ワイン評論家のロバート・パーカー氏が「シノン最上」と認める生産者。
軽くてピーマンっぽいニュアンスを持つカジュアルなカベルネ・フランとは一味違う味わいは、多くの飲み手を楽しませており、ロワールの赤ワインを選ぶ時の候補に持っておきたい良質ワインだと感じています。
《ワイン名》 シャルル ジョゲ シノン シレーヌ
※ここで紹介しているのはスタンダードクラスのシレーヌですが、さらに品質も高く評判も良い銘柄は以下の3つ。
・レ・プティット・ロシュ
・レ・ヴァレンヌ・デュ・グラン・クロ
・クロ・デュ・シェーヌ・ヴェール
以上のワインももリンク先で紹介されていますので、参考になれば幸いです。
《価格》
【2300~3000円】
《ブドウ品種》カベルネ・フラン
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ロワール地方>トゥーレーヌ地区>シノン
《生産者》 シャルル・ショゲ
シャルル・ショゲは、ブドウ栽培農家に生まれたシャルル・ショゲ氏が、自らワイン造りまで手掛けようと1957年にドメーヌを設立したのが始まり。
各畑の持つポテンシャルを引き出すことに長けていたシャルル氏は、一代でシノンのトップ生産者に上り詰め、2020年現在は、古くからシャルル氏とドメーヌを運営してきたジャック・ジュネがオーナーとなっており、シャルル氏の下でワイン造りを学んだメンバー達を中心に、創設者の意志を引き継いでワイン造りに励んでいます。
その実力は、あのロバート・パーカー氏から「シノン最上」と評価されるほどで、シノンを語る上で外す事の出来ない生産者として地位を確立しています。
《味わいの特徴》
上品で繊細
適度なコクも持ち合わせた
エレガントな味わい
このワインの特徴は、チェリーやラズベリーといった上品な甘酸っぱさが広がる繊細さにありますが、適度な甘味とコクも持ち合わせた味わいは薄っぺらくもなく、エレガントな味わいを表現しています。
また、抜栓してから時間が経過するほど味わいが広がる傾向もあり、抜栓直後の青っぽいニュアンスは次第に弱まり、その分果実の風味が広がる点も特徴と言えます。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■カベルネ・フランの特徴■
やや淡い色調で、香りも味わいも力強さより繊細さが感じられる品種で、イチゴやチェリーのようなフレッシュでチャーミングなニュアンスや、ピーマンのような青い野菜のニュアンスが感じられるのがカベルネ・フランの特徴です。
■収量制限■
上記のような青っぽいピーマンのようなニュアンスは、収穫量を多くしたカベルネ・フランに強く現れ敬遠されることも多いですが、このワインに使用されるブドウは、あえて収穫量を制限することで残された果実に成分が集中しており、青っぽさは控えめで厚みのある味わいが感じられます。
■ビオロジック農法■
農薬や化学肥料を一切使用しないビオロジック農法の実践により、土地の酵母など、様々な微生物の働きも加わった土壌が育まれ、その豊かな成分を吸い上げた上質なブドウが育ちます。
【外観】
透明感のあるガーネット色
【香り】
野イチゴやチェリーの甘酸っぱい香りは繊細で、スミレやバラの華やかさや、ピーマンなどの青い野菜のニュアンスも感じられます。
【味わい】
ほんのり甘味とキレイな酸味がある甘酸っぱい果実味は上品。
タンニンは控えめで適度なコクが広がる優しい味わいは、エレガントな飲み口があります。
《飲む時の適正温度》
【12℃~18℃】
低めの温度すれば酸味やフレッシュ感が際立ち軽快な飲み口になりますし、温度を上げるほど酸は穏やかに感じられ、甘味や風味の広がりある味わいを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から約3~8年
※一般的傾向や口コミから推測
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
【小ぶりのグラス】
香りが取りやすく、甘味を感じやすい形状に設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
空気に触れる面積も広く、温度も上がりやすいため、変化を楽しむのにも最適な形状と言えます。
とはいえ比較的軽快なワインですから、ちょっと冷やし気味にして、小ぶりのグラスで軽快な飲み口を楽しんでも良いですね。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
キノコのリゾット
鴨鍋
など、ほどよいコクのある料理に合わせると、繊細なワインの味わいが料理を引き立て、また、料理がワインを引き立て、上品な風味の広がるマリアージュが楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
4年熟成の2013を皆で飲みました。濃いめのワイン飲んだ後だと、薄くて酸っぱい感じがするみたいで、普段ワインを飲まない皆にはイマイチのようですね。
4年熟成の2014は、開けたばかりは青っぽい香りと土っぽさがあり、ん?な感じ。翌日は甘酸っぱいチェリーのように変化してそれなりに楽しめたけど、開けたてはあんまりかな。
初めてのカベルネ・フラン100%。5年熟成の2015は漬物や青っぽい野菜に灰のような香りが控えめに漂い、軽快な果実味と酸のある飲み口と苦味があり繊細印象。翌日にようやくカシスのような凝縮感のある甘苦い果実味が現れ非常に良くなった。とは言え、初日はあんまり良くない。次は飲む前日に抜栓しておこう。
【良い口コミ】
これは3年熟成の2013。カベルネ・フランといえばピーマンと決めつけていると、ブラインドで飲んだ場合カベルネ・フランとは答えられないかも。完熟果実による凝縮感と上品さを感じられる味わいは好感が持て、価格の手頃さも魅力と言えるね。
熱くなってくると、こういう甘酸っぱいチャーミングなワインが飲みたくなっちゃいます💛
私、基本的には濃いワインが好きなんです。5年熟成の2014は明るい色調で、渋味は控えめで、軽快な酸があるスルスル系のワイン。たまにはこのようなチャーミングなワインも悪くありませんね。
4年熟成の2013はまるでピノですね。甘酸っぱい香りが繊細に広がり、適度な果実味に角のないキレイな酸。タンニンは控えめでやさしい飲み口。カベルネ・フランって聞いたからピーマン系の青さを想像しましたが、そんな事はなかったですね。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 20%
普通 76%
良くない 4%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
比較的手頃なワインで、感動されるような方はほとんどいませんでしたし、濃いワインが好きな方には、その上品さが薄く感じてしまう場合もあるようです。
とはいえ、カジュアルなカベルネ・フランに見られる青っぽいピーマンのニュアンスは弱く、ピノ・ノワールを思わせるような繊細さのある味わいに好感を持つ方も多い傾向で、抜栓から時間が経過するほど味わい深くなる傾向も読み取れました。
奥深い味わいを楽しむワインではない印象ですが、ロワールの良質なカベルネ・フランを知るという意味では頭一つ抜けたシノンという印象で、価格も考慮すれば納得できる良質ワインであると感じました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
シャルル ジョゲ シノン シレーヌは
【価格】
およそ2300~3000円
【味】
上品で繊細、適度なコクも持ち合わせたエレガントな味わい。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から約3~8年
【口コミ】
感動されるような方はほとんどいなく、濃いワインが好きな方には、その上品さが薄く感じてしまう場合もある。
とはいえ、カジュアルなカベルネ・フランに見られる青っぽいピーマンのニュアンスはあまり無く、ピノ・ノワールを思わせるような繊細さのある味わいに好感を持つ方も多い傾向で、抜栓から時間が経過するほど味わい深くなる傾向も読み取れた。
※ここで紹介しているのはスタンダードクラスのシレーヌですが、さらに品質も高く評判も良い銘柄は以下の3つ。
・レ・プティット・ロシュ
・レ・ヴァレンヌ・デュ・グラン・クロ
・クロ・デュ・シェーヌ・ヴェール
以上のワインももリンク先で紹介されていますので、参考になれば幸いです。
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