良質なバルベーラを手頃に楽しみたい方に最もおすすめでする銘柄。
どのワインも特徴的で人気なトリンケーロですが、2000円台のワインの中でも一際口コミ満足度が高く、必ず押さえておくべき銘柄だと感じました。
ビオワインという事で多少ボトル差があるリスクも潜む印象ですが、それを差し引いてでも試すだけの価値があることは、皆様の口コミ内容からも伝わるものでした。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》トリンケーロ ロッソ ラシーヌ
《価格》
【2700円前後】
《ブドウ品種》バルベーラ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>ピエモンテ州
《生産者》 トリンケーロ
トリンケーロはピエモンテ州におけるナチュラルワインの先駆けと呼ばれる生産者。
1925年からの長い歴史を持つアスティ県のワイナリーで、2020年現在3代目当主はエツィオ トリンケーロ氏。
同氏は先代から引き継いだ約50㏊の畑を13㏊にまで縮小しており、「家族経営で自ら完璧に畑の世話ができる規模にするため」と勇気ある決断をした人物。また、イタリア自然派ワインの先駆けであるグラヴナーに影響を受け、ピエモンテ州においてナチュラルワインの先駆者となりました。
今回紹介しているロッソ ラシーヌは、トリンケーロが手掛けるバルベーラの中でも最も手軽な銘柄で、若い樹のブドウを使用して造られます。
しかし、害虫の発生によりそのブドウの樹は2014年にすべて引き抜かれてしまいます。そのため、実質2013年がラストイヤー。
2016年ヴィンテージは生産されましたが、別のキュベ(テッラ デル ノーチェ)で使用される畑のブドウを使用し、ロッソ ラシーヌらしさを表現して造られています。
植替えたブドウの成長と熟成期間を考慮すると、本来のロッソ ラシーヌが再び生産されるのは2026年頃になるとされています。
《味わいの特徴》
生き生き感と深さを両立
ピュアでバランス良い
コスパバルベーラ
このワインの特徴は、豊富な酸と僅かな発泡性を残したピュアでフレッシュな味わいがありつつ、深みのあるコクや複雑性も適度に持ち合わせたバランスの良さにあります。
また、数年の熟成で落ち着きある魅力を発揮するワインでもあり、価格が比較的手頃である事も見逃せない特徴です。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
強い酸を持ち、タンニンは少なめの軽いワインになるのがバルベーラの特徴。
しかしトリンケーロが手掛けるバルベーラは以下で解説する栽培方法などによって、厚みのある味わい持ったワインが誕生します。
豊富な酸や適度なタンニンがある事で熟成に耐える力も持ち合わせており、熟成で円熟し落ち着きある味わいに成長します。
■ナチュラルワイン■
農薬や化学肥料を一切使用しないビオロジック農法を実践。
土地の天然酵母など、様々な生物の営みが反映された土壌は健全で成分豊かな状態になり、その成分を吸い上げたブドウは土地の個性を反映したピュアなワインを生みます。
また醸造においても極力酸化防止剤を使用せずブドウのありのままを表現しています。
■ステンレスタンク■
熟成期間はステンレスタンクの比率を高くしています。
ステンレスタンクはブドウのフレッシュな風味を反映させる効果があり、樽のニュアンスを抑えた生き生きとしたワインを生みます。
【外観】
深いルビーレッド
【香り】
チェリーやラズベリーの甘酸っぱさに、プルーンやカシスを思わせる円熟した果実香が主体。スミレの華やかさにスパイスや土のニュアンスも加わり複雑性を高めます。
【味わい】
微発泡を残したピュアな果実味は、ほんのり甘味とコクを伴ったミディアムボディ。タンニンは中程度で強めの酸が味わいをまとめると、心地よい風味を残したスマートな余韻があります。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
少し冷やし気味にすれば酸やタンニンが際立ち軽快な印象。
温度を上げるほど酸やタンニンは穏やかな印象になり、甘味や複雑な風味の広がりを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5年~10年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
ピエモンテ州のヴィンテージチャートは以下の通り。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 4
2014年 3
2015年 3
2016年 5
2017年 3
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
ナチュラルで心地よい香りと味わいを持ったワインです。
香りが取りやすく、甘味を感じやすい形状に設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
イベリコ豚のハーブグリル
キノコのリゾット
ピュアでバランス良い味わいを持ち合わせたバルベーラです。
合わせる料理も中程度のコクを持ったものが適切で、ワインの複雑な風味は野性味のあるジビエ料理ともマッチします。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
2013が美味しかったので2016も買ってみた。畑の差と熟成期間の差があるのでしょうか、6年熟成の2013はバランスも良かったですが4年熟成の2016は酸が主張気味。ポテンシャルがあるとポジティブに捉えることもできそうですが、もう少し寝かせても良かったのかも。。。
自然派ゆえ?いつもは美味しいのに8本目でハズレを引く。。。これもワインのおもしろいところですかね~~。
4年熟成の2016は以前よりもボディがあり状態も良い。今回は良かったとはいえ、ボトル差やヴィンテージ差をポジティブに捉える場合は良いですが、安定を求める場合はリスキーとも言えるでしょうね。
【良い口コミ】
7年熟成の2012は、舌に触れた時に感じる微発泡が印象的ですが、すぐにボディのある味わいがそれを包む。とてもバランス良く、ボディがありつつスマートな後口で、すぐにもう一口飲みたくなってしまいます。
8年熟成の2013はイタリアらしく陽気、そしてビオらしいピュアな味わいで、どんどん飲めてしまいます!!3000円弱で同レベルのフランスワインを見つけるのは難しいでしょう。
空けてすぐ美味しかったり閉じてたりと、意見が分かれるワイン。私はどっちに当たるか。。。6年熟成の2013です。結論めちゃ旨!♪微発泡のピチピチ若いニュアンスがありながら、円熟した落ち着きもあるんですね。これは大当たり!♪
空けた直後から激旨に感激!♪6年熟成の2013はバルベーラらしい酸と可愛らしい果実味がベストマッチ♪プチプチ微発泡の刺激と共に広がる旨味。。。う~ん。素晴らしすぎる。こんなん誰が飲んでも惚れてまうやろ!!(笑)
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 50%
普通 44%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
非常にコスパ良く満足度が高いことが第一印象。
しかしナチュラルワインゆえに多少個体差があり、稀に状態の良くないボトルに出会った方が残念な思いをされています。
とは言え健全なボトルがほとんどで、ピュアで深みがあり品の良さもある味わい。そのコスパの高さをコメントされる方も多く、中には興奮気味に感激される方も見受けられました。
良質なバルベーラを比較的手軽に楽しむのであれば、この銘柄は必ず候補に入れるべきと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
トリンケーロ ロッソ ラシーヌは
【価格】
2700円前後
【味】
豊富な酸と僅かな発泡性を残したピュアでフレッシュな味わいがありつつ、深みのあるコクや複雑性も適度に持ち合わせたバランスの良さがある。
また、数年の熟成で落ち着きある魅力を発揮する。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から5年~10年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 4
2014年 3
2015年 3
2016年 5
2017年 3
【口コミ】
ナチュラルワインゆえに多少個体差があり、稀に状態の良くないボトルに出会った方が残念な思いをされている。
とは言え健全なボトルがほとんど。ピュアで深みがあり品の良さもある味わいで、そのコスパの高さをコメントされる方も多く、中には興奮気味に感激される方も見受けられた。
全体的には非常にコスパ良く満足度が高い傾向。
以上です。
バルベーラらしさを手頃に楽しむにはこの上ない銘柄では?
調べるほどにそう思えるピュアなワインでした。
あなたはどのように感じましたでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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