1000円前後のモンテプルチアーノ ダブルッツォの中で最有力と感じた銘柄。
果実感主体の味わいは奥深さや複雑性こそありませんが、非常に親しみやすく程良い飲み応えもある味わいは人気で、可愛らしいうさぎマークのエチケットも人気に一役買っている印象です。
日常消費用に知っておきたい濃いめの赤ワインです。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ヴェレノージ モンテプルチャーノ ダブルッツォ
《価格》
【1200前後】
《ブドウ品種》モンテプルチャーノ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 やや辛口
《産地》 イタリア>アブルッツォ州
《生産者》 ヴェレノージ
ヴェレノージはマルケ州を代表するコスパワイン生産者。
1984年にエルコレ ヴェレノージ氏と妻のアンジェラ女史によって設立された比較的新しいワイナリーで、設立当時ワイン造りの知識も資金もなく、昼は畑とセラーで働き夜はワイン造りの勉強をしていたとのことです。
ヴェレノージ夫妻の情熱と努力によって成長したワイナリーは、当初9haだった畑も2021年現在では約300haを管理するまでに規模を拡大。
イタリアの名高いガイドブック「ガンベロロッソ」でも毎年のように高評価を獲得するようになり、マルケ州を代表するワイナリーになりました。
今回紹介しているモンテプルチャーノ ダブルッツォは、ヴェレノージのエントリークラスの人気銘柄。
マルケ州最南端に位置するヴェレノージは南に面するアブルッツォ州の畑も所有しており、そのブドウから造られるコスパワインです。
《味わいの特徴》
濃い目でフルーティー
バランス良くコスパに優れる
このワインの特徴は、ジューシーな果実感主体の親しみやすい味わいにあります。
複雑さや奥深さこそありませんが、果実味とタンニンと酸味などがバランス良く感じられ、厚みがありながら上品な飲み口が楽しめます。
また、そのような濃いめでバランス良い味わいが非常に手軽な価格で楽しめる点も嬉しい特徴です
【外観】
紫を帯びた濃いルビー
【香り】
ラズベリーやイチゴを思わせる甘酸っぱいフレッシュ果実に、プルーンやカシスのような熟した黒い果実のフルーティーな香りが豊かに広がります。
【味わい】
口いっぱいに広がるフレッシュでフルーティーな果実味は、丸みを帯びたタンニンが溶け込み優しく濃いめの飲み口。中程度の酸味が味わいをまとめることで軽快さも持ち合わせており、バランス良く心地よい後口です。
それでは、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性■
このワインに使用されるモンテプルチアーノ種は、濃く深い色合いで果実味豊かで程よい酸とタンニンがあるワインを生む傾向です。
■恵まれた立地条件■
DOCを名乗るワインですが、ワイン法上格上にあたるDOCGの区画に隣接する畑のブドウを使用しています。
- 豊富な日照による豊潤な果実味が得られる。
- 日照と海風は、湿度に弱いブドウを乾燥させ病害から守る。
- 夜の冷え込みが綺麗な酸を生む。
- 昼夜の寒暖差が豊かな香りを生む。
など、ブドウ栽培において恵まれた環境が整っており、良質なワインが生まれる要因の一つになっています。
■ステンレスタンク■
醸造も発酵もステンレスタンクを使用しており、当然樽の風味は付きません。
密閉性が高く酸化防止効果があり余計な香りも付かないため、ブドウのピュアな果実感がストレートに反映されるのがステンレスタンクの特徴です。
また、樽に比べると何度も使用できコストが抑えられるのもステンレスタンクの特徴です。
《飲む時の適正温度》
【10℃~18℃】
冷やし気味にすれば風味は弱まりますが酸が際立ち引き締まった印象。軽やかな飲み口になります。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、果実味などの風味の広がりある味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
ブドウ収穫年から2~4年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【ボルドーグラス】
比較的気軽なワインですから少し冷やし気味にして、温度の上がりにくい小ぶりのグラスで飲んでも軽快さが楽しめます。
また、大きなボルドーグラスを選べば、香りと味わいをバランス良く感じやすくなりますし、優雅な雰囲気も楽しめます。
かしこまって飲むタイプのワインでもありませんから、割れても精神的ダメージの少ない100均のグラスでも十分でしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
ビーフシチュー
ピザ全般
フルーティーで適度な飲み応えがあり、バランスの良い味わいが魅力の赤ワインです。
適度なコクのある料理に合わせやすい万能型のワインで、気軽な家庭料理やピザなどに合わせてもワインが優しく料理に寄り添い味わいを引き立ててくれます。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【ネガティブな口コミ】
カサ―レヴェッキオがとても良かったので、同品種から造られるヴェレノージを飲んでみた。結論を言えばあまり良くないかな。豊潤な果実味を求めるなら悪くないだろうけど、渋味や深みが足りない印象だな。。。
どんな料理にも無難に適応しそうですが、牛肉のステーキとかには負けるかな。もう少し濃いのを選んだ方がベターでしょう。
軽快な飲みやすさで安い割には美味しいけど、欲を言えばもう少し熟成感と言うか落ち着きみたいなのが欲しい。ちょっと若さが目立ちました。
【良い口コミ】
クセもないし、日常的に楽しむのにピッタリな飲みやすさですね♪
うさぎマークの可愛らしさにジャケ買いしたけど、値段の割に味も良くてリピート確定しました!♪同じくヴェレノージのロッソピチェーノはサンジョベーゼも入ってるから酸が多かったけど、このワインはモンテプルチアーノだけなので果実感が強くて厚みがあって、より私好みです!!
料理に合わせるも食後に楽しむも良しなバランスの良さ。そして手軽な価格が素晴らしい。適度な硬質さを感じる飲み口で、後口のプルーン系のほのかな甘味を感じる。
豊潤な芳香。味わいは軽やかながら飲んでる感もそれなり。飲みやすくて美味しいワインです。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 0%
美味しい 33%
普通 64%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
ちょっと濃いめのフルーティーな味わいで好評な印象。
奥深さや複雑性は弱いので感動されるような方はいなく、果実感主体の味わいが好みではない意見もありました。
とは言え、親しみやすく適度の飲み応えもあるフルーティーな味わいに好感を持った方が最も多く、コスパを褒める意見も少なくありませんでした。
あと、私を含めてボトルデザインが気に入った意見もチラホラで、可愛らしいうさぎマークも選ばれる要素の一つになっているようです。
私が口コミを拝見する限りでの客観的で個人的な解釈としては、1000円台前半で最もおすすめできるモンテプルチアーノダブルッツォと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ヴェレノージ モンテプルチャーノ ダブルッツォは
【価格】
1200前後
【味】
ジューシーな果実感主体の親しみやすい味わい。
複雑さや奥深さこそ無いが、果実味とタンニンと酸味などがバランス良く感じられ、厚みがありながら上品な飲み口が楽しめる。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~4年
※一般的傾向や口コミから推測
【口コミ】
ちょっと濃いめのフルーティーな味わいで好評な印象。
奥深さや複雑性は弱いので感動的評価はなく、果実感主体の味わいが好みではない意見もある。
とは言え、親しみやすく適度の飲み応えもあるフルーティーな味わいに好感を持ったコメントが最も多く、コスパを褒める意見も少なくない。
ボトルデザインが気に入った意見もチラホラで、可愛らしいうさぎマークも選ばれる要素の一つになっているよう。
以上です。
気軽でバランス良い濃いめの赤ワインでした。
あなたの選択肢にうさぎマークのモンテプルチアーノが加われば幸いです♪
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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