「コート・デュ・ローヌで手頃で美味しい赤ワインを教えて下さい。」
こう聞かれたならば、必ず候補の一つに入れるワイン。
漫画「神の雫」に登場した事でも注目を集め、世界的評価も高い生産者ですが、このワインを紹介すべきと感じたのは、日本の一般消費者の方々の口コミ評価が高かったからであり、名実共に高い品質のワインを生みだしている事は多くの口コミからも確認できました。
ちなみに「神の雫」に登場した銘柄は、シャトー・ド・サンコム レ・ドゥー・アルビオン(Les Deux Albion)でしたが、ここで紹介するワインは、それより少し手頃なコート・デュ・ローヌ・ルージュです。
というのも、客観的視点による価格との総合的印象という意味では、僅差ではありますがコート・デュ・ローヌ・ルージュの方がが満足度が高いと感じたからというわけです。
この記事を読み進めることで、少しでもサン・コムの知識、そして味わいのイメージが広がれば嬉しく思います。
《ワイン名》 サン・コム コート・デュ・ローヌ ルージュ
↓のリンク先には、少し高額なシャトー・ド・サンコムLes Deux Albion(レ・ドゥー・アルビオン)がたくさん出てきますが、ここで紹介しているのは、コート・デュ・ローヌ ルージュですから注意してください。
《価格》
【2000円前後】
《ブドウ品種》シラー
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>コート・デュ・ローヌ地方
《生産者》 シャトー・ド・サンコム
シャトー・ド・サンコムはローヌ南部に位置するジゴンダスに本拠地を置く歴史ある生産者で、14代目の現当主はルイ・バリュオール氏。
1992年にシャトーを継ぐことになったルイ氏はMBA(経営学修士)を目指すほどの秀才で、彼が生み出すワインが各ワイン誌で高評価を連発し「ジゴンダスの天才」と呼ばれるようになった。中でもロバートパーカー氏が2度100点満点を与えたジゴンダスのオミニス・フィデスは秀逸だが、ほぼ売っていないほど希少。2020年現在でもコート・デュ・ローヌのトップ生産者の一つとして、優れたワインを送り出し続けている。
《味わいの特徴》
フレッシュかつ豊潤
適度な複雑性も持った
バランスの良い味わい
このワインの特徴は、厚みのあるフレッシュな果実味を穏やかな酸がまとめるフルーティーでバランスの良い味わいにありますが、スパイシーさや土っぽさといった複雑な風味も適度に持ち合わせており、カジュアルすぎず高級すぎない点も特徴と言えるでしょう。
広域コート・デュ・ローヌの赤ワインにしては濃厚な味わい傾向があり、そのような品質になる理由には温暖な気候に加えサンコムが実践している醸造方法にあります。
アルコール発酵中にブドウの皮や種の部分(果帽)を棒で沈めるなどして、成分を多く抽出する技法(ピジャージュ)を行ったり、ブドウの梗の部分(実が付いた茎のような部分)も一部加えることで、味わいに複雑性を与える手法(全房発酵)を実践している事が挙げられます。
またシラー100%という事で、シラー特有のブラックペッパーのようなスパイシーさも感じられやすいというわけです。
【外観】
紫がかった深いルビーレッド
【香り】
ブラックベリーやプルーンの果実香に、スミレの花やブラックペッパーのスパイシーなニュアンスも感じられます。
【味わい】
厚みのある果実味は生き生きとしておりフルーティーな味わい。ほどよいタンニンは味わいに力強さを与えますが、角が取れたしなやかな印象で、穏やかな酸は味わいをバランス良くまとめます。
甘味の抑えられたスパイシーな風味を持った味わいはドライな印象で、果実やスパイスなどの風味を残した余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
やや低めの温度にすれば軽快さが増し、フレッシュで上品な飲み口になります。
温度を上げるほど果実感などの風味が広がり、ボリューム感のある味わいが楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~8年
若い段階ではフレッシュな果実感や骨格あるタンニンを感じる傾向で、熟成するほど成分は溶け合い、落ち着きある果実感や滑らかなタンニンを感じられるでしょう。
【当たり年】
一般的にコート・デュ・ローヌ北部のヴィンテージチャートは以下の通りです。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 3
2014年 3
2015年 5
2016年 4
2017年 5
2018年 4
↓のリンク先には、少し高額なシャトー・ド・サンコムLes Deux Albion(レ・ドゥー・アルビオン)がたくさん出てきますが、ここで紹介しているのは、コート・デュ・ローヌ ルージュですから注意してください。
《適正グラス》
【チューリップ型ボルドーグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたボルドーグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れる事でしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ラザニア
豚肉のハーブソテー
など、豊かなコクを持った料理や野性味を感じさせる肉料理などに合わせる事で、豊かなワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立て合うマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
お店の人に勧められたけど、それほどでもないかな。
【良い口コミ】
デイリーワインとしては最高レベルですね。
このバランス感覚は価格以上のポテンシャル。3年熟成の17は黒系べリーに血液、ブラックペッパーに焼けた髪の毛?的な香りが広がり、豊潤な果実味と適度な酸は角の無い味わいを表現。果皮に由来するタンニンが後半を力強くまとめます。
コート・デュ・ローヌ広域レベルだと、妙に甘さが出てたりシャバシャバな味わいになる事も多いんだけど、これは違う。ブドウの凝縮感が明らかに違っており、プルーンやチョコレートにスパイスも感じる味わいは集中力がある。3年熟成の2017はコート・ロティクラスの複雑性には及ばないまでも、手頃な価格帯のワインにおいてはトップクラスであり、ギガルの広域にも勝る味わいだね。
コクがあって飲みやすいです。2年熟成の2016は角が無いって感じでした。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 7%
美味しい 43%
普通 50%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
なかなか濃厚でそこそこ複雑、そしてバランス良い品質である事が伝わる口コミがほとんどで、多くの方がそのコスパの良さに満足している事が印象的なワインでした。
2000円前後のワインという事で、スケールを感じさせるような奥深さはありませんが、日ごろ楽しむには十分なポテンシャルを持っており、個人的にはお店のワインリストにこのような選択肢を持っておくのも面白いと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
サンコム コート・デュ・ローヌ ルージュは
【価格】
2000円前後
【味】
フレッシュかつ豊潤、適度な複雑性も持ったバランスの良い味わいは、カジュアルすぎず高級すぎない。
【飲み頃と当たり年】
・飲み頃
ブドウ収穫年から2~8年
・当たり年
一般的にコート・デュ・ローヌ北部のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 3
2014年 3
2015年 5
2016年 4
2017年 5
2018年 4
【口コミ】
なかなか濃厚でそこそこ複雑、そしてバランスの良い品質である事が伝わる口コミがほとんどで、多くの方がそのコスパの良さに満足している。
↓のリンク先には、少し高額なシャトー・ド・サンコムLes Deux Albion(レ・ドゥー・アルビオン)がたくさん出てきますが、ここで紹介しているのは、コート・デュ・ローヌ ルージュですから注意してください。
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