「代表的なソアーヴェを1つだけ教えてほしい。」
そう聞かれたらピエロパンのソアーヴェクラシコを挙げます。
数あるソアーヴェの中でも最も多くの方が飲んでおり(口コミ量が多い)、その満足度も安定して高い印象。
ソアーヴェを常に牽引してきた実力は確かで、ソアーヴェの基準値を知るという意味でも外す事のできない銘柄だと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ピエロパン ソアーヴェ クラシコ
《価格》
【1500~2200】
《ブドウ品種》
・ガルガーネガ
・トレッビアーノ ディ ソアーヴェ
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>ヴェネト州
《生産者》 ピエロパン
ピエロパンはヴェネト州を代表する生産者の一つで、同州を代表する白ワイン「ソアーヴェ」の生産者として非常に有名です。 1890年にレオニルド ピエロパン氏により創業。8割の生産者が収穫したブドウを協同組合に売って醸造されるソアーヴェにおいて、創業してから一度も組合に売らず自社醸造にこだわってきたことは稀で、常にソアーヴェの先頭に立ってきました。 特にワイナリーが飛躍したのは創業者の孫にあたるレオニルド氏(祖父と同名)の代になってから。
この地では珍しくエノロゴ(醸造家)の資格をとり、近代的な手法を取り入れ品質を向上させました。1999年からはレオニルド氏の2人の息子もワイナリーに参画。醸造学と農学をそれぞれの息子が修めており、さらなる発展に取り組んでいます。
今回紹介しているソアーヴェ クラシコは、ピエロパンが手掛ける最もベーシックなソアーヴェ。
ジェーム ズサックリングやワイン スペクテイターなどのワイン誌で90点を超える高得点を何度も獲得している銘柄です。
《味わいの特徴》
伝統的ソアーヴェの筆頭
ピュアで深みのある味わい
このワインの特徴は、スッキリサッパリのソアーヴェとは一線を画した豊富なミネラル感やコクのあるところで、透明感のあるピュアな味わいはバランス感覚に優れています。
【外観】
輝きのある淡めの麦藁色
【香り】
レモンやグレープフルーツなどの爽やかさや、青リンゴやラフランスのフルーティな果実香を主体に、白い花の華やかさや石灰や火打石のニュアンスもほのかに加わります。
【味わい】
ラフランスや白桃を思わせるフルーティーな果実味を、豊富な酸や凛としたミネラルがスッキリと引き締める味わい。
透明感のあるピュアな味わいで適度なコクも広がり、ほのかな苦味も後口に感じられます。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■ガルガーネガの個性■
ソアーヴェに主体的に使用されるガルガーネガは、香りや味わいが控えめで、柑橘系の酸が強めでスッキリとした味わいを生む傾向です。
しかしピエロパンのソアーヴェはそのような個性をベースに持ちつつ深みのある味わいも感じられ、その要因は以下の通りです。
■立地条件■
ピエロパンが所有する畑は、ソアーヴェクラシコと呼ばれる栽培条件に恵まれたエリアにあります。
1967年にDOCに認定されたソアーヴェは、人気上昇と共にそのエリアを拡大し、本来のソアーヴェとは違った非常に軽い味わいを生むようになります。
しかし、当初から認められていたクラシコエリアは丘陵地帯の火山性土壌で、平野部にひろがる新しいエリアとは違いミネラル豊富で深みのある味わいを生みます。
■有機栽培■
農薬や化学肥料を使用しないブドウ栽培を実践しています。
土地の天然酵母など様々な微生物の働きが加わった土壌は、健全で成分豊かな状態になり、その成分を吸い上げたブドウはピュアで味わい深いワインを生みます。
■樽は使わない■
発酵や熟成で使用するのは、樽ではなくガラスでコーティングされたセメントタンク。
樽の風味が反映されず、ブドウのピュアな風味が感じられるワインになります。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味や凛としたミネラルが際立ち軽快な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、ふくらみのある飲み口が楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から2~5年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【小ぶりor膨らみのあるグラス】
温度が上がりにくい小ぶりのグラスで飲めば、軽快で上品な味わいが楽しめます。
温度が上がりやすく香りも取りやすい膨らみのあるグラスで飲めば、広がりある味わいが楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
カプレーゼ
ボンゴレビアンコ
豚肉のハーブグリル
スッキリとした上品なソアーヴェは繊細な味わいの料理にも合いますが、コクのある料理をスッキリまとめる効果もあり、適応範囲の広いワインと言えます。
また、ミネラル豊富でバランスの良い味わいは様々な魚貝類との相性もとても良いです。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
2年熟成の2018は食中酒としては良いのだけど、単体で楽しむと甘味が気になる。ちょっと濃い感じがして飲み疲れしてきた。。。
1年熟成の2019は何か薄いかな。サラッとしたのが好きな人には良いけど、私には物足りず。
【良い口コミ】
難しいことは置いといて、素直に美味しさが楽しめる!!いつでもピエロパンは美味しい♪今回は1年熟成の2019でした。
暑い季節が始まると飲みたくなる味。新鮮な果実感と凛としたミネラルが心地よい。
2019。かなりハイレベルな安旨!♪
透明感があって涼しげな味わいがたまらなく好き♥2年熟成の2018は柑橘系の酸とリンゴ系の果実味にスパイスも加わり食事にバッチリ♪後半にかけての膨らみのある果実感は、トレッビアーノの効果でしょうね。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 6%
美味しい 47%
普通 41%
良くない 6%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
まずはその口コミ量の多さが印象的で、数あるソアーヴェの中でもダントツで多く、たくさんの方に親しまれている事がわかりました。
感動レベルの評価は少なく稀にネガティブなコメントも見受けられましたが、大半の方が爽やかでフルーティーな味わいに好感を持っており、食事に合わせることでより良くなる意見も少なくありませんでした。
おすすめのソアーヴェを1つだけ挙げるとすれば、基準値を知るという意味でも最も選ばれ人気を集めているピエロパンが良いのではと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ピエロパン ソアーヴェ クラッシコは
【価格】
1500~2200
【味】
並質でスッキリサッパリとしたソアーヴェとは一線を画した豊富なミネラル感やコクがあり、透明感のあるピュアな味わいはバランス感覚に優れている。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~5年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
稀にネガティブなコメントも見受けられたが、大半が爽やかでフルーティーな味わいへの好感で、食事に合わせることでより良くなる意見も少なくない。
以上です。
手頃な価格で日常の食卓を引き立ててくれる、フードフレンドリーな味わいが魅力のソアーヴェのだと感じました。
あなたはどのように感じましたでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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