プーリア州で2000~4000円の中価格帯で目を引く人気赤ワイン。
飲み応えがありつつ優しく上品でもありバランス良い味わいは、たくさんの方を楽しませている事が口コミからは伝わるものでした。
ポッジョレヴォルピやリオーネデイドージなど、1000円前後で楽しめるフルーティーでコスパ抜群の赤ワインも多いプーリア州。
そんな赤ワインが好きな方に、ワンランク上のプーリア赤ワインを提案するとすればチンクアンタと並んでパパ―レをおすすめします。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》パパーレ プリミティーヴォ ディ マンドゥーリア リネア オーロ
《価格》
【3500前後】
《ブドウ品種》プリミティーヴォ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 やや辛口
《産地》 イタリア>プーリア州
《生産者》 ヴァルヴァリオーネ
ヴァルヴァリオーネはプーリア州マンドゥリア地方にある家族経営のワイナリーです。
創業は1921年で、2021年現在3代目のコジモ ヴァルヴァリオーネ氏と妻マリアテレサが中心となりワイナリーを運営、コジモ氏は農学博士の資格を持つ醸造家(エノロゴ)で、全ての工程はコジモ氏の目が通ったものです。今回紹介している「パパーレ」とは「ローマ法王の」を意味する言葉で、ワイナリーを代表する銘柄。
サクラアワードでダブルゴールド(2014)
ルカマローニで96点(2016)
を獲得するなど、高く評価されています。
《味わいの特徴》
凝縮感と上品さを両立した
ワンランク上のプリミティーボ
このワインの特徴は、プリミティーボらしいほんのり甘味を伴った果実感主体の味わいでありつつ、上質な酸やタンニンとのバランスの良さ、そして洗練された雑味の無い上品さが感じられるところ。
気軽なプリミティーボとは一味違ったワンランク上の味わいが楽しめます。
【外観】
深く濃い赤紫色
【香り】
カシスやブラックチェリーなどの熟した果実に、レーズンや煮詰めた果実のような甘味を連想させる香り。
樽に由来するコーヒー、チョコレート、スパイスなどの香りも加わり、複雑で芳醇な香りが広がります。
【味わい】
凝縮感ある果実味は優しい甘味を伴い、穏やかな酸も相まってまろやかな飲み口。豊富でシルキーなタンニンは味わいの構造を形成しており、洗練された雑味の無さは飲み応えがありつつも上品な味わいで、豊潤な果実味や樽の風味を残した余韻があります。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
使用されるプリミティーヴォの個性は以下の通りです。
濃い色調で、ジャムのような甘味を伴った果実のジューシーな味わいが特徴的で、酸味と渋味はほどよくアルコール度数が高めのしっかりとしたワインを生む傾向。
■ヴィエイユ ヴィーニュ■
ワイナリーを代表する銘柄であるパパーレには、樹齢が50年を越えた古木(ヴィエイユヴィーニュ)のブドウを使用します。
若い樹に比べ土地の成分を吸い上げる能力が高いなど、上質なブドウを実らせるのが古木の特徴です。
■収量制限■
剪定や間引きなどで収穫量はあえて抑えます。
残された良質なブドウに成分が集中することで凝縮感溢れるワインが生まれます。
■樽熟成■
小樽(バリック)で8ヶ月以上の熟成期間を設けています。
大樽に比べ樽との接触面積が多く、樽の風味が反映しやすいのが小樽の特徴で、果実の風味を覆い隠さない程度の樽の風味(チョコレートやスパイスなど)が感じられます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
やや低めの14℃程度にすれば酸が際立ち引き締まった印象。上品な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど酸は穏やかな印象になり、香り、甘味、旨味が広がる味わいが楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から3~8年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【大ぶりのグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計された大ぶりのグラスを選ぶことで、芳醇な香りと味わいを感じやすくなります。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
牛肉の赤身のステーキ
キンキの甘辛煮
など、コクのある素材や強めの味付けをされた料理によく合い、互いの味わいを引き立て合うマリアージュを楽しめるでしょう。
ワイン単体でも楽しめる充実感がありますが、ブルーチーズなどともよく合い、チーズの強めの塩分がワインの旨味や甘味を引き立てます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
パワフルな味わいでプリミティーボでは過去最高の美味しさ。欲を言えばもう少し手軽に購入できる価格なら。。。
プリミティーボらしい熟した果実の甘味とタンニンのバランス良いワイン。良いワインではありますが、個人的には甘味はもう少し控えめが良いかな。
ちょっと癖があるように感じる。。。悪くないけど甘味もあるので万人受けはしなさそう。。。
【良い口コミ】
濃厚なのにスイスイ飲めちゃう感じにハマり、何度も買っちゃってます♥♪
4年熟成の2016。プリミティーボは重いだけのネガティブなイメージ先行でしたが、このワインは香り、甘味、酸味のバランスが良くとても美味しかった。
人気のチンクアンタと共通する美味しさで、開けてすぐでも開いてて美味しいところも良いですね。
3年熟成の2014は、しっかりとしたタンニンがタイトな味わいを表現しつつ、甘味が和らげるバランスがとても良いと感じました。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 7%
美味しい 57%
普通 36%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
非常に好感度が高いワインだと感じました。
プリミティーボらしい甘味もあるので、そのような部分に対するネガティブコメントもありますが、品質自体を悪く評価する意見はかなり少数。
厚みのある果実感と豊富なタンニンや柔らかな酸とのバランスも良く、濃厚でありながらクドさのない飲み口を褒めるような意見が最も多い傾向でした。
客観的で個人的な印象としては、3000円前後のプーリア州の赤ワインの中では最も満足度の高い銘柄と感じています。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
パパーレ プリミティーヴォ ディ マンドゥーリア リネア オーロは
【価格】
3500前後
【味】
凝縮感ある果実味は優しい甘味を伴い、穏やかな酸も相まってまろやかな飲み口。
豊富でシルキーなタンニンは味わいの構造を形成しており、洗練された雑味の無さは飲み応えがありつつも上品な味わいで、豊潤な果実味や樽の風味を残した余韻がある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~8年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
客観的で個人的な印象としては、3000円前後のプーリア州の赤ワインの中では最も満足度の高い銘柄。
プリミティーボらしい甘味もあるので、そのような部分に対するネガティブコメントもあるが、品質自体を悪く評価する意見はかなり少数。
厚みのある果実感と豊富なタンニンや柔らかな酸とのバランスも良く、濃厚でありながらクドさのない飲み口を褒めるような意見が最も多い傾向。
以上です。
1000円台で楽しめるような気軽なワインではありませんが、ちょっと上質なプーリアの赤ワインを楽しみたい場合は、チンクアンタ(2200前後)と並んでおすすめできる銘柄だと感じました。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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