第58回 ラングドック・ルーション地方のワイン特徴と格付け|主要AOC

産地別ワインの特徴

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ラングドック・ルーション地方。

あまり聞き慣れない地方かもしれませんね。

しかし、実はこの地方がフランス最大のワイン産地なんですね。
(ボルドーではなかった!!)

ただし、AOCワインの格下であるIGPワインが約70%で、さらに格下のヴァン・ド・ターブル(地理的表示なしのワイン)も造ります。

よって【カジュアルなワインを大量に造り、品質の良いワインも造る産地という認識でよろしいかと思います。


「久しぶりだね。元気にしてたかい?ちょっとだけこの地区は大変だからね。サポートするよ。」

おお!ボルドーの先生じゃないですか!お久しぶりです。
とても力強いです。よろしくお願いします!

あ!!

先生!寝てる人がいます!!

1、ラングドック・ルーション地方の 基本データ

まずは場所ですね。

この地方はフランスの中でも最も南の産地なんですね。


「試験の人はね、後で解説するAOCの位置関係も教本で調べて知っておくんだよ。」

【ワイン生産量】
・約1000万ヘクトリットル
※フランスNO1でボルドーの2倍近く。

【ブドウ栽培面積】
・約17万ヘクタール
※フランス最大で日本の10倍程度。

【主要品種白ブドウ
グルナッシュブラン
果実味豊かで酸は少なめです。

ヴェルメンティーノ
香り豊かで厚みのある味わいです。

ブールブーラン
繊細でアルコール度数は低めです。

モーザック
厚みのある辛口スパークリングワインなどを生みます。

マカブ―
酸は少なく、豊かで力強いワインを生みます。

【主要品種黒ブドウ
グルナッシュ
穏やかで果実味豊かなワインを生みます。

ムールヴェ―ドル
とても強いタンニンが特徴です。

シラー
強い果実味とタンニンがあります。

カリニャン
酸の強さが特徴的で、濃いワインを生みます。

サンソ―
ロゼで使用されることが多く、滑らかで豊かな果実味です。


「これ以外にも使用可能品種があるからね、全部覚える必要はないよ。この地方はたくさんの品種が使われ、温かい気候だから穏やかで果実味がしっかりあるワインになる傾向なんだね。」

2、ラングドック・ルーション地方の ワインの特徴

【カジュアルなワイン主体のフランス最大の産地
赤ワインを主
ロゼスパークリングを造り、お手頃で親しみやすいワインを大量に生産しています。

【果実味豊かな品質】
温暖
でブドウ栽培にも適していることから多くの品種が栽培され酸は穏やかで果実味豊かな味わいのワインを生む傾向にあります。

【VDN・VDLでも有名】
・アルコール発酵の前、あるいは途中でブランデーなどの蒸留酒を添加するアルコール度数高めの酒精強化ワインです。
くわしくは別の回でまとめて解説します。

3、ラングドック・ルーション地方の 格付け

この地方ではカジュアルなワインを大量に造る話はしましたが、比率は少なくとも【上質なAOCワインも面積にすると約5万ヘクタール】もあり、ブルゴーニュとほぼ同じです。
そして、ラングドック地方では近年AOCワインに格付けをするようになりました。
※ルーション地方に格付けは2015年時点ではありません。

※ラングドック地方の格付けも改定の可能性もありますから、以下の解説は2015年現在の情報として理解してください。

「ワインの法律や規定は変わることもあるからね。だから試験を受ける人はね、毎年発行されるソムリエ教本から正確な情報は確かめるといいよ。」

前置き長くなりました!!
ラングドック地方の格付けです。
格上から順に

【1、クリュ・デュ・ラングドック
最も厳しい規定をクリアした深い味わいです。

【2、グラン・ヴァン・デュ・ラングドック
土地や品種の明確な個性を持ったワインに認められるカテゴリーです。

【3、ラングドック
地方名AOCで平均的な味わいです。

4、ラングドック・ルーション地方 主要AOCとその特徴

■ラングドック地方■

6つのクリュ・デュ・ラングドック】
《1、ラ・クラープ》


《2、フォジェ―ル》
ロゼ

《3、サン・シニアン・ベルルー》


《4、サン・シニアン・ロクブラン》


《5、ミネルヴォワ・ラ・リヴィニエール



《6、コルビエール・ブートナック》

あまり細かい事はいいです!以上のAOCは豊かで品質高い!!

【代表的なグラン・ヴァン・デュ・ラングドック】

《1、サン・シニアン》
ロゼ

《2、フィトゥ》

《3、コルビエール》
ロゼ

《4、ブラケット・ド・リム―》
スパークリング
・トラディショナル方式でモーザック主体。

《5、クレマン・ド・リム―》
ロゼスパークリング
・トラディショナル方式でシャルドネ主体。

【地方名AOCラングドック】
ロゼ
・ラングドック地方全域に広がります。

■ルーション地方■

《1、コート・デュ・ルーション》
ロゼ
ロゼ多く造る事で知られます。

《2、バニュルスとコリウール》
・バニュルスはVDN(酒精強化ワイン)
・コリウールはロゼ
・この2つは【地理的には同じ】でワインの
タイプによってAOC名が違うという事です。
※バニュルスグランクリュというAOCもありバニュルスより規定が厳しく高品質です。


サンテミリオンとサンテミリオングランクリュも似たような関係だったね、覚えているかな?」

 

■まとめ■

・ラングドック・ルーション地方はフランス最大の産地

・日常消費型の手頃でカジュアルなワインが多いが、格付けも整備され、【クリュ・デュ・ラングドック】のように品質の高いワインもある

いろんなブドウから様々なタイプのワインが造られ、温暖なため比較的穏やかで厚みのあるタイプの品質が多い。

・【バニュルス】を代表とするVDNでも知られる。

以上です。

これだけの大産地ですから、何も考えずに飲んだワインのラベルを見たらラングドックなんて書いてあったなんて事もよくあります。

ローヌのようにとても親しみやすい印象で、気軽にちょっと濃いめのワイン飲みたいなという時などにはいいですね!!

というわけで久しぶりに先生にサポートしていただきました。
どうもありがとうございました!!

先生!!この人まだ寝てますよ!!

先生?

「・・・」

これは!!



まさか!!



 


寝とるぞ!!

 

 

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