イタリア最大の州であり、高級からカジュアル、あるいは濃厚から上品で繊細なワインまで様々なタイプのワインを生むシチリア。
「色々あるのはわかったけど、結局どのワインを選べば良いの?」
この記事にたどり着く方は、多かれ少なかれそのような思いがあるのではないでしょうか。
膨大な種類が存在するワインの中から好みのワインを的確に選択するのは、プロでもない限り難かしいと言えるでしょう。(いや、プロでも難しいですね。)
しかしそのような悩みは、この記事を読むことで少しは解決すると確信しています。
なぜなら、2014年に日本ソムリエ協会認定ソムリエの資格を取得した私が、インターネット上にある信憑性の高い口コミだけを調べ尽くし、特に満足度の高いワインのみをピックアップ。特徴・当たり年・飲み頃・口コミ内容などを詳しく解説しているからです。
自身が実際飲んで美味しいと感じるワインもさることながら、多くの方が美味しいと認めるワインは外す確率も少ないと考えました。
それでは参りましょう。
シチリア州のおすすめワイン【9選】
星の数ほど存在するワインは、産地やブドウ品種に生産者、あるいは収穫年や熟成度合い、そして個人個人の受け止め方によっても味わいへの評価は変化し、一つとして同じものが無い事が難しさであり魅力でもあります。
ここで紹介するワインは、あくまで一般的に満足度が高いという事で、それら以外にも素晴らしいワインは無数に存在します。
個々の受け止め方でも評価は変わるわけですから、これがおすすめワインと決めてしまうのはナンセンスだと思いますし、ここで紹介するワイン以外を探究される事も素晴らしいと思います。
そのような事を踏まえて、この記事が何かしらのヒントになり、あなたのワイン選びのお役に立てれば嬉しく思います。
さて、私は日本で購入可能なシチリアのワインを造る約50の生産者をピックアップ。
非常に多い銘柄の中で多くの日本の消費者の方々に実際飲まれ、そして口コミ満足度の高いワインはどれかを客観的視点から調べてみました。
その結果、特に高い満足度を獲得していると感じたワインは以下の9銘柄。
広大なシチリアでは様々な環境から生まれる様々なタイプのワインがあり、それぞれ違った魅力で消費者を楽しませています。
※価格順
ミッレ エウナ ノッテ(赤)
重厚かつ上品な味わい
【価格】
9000前後
【ブドウ品種】
ネロ ダーヴォラ主体
シチリアの赤ワインの頂点。
次に紹介するドゥーカ ディ サラパルータと並んで非常に口コミ満足度が高い傾向で、濃いめの赤ワインを求める方の選択肢に入れるべき銘柄だと感じました。
このワインの特徴は、凝縮感ある果実味を主体に様々な要素が多層的に感じられる重厚な味わいでありつつ、洗練された雑味の無いピュアさや、味わいをまとめる酸やタンニンのバランスも良いことで上品さも合わせ持っているところ。
非常に完成度の高いワインで、シチリアの赤ワインの最高峰と呼べる銘柄です。
ドゥーカ エンリコ(赤)
ネロダーヴォラの最高峰
パワフルかつ上品な味わい
【価格】
7000前後
【ブドウ品種】
ネロ ダーヴォラ
シチリアの赤ワインの最高峰であり、ネロダーヴォラの頂点。
その品質の高さは多くの口コミからも伝わるもので、上記のミッレ エ ウナ ノッテと並んでシチリアを代表する銘柄だと感じました。
1984年からリリースされるこのワインは、シチリアで初めてネロダーヴォラ100%で造ったワインとしても知られており、数々のワイン誌やコンテストでも高く評価されています。
充実感ある赤ワインが好きな方の選択肢に入れていただきたいシチリアの銘酒です。
キアランダ(白)
滑らかでリッチかつ上品
バランスに優れた
シチリア白の代表格
【価格】
5200前後
【ブドウ品種】
シャルドネ
リッチかつ上品なシチリア最高峰の白ワイン。
次に紹介するプラネタのシャルドネと並んで口コミ評価が高く、スッキリエレガントというよりはリッチで優雅な白ワインを求める方におすすめできる銘柄です。
このワインの特徴は、南国果実を思わせる凝縮感ある果実味と樽の風味が相まったリッチな味わいでありながら、なめらかな質感と雑味の無いクリアな味わいは上品さも感じられるところで、適度な酸やミネラル感が引き締めるバランス感覚にも優れています。
イタリアを代表するガイドブック「ガンベロロッソ」で、1998、1999が2年連続で最高賞トレビッキエリを獲得しブレイクし、常に高い人気を維持し続ける銘柄です。
プラネタ シャルドネ(白)
シチリア白の代表格
リッチかつ上品で
バランス感覚に優れる
【価格】
5000前後
【ブドウ品種】
シャルドネ
シチリア白ワインの最高峰。
シチリアでは上記のキアランダと並んで満足度の高い白ワインという印象ですが、口コミの量も考慮すると最も選ばれている人気銘柄がプラネタのシャルドネだと感じました。
このワインの特徴は、凝縮感あるリッチな果実味と丸みのある上品な樽の風味が溶け合ったリッチな味わいにありますが、適度な酸や凛としたミネラル感が味わいを引き締める上品さも両立しており、バランス感覚に優れ風格が感じられるところです。
飲み応えのある白ワインで、ムルソーやカリフォルニアなどといったリッチでボリューム感のある白ワイン好きな方には、必ず知っていただきたい銘酒だと感じました。
パッソピッシャーロ エトナ(赤)
ピノノワールを彷彿する
複雑でエレガントな味わい
【価格】
4000~5000
【ブドウ品種】
ネレッロ マスカレーゼ
エトナロッソの最高峰。
調べる限りエトナの赤ワインの中で最も口コミ満足度が高いのでは?
そう感じた銘柄です。
さらに上級キュベの方が充実感ある味わいがあるようですが、価格も含めた満足度ではエントリークラスのこの銘柄が勝る印象です。
このワインの特徴は、ブルゴーニュのピノノワールを彷彿させるような複雑で上品な味わいにあります。
果実味は主張しすぎないものの、じんわり広がる旨味や複雑な風味は充実感ある味わいを表現しており、味わいを引き締める美しい酸味からは上品さも感じられます。
ヴァッレ デラカーテ チェラスオーロ ディ ヴィットリア(赤)
充実感と上品さを持った
端正な味わい
【価格】
2600前後
【ブドウ品種】
・ネロ ダーヴォラ70%
・フラッパート30%
シチリア唯一のDOCGチェラスオーロ ディ ヴィットリアで最も評判が良いと感じた銘柄。
このワインを造るヴァッレ デラカーテは、チェラスオーロ ディ ヴィットリアを代表する生産者。
1981年に設立され、現当主はガエターナ女史。
シチリアのテロワール(ブドウを取り巻く自然環境)を生かした、ボリューム感とエレガンスをを両立した女性ならではのワイン造りを実践しており、人気も上昇している期待のワイナリーです。
力強くも上品な「細マッチョ」を思わせる味わいで好評を集めていますが、口コミ量は非常に少なめ。
ちょっと掘り出し物感ある良質なシチリアワインとして、選択肢の幅を広げてくれる優れた銘柄だと感じました。
アルタ モーラ エトナ(白)
充実感と上品さを両立した
バランス良いエトナビアンコ
【価格】
2500前後
【ブドウ品種】
カッリカンテ
最も口コミ満足度が高いと感じたエトナビアンコ。
このワインの特徴は、厚みのある果実味をキレの良い酸が引き締めるバランス良さがあり、豊富なミネラル感と透明感のある飲み口は充実感と上品さを併せ持っているところです。
2013年から始まったワイナリーで口コミの量こそ少ないものの、経験豊富な方々のコメント達を拝見する限り、かなり期待できる銘柄だと感じました。
イタリアの権威あるガイドブック「ガンベロロッソ」では、最高賞トレビッキエリを2016ヴィンテージから4年連続で獲得。
世界的ワイン評論家ジェームズ サックリングからは2019ヴィンテージが93点を獲得。
良質なエトナビアンコの最有力候補だと感じています。
イルパッソ(少甘赤)
凝縮感と上品さを持った
コスパリパッソ
【価格】
1700前後
【ブドウ品種】
ネレッロ マスカレーゼ
ほんのり甘味のある味わいで人気を集めるシチリアのコスパリパッソ。
陰干しブドウの凝縮された果実味は優しい甘味があるものの、後半にかけて広がる伸びのある酸味は上品に味わいをまとめており、価格以上の満足感を与えている銘柄である事が多くの口コミからも感じられました。
生産者であるヴィエニティ ザヴは、イタリア屈指のコスパワイン生産者であるファルネーゼがシチリア州でプロデュースする人気ワイナリー。
ここで紹介しているイルパッソはヴィエニティ ザヴを代表する人気赤ワインで以下の実績もあります。
サクラアワードで2017年が最高賞ダイヤモンドトロフィーを獲得。
ルカマローニで2015年が96点 2017年が95点 2018年が94点を獲得。
甘さのあるワインが苦手な方にはおすすめできませんが、濃いめで優しい赤ワインが好きな方におすすめの一本です。
カントドーロ(赤)
厚みがあり飲み心地軽快
フードフレンドリーな
バランス良い味わい
【価格】
1300前後
【ブドウ品種】
・ネロ ダーヴォラ80%
・カベルネ ソーヴィニヨン20%
シチリアを代表するコスパ生産者のラインナップの中でも特に人気の赤ワイン。
1000円前後でかなりコスパの良いワインを生んでいるフェウドアランチョは、アメリカで最も売れているシチリアワイン生産者。
そのコスパの良さは私も経験済みで納得できるものでした。
生産される多くの銘柄はどれも好評で人気ですが、特に満足度が高いと感じたのがカントドーロ。
このワインの特徴は、特筆するような奥深さこそありませんが、適度に厚い果実味を優しいタンニンと酸がまとめるバランス良い味わいにあります。
また、主張しすぎない味わいはスルスル飲めるような心地よさがあり、料理に合わせやすいワインである事も特徴と言えます。
1000円前後のワインとしては非常に好評で、日常消費用の有力候補に持っておきたい銘柄だと感じました。
シチリア州のおすすめワインのまとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事が参考になり、あなただけの好みのワインが見つかれば幸いです。
9000前後
シチリアの最高峰。
様々な要素が多層的に感じられる重厚な味わいでありつつ、雑味の無いピュアさや上品にまとめる酸やタンニンのバランスも良い。
7000前後
上記のミッレ エ ウナ ノッテと並んでシチリアを代表する赤ワイン。
パワフルな果実味を主体にした複雑で充実感ある味わいだが、洗練された味わいは雑味なく、パワフルで優美な上品さも感じられる。
5200前後
滑らかでリッチかつ上品。バランスに優れたシチリア白の代表格。
5000前後
上記のキアランダと並んで満足度の高い白ワインという印象。
リッチでボリューム感のある白ワイン好きな方には、必ず知っていただきたい銘酒。
4000~5000
エトナロッソの最高峰。
ブルゴーニュのピノノワールを彷彿させるような複雑で上品な味わい。
ヴァッレ デラカーテ チェラスオーロ ディ ヴィットリア(赤)
2600前後
DOCGチェラスオーロ ディ ヴィットリアで最も評判が良いと感じた銘柄。
力強くも上品な「細マッチョ」を思わせる味わいで好評を集めている。
2500前後
最も口コミ満足度が高いと感じたエトナビアンコ。
厚みのある果実味をキレの良い酸が引き締めるバランス良さがあり、豊富なミネラル感と透明感のある飲み口は充実感と上品さを併せ持っている。
1700前後
ほんのり甘味のある味わいで人気を集めるシチリアのコスパリパッソ。
陰干しブドウの凝縮された果実味は優しい甘味がありつつ、後半にかけて広がる伸びのある酸味は上品に味わいをまとめている。
1300前後
シチリアを代表するコスパ生産者フェウドアランチョのラインナップの中でも、特に人気のお手軽赤ワイン。
適度に厚い果実味を優しいタンニンと酸がまとめるバランス良い味わいで料理との相性も良い。
以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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