、実際飲まれた方々も高く評価しています。
コシュ・デュリやコント・ラフォンにルーロはもちろん素晴らしいですが、価格も考慮すればこのワインも大変優れていると言えるでしょう。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
「3年熟成の2013は豊かな果実感があり今飲んで美味しいですね。ただ酸やミネラルは弱めだから熟成に耐える力はあまり無いでしょうね。」
【良い口コミ】
「3年熟成の2014は若々しく豊潤な果実味にキレの良い酸とミネラル感があって良い。とても美しいワインだ。」
「濃厚な白子料理にだって負けない豊かさがバランスを保ちます。素敵です。」
「凛としたミネラルと樽の風味がザ・ムルソーって感じでとってもいいですね~。3年熟成2014。」
「バターに蜂蜜。時間が経過するほど風味が広がってくるまろやかなムルソー。素晴らしい。」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 10%
美味しい 80%
普通 10%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
突出したワインではないようですが高いレベルの満足感を得ている方がほとんどで、悪く評価する方も見当たらないという事で、非常にバランス感覚に優れた良質ワインであることが伝わってきました。
ただ皆様なぜかシンプルなコメントが多く、良い事はわかるのですが詳細は未知で、そのような未知さもまた魅力と感じていただければ幸いに思います(苦笑)。
以上です。
ミシェル・ニーロンの次女と結婚したことで、人生が大きく変わったことが想像されるミシェル・クトー氏でした。
人生ではどんな出会いがあるかわかりませんが、その出会いを良いものであったと思えるように、自分自身が運命を切り開くような努力が必要なのかもしれないな~。
と、思う結果となりました。
・・・。
おっと、ワインの世界から少し離れてしまいました(笑)。
ともあれ、ミシェル・クトーのムルソーは優れている事は確かであり、そのようなワインとの出会いはあなに何かしらの影響を与えるのかもしれません。
もしかして運命を動かすかも!?(笑)
今回のキーワードは「出会い」でした。
あなたにとって善きワインとの出会いが多くなる事をお祈りしております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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