さて、日本のワインも基本データ・特徴・品質表示・歴史について前回までで学びました。
今回はそんな日本ワインの中でも産地によって特徴がありますし、それぞれに有名ワイナリーが造るおすすめワインもありますから、その部分について解説していきましょう。
「日本ワインは川上善兵衛・山田宥教・詫間憲久など様々な先人達によって育まれてきた。そんな先人たちの熱き思いは現在の生産者たちに引き継がれ、今まさに日本ワインは過去最高の品質になることができたのだ。そんなワイン達を知り、飲む事はさらに日本ワインを育てる事となるだろう。」
今回も染み入るナレーションお願いします。
それでは日本ワインの主要産地と主要産地とその特徴を解説しましょう。
【山梨】【長野】【北海道】【山形】についての解説となりますが、今回はまず【山梨】と【長野】についてです。
山梨ワインの 特徴
《プロフィール》
日本ワイン造り発祥の地で、日本ワイン生産量は全国の約30%を占め日本一。
ワイナリーも約80社で日本一。
生産量だけでなく品質においても唯一のGI(地理的表示)として認められており、日本を代表する産地と言えます。
GIの解説はコチラ
《主要品種白ブドウ》
【甲州】
山梨で約45%栽培される品種で、全国の約96%が山梨県産甲州です。
世界に誇れる日本固有品種で、主張しすぎない繊細な味わいを持ちます。
【デラウェア】
フルーティで爽やかなワインを生むアメリカ系品種です。
【シャルドネ】
少量ながら上質なワインを生みます。
《主要品種黒ブドウ》
【マスカット・ベーリーA】
甲州に次いで多く栽培される品種で、ブドウ全体の約23%の生産量です。
川上善兵衛が開発したアメリカ系交配品種で、日本を代表する渋味の少ないフルーティな味わいの赤ワインを生みます。
【巨峰】
アメリカ系品種で、軽快でフルーティな味わいです。
【メルロー】
長野で有名なメルローですが山梨でも造られ、濃くてやさしいワインを生みます。
※アメリカ系品種・ヨーロッパ系品種の解説は101回でしています。
《おすすめワイン》
主観的になるかもしれませんが、有名で有力なワイナリーの造るおすすめワインをいくつか紹介しましょう。
【中央葡萄酒(株)】
「グレイスワイン」の名で有名で、日本一の日照量がある好立地でブドウ栽培が行われています。
《キュベ三澤》シリーズは特に有名で、国際コンクールでも金賞を獲得できる品質で、シャルドネ、甲州、カベルネソーヴィニヨンから奥深い味わいのワインを生んでいます。
【勝沼醸造】
1937年創業の歴史あるワイナリーで、甲州をはじめ、マスカット・ベーリーA、メルローなどから上質なワインを生んでいます。
《アルガブランカイセハラ》は甲州から造られる最高峰のワインとして有名です。
アルガブランカ ヴィニャル・イセハラ 2017 750ml 白 日本ワイン
☟は手頃で繊細な甲州らしい品質です。
クラレーザ
【登美の丘ワイナリー】
サントリーが運営する大手ワイナリーです。
《登美の丘甲州》の品質も素晴らしく、私は初めて飲んだ時日本でもこんなワインができるんだと思いました。
安定感のある素晴らしいワイナリーだと思います。
登美の丘 甲州
※他にもたくさん素晴らしいワイナリーがあります。小規模なワイナリーもありますからぜひ現地へ行ってみてはいかがでしょうか。
長野ワインの 特徴
《プロフィール》
日本ワイン造りにおいて、最も活気溢れる産地です。
2016年現在ワイナリー数は32軒と山梨の半分以下ですが、2000年以降17軒も設立されています。
長野県は2013年に「信州ワインバレー構想」を造り後押ししている事もワイナリーが増える要因となっています。
気候は雨が少なく、昼夜の温度差が大きいためブドウ栽培に適しています。
《主要品種白ブドウ》
【ナイアガラ】
白ブドウの中で最も栽培されます。
ブドウらしいフレッシュでフルーティな味わいのワインを生みます。
【シャルドネ】
気候条件に恵まれた長野県では、日本一多くのシャルドネを栽培します。バランスの良い味わいのワインを生みます。
《主要品種黒ブドウ》
【コンコード】
長野県で最も栽培される品種で、ブドウ全体の約42%を占めています。
ブドウジュースを連想させるフレッシュでフルーティなワインを生みます。
【メルロー】
生産量ではコンコードの4分の1程度ですが、品質の良さではメルローの方が有名です。
厚みがあり複雑でやさしい味わいのワインを生みます。
※この他にもカベルネソーヴィニヨン、ピノノワール、ソーヴィニヨンブランなどヨーロッパ系品種の栽培が増えてきていることにも注目です。
これは気候条件に恵まれた長野だからあり得ることで、これからにも期待で注目です。
《4つのワインバレー》
長野県では「信州ワインバレー構想」によって4つのエリアに産地区分され、各エリアごとに発展する事を目指しています。
北から順に紹介しましょう。
【1、千曲川(ちくまがわ)ワインバレー】
2000年以降9軒のワイナリーが増え、合計13軒のワイナリーがある産地で、変化の最中にあり活気に溢れています。
冷涼な事もありシャルドネの評価が高く、カベルネソーヴィニヨンやソーヴィニョンブランなどのヨーロッパ系品種が増えてきています。
【2、日本アルプスワインバレー】
ワイナリー数は少なく、ナイアガラやコンコードなどのアメリカ系品種が多く栽培栽培がされます。
近年はソーヴィニヨンブラン、シャルドネ、メルローなどが増加傾向にあります。
【3、桔梗ヶ原ワインバレー】
塩尻市をすべて含む産地で、長野県におけるワイン発祥の地です。
日照量が全国でもトップクラスのこの産地では、メルローやシャルドネなどのヨーロッパ系品種が広がりつつあります。
「桔梗ヶ原メルロー」と呼ばれるほどメルローの品質が良い事でも有名な有力産地です。
【4、天竜川ワインバレー】
ワイナリーが少ないエリアで他のエリアと違い、山ブドウとカベルネソーヴィニヨンを交配したヤマソーヴィニョンが造られます。これからの発展に期待です。
《おすすめワイン(ワイナリー)》
【ヴィラデストワイナリー】
シャルドネなどのヨーロッパ系品種を栽培しており、サミットでも選ばれる実力がます。見学もできますよ。
【安曇野ワイナリー】
シャルドネやメルローからキレイな品質が魅力的なワインを生みます。見学できます。
【信濃ワイン】
桔梗ヶ原を代表する老舗ワイナリーです。メルローをぜひお試しください!!
見学できます。
【小布施ワイナリー】
お値段も高めですが、品質も高く人気のワイナリーです。
様々な品種にもチャレンジしています!!
見学できる時もあるようです。
※以上ですが他にも素敵なワイナリーがたくさんあります🎵
■まとめ■
・山梨県は唯一のGIかつ生産量も日本一で日本を代表するワイン産地。
・山梨県では甲州が特に有名で、黒ブドウのマスカット・ベーリーAは甲州に次いで有名。
・長野県はワイナリーが増加しており活気ある産地。
・長野県は特に気候条件に恵まれ、ヨーロッパ系品種の発展にも注目が集まっている。
以上です。
いかがでしたか?
私達の日本ワインは今急成長の過程にあります。
昔日本のワインを飲んでいまいちだと思った方も、今飲んでみたらその進化に気付く事でしょう。
この事は世界のワインにも言えることですが特に日本ワインは成長が著しいと感じます!!生産者の皆様の努力には頭が下がる思いです。
そんな素晴らしい日本ワインは直接現地へ行き楽しむこともできますから、ぜひより多くのワインを現地の素敵なロケーションと共に楽しんでみてはいかがでしょうか。
「素晴らしいワインは、消費者が飲む事でより進化してゆく・・・。日本ワインの未来は生産者はもちろん我々消費者にも委ねられているのだ・・・。そのことを忘れてはならぬ。」
そうですね。
いつも染み入るナレーションありがとうございます。
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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