デディエ ダグノー プイィ フュメ シレックス

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ロワールにおける白ワインの頂点は?

ソーヴィニョン・ブランの世界最高峰は?

今回はこの疑問に対する答えを見つける時、候補に必ず上がるであろうワインの紹介です。

平均的な爽やかなソーヴィニョン・ブランとは一線を画す充実感溢れる味わいは、熟成によってより真価を発揮しており、たくさんの方の口コミ評価を拝見すると、必ず紹介すべきワインだと思わせるものがありました。

《ワイン名》 デディエ ダグノー プイィ フュメ シレックス

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《価格》

20000~26000円

《ブドウ品種》ソーヴィニョン・ブラン
《ボディ》  ミディアム~フルボディ
《甘辛》   辛口
《産地》   フランス>ロワール地方>サントル・ニヴェルネ地区>プイィ・フュメ
《生産者》  ダグノー

プロフィール
ダグノーを語る時、先代のディディエ・ダグノー氏を外す事はできません。
なぜなら、ロワールの「異端児」とも「鬼才」とも呼ばれるほど個性的で、ソーヴィニョン・ブランのポテンシャルを引き出し、ロワールのトップ生産者と評されるまで成長させたからです。1956年生まれのディディエ・ダグノー氏は、代々ワイン造りをしていた家系で育ちましたが、父との関係が悪く、学校卒業後に選んだ道はバイクレーサー。数年後にはレーサーとして生活できるレベルに達します。ところが1982年、突如実家のプィィ・フュメに戻り家業を継ぐことを決意(なぜかは不明だとか。。。)ともあれ、それからはワイン造りに没頭。ブルゴーニュのアンリ・ジャイエやボルドー大学のドゥニ・デュブルデュー教授らを師と仰ぎ、ビオディナミ農法、ブドウ選別のための剪定、新樽の使用など新しい技法をどんどん取り込みます。そうして、ここで紹介する彼の代表作である「シレックス」を1985年にリリースし、品質はみるみる向上し、ロワールのトップ生産者と評されるまでに成長したのです。

そんなディディエ氏は、モジャモジャの頭とヒゲにオーバーオールを着る「ロック」な感じの人物で、少年のような笑顔は人を惹きつける魅力を持っていました。

しかし、2008年に自家用飛行機事故により52歳の若さで命を落としてしまいます

天才を失ったショックは大きかったと思われますが、それからは息子であるルイ・ベンジャミン・ダグノー氏が跡を継ぎ、ディディエ氏の意思を継いだワイン造りに励み、品質も向上を見せています。

《味わいの特徴》

凝縮された成分を持ち
充実感溢れる味わいは
熟成で真価を発揮

このワインの特徴は、平均的なソーヴィニョン・ブランに見られる爽やかで軽快な味わいとは一線を画す、充実した果実味や強靭なミネラルが感じられる点にあり、若くして口にした場合は、そのミネラルや豊富な酸に硬さを感じるほどです。
しかし、熟成によってそれらが溶け合うと、円熟した甘露な果実味や深いコクが加わった妖艶さが現れてきます。

そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。

シレックス土壌
このワインのボトルにあしらわれた石こそが「シレックス」、つまり火打石の成分であるケイ酸塩が多く含まれた石であり、そのような石の成分が多く含まれたシレックス土壌から生まれるワインです。
この土壌は非常に豊富なミネラル感をワインにもたらし、若い段階では硬質で硬い印象を与えますが、熟成によってワインに馴染んだミネラルは、奥深いコクを表現するようになります。

ビオディナミ農法
無農薬・有機肥料で天体の動きも考慮したビオディナミ農法の採用で、その土地の酵母など微生物の働きにより健全で成分豊かな土壌が育まれ、その豊かな成分を吸い上げた上質なブドウが得られます。

ヴィエイユ・ヴィーニュ
土地の成分を吸い上げる能力が高いなど、上質な果実を実らせる古木(ヴィエイユ・ヴィーニュ)のブドウによるもので、その樹齢は約80年です。

収量制限

収穫量をあえて制限することで残されたブドウに成分が集まり、凝縮された成分を持った果実が得られます

 

【外観】
輝くレモンゴールド
熟成するほど濃いゴールドから琥珀色へと変化していきます。

【香り】
柑橘類やラフランスに白い花などの香りに、石灰を思わせる鉱物的なニュアンスもハッキリと感じられます。
熟成するほど円熟したニュアンスは強まり、鉱物的な要素は残しつつ、蜂蜜やアプリコットにナッツなどの香りも感じられます。

【味わい】
充実感のある果実味を強靭なミネラルが芯のある味わいを表現し、豊富な酸が味わいをまとめます。
熟成するほどそれらの成分は溶け合い円熟した甘露さが現れ、蜜を思わせる甘やかさと奥深いコクを美しい酸が引き締め、妖艶な余韻が長く続きます。

《飲む時の適正温度》

8℃14℃
冷やし気味にすれば、酸味や凛としたミネラルが際立つシャープな飲み口が楽しめます。
温度を上げるほどボリューム感ある風味の広がりを楽しめるでしょう。

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃と当たり年》

【飲み頃】
ブドウ収穫年から約8年~25年
※実際飲んだ方の評価傾向からすると、これくらいではないかと感じました。

【当たり年】
一般的にロワール白ワインのヴィンテージチャートは以下の通りです。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

2000年 4
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 3
2005年 4
2006年 2
2007年 2
2008年 
2009年 3
2010年 4
2011年 3
2012年 2
2013年 2
2014年 4
2015年 3
2016年 5
2017年 4

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《適正グラス》

【ふくらみのあるシャルドネグラス】
少し温度を上げることで広がる風味を楽しめますから、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶことをおすすめします。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》


ラムチョップをレモンバターソースで


アワビバター

など、味わい深い料理と合わせることで、ミネラリーで厚みのあるワインの味わいと重なった、上質なマリアージュを楽しめるでしょう。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

《飲んだ人の口コミ》

悪い口コミ

6年熟成の2013は、硬質なミネラルがまだまだ解れていない。ガチガチな印象で期待するほどの味わいではなかった。


5年の熟成では浅いのかな?2014はミネラル感が強くて美味しいのですが、以前飲んだ熟成酒の方が飲み頃って感じがして美味しかった。


先代が手掛けていた2008以前でないとダメなのかな。5年熟成の2012はミネラル感が不足し、充実感が足りない感じがする。時間経過で変化する味わいはどんどん良くなったとの意見も聞きましたが、私は悪いとまでは思わないが、2万の価値があるかは疑問が残った。

良い口コミ

6年熟成の2012は、ソーヴィニョン・ブランらしからぬ南国系フルーツの香りが広がり、品種個性であるハーブのニュアンスは少なめ。味わいも豊潤でミネラリーで優雅ですね。時間経過で変化する風味も楽しく、とっても貴重な体験になりました。


11年熟成の2007はレモン丸かじりのようなピカピカの果実味と、冷たさを感じる凛とした海風のようなミネラル。そして蜜のような甘やかさがじんわりと現れ、豊富な酸とミネラルはそんな甘やかさをバランス良く引き締める。魅惑的要素と襟を正したような気品が交錯する類い稀なワインです。


6年熟成の2012はハーブや柑橘類の皮の香りがあり、滑らかな飲み口が素晴らしい。ミネラルは重厚感があり塩気を帯びているようで、美しい酸は味わいをしっかりまとめる。複雑な風味を残した余韻も非常に長く、とても喜ばしいワインでした。


24年熟成の96はいよいよ最終段階に入っているね。乾いた草やヤングコーンを焼いたような香りが押し寄せ、なんとも魅惑的な甘やかさでトロミのある液体になっている。ソーヴィニョン・ブランの可能性をここまで引き出せる造り手の力量を窺い知ることができた。

 

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、

感動的!!    17%
美味しい     70%
普通       13%

良くない      0%

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

平均的なソーヴィニョン・ブランとは明らかにレベルの違う味わいに、感動、あるいはそれに近い評価を与える方が多い事が印象的なワインでした。

非常に個性的で人気者だった先代の作品が2008までで、非常に満足度が高い印象ですが、それは熟成する事によって真価を発揮することが要因にもなっている可能性もあると感じました。

よって2009以降で現当主が手掛ける比較的熟成の浅いワインに関しては、硬くて開いていないニュアンスの意見も多かったですが、時間経過で変化して良くなった意見もありますし、熟成による変化にも期待できるポテンシャルは持っていると感じます。

まだまだ全世界の口コミを網羅していないので何とも言えませんが、ロワールのソーヴィニョン・ブランにおける最高峰であると感じさせるこのワインは、世界的に見てもソーヴィニョン・ブランの頂点、又は、トップクラスである事は揺るぎないワインだと確信する結果となりました。

まとめ

それでは最後に情報整理です。

デディエ ダグノー プイィ フュメ シレックス

価格
20000~26000円


凝縮された成分を持ち、充実感溢れる味わいは熟成で真価を発揮する。

飲み頃と当たり年
・飲み頃
ブドウ収穫年から約8年~25年
※実際飲んだ方の評価傾向からすると、これくらいではないかと感じた。

・当たり年
一般的にロワール白ワインのヴィンテージチャートは以下の通りです。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

2000年 4
2001年 3
2002年 4
2003年 3
2004年 3
2005年 4
2006年 2
2007年 2
2008年 
2009年 3
2010年 4
2011年 3
2012年 2
2013年 2
2014年 4
2015年 3
2016年 5
2017年 4

口コミ
平均的なソーヴィニョン・ブランとは明らかにレベルの違う味わいに、感動、あるいはそれに近い評価を与える方が多い事が印象的。
ただしおよそ10年以下の若いワインはやや硬い傾向もある。

ロワールのソーヴィニョン・ブランにおける最高峰であると感じさせるこのワインは、世界的に見てもソーヴィニョン・ブランの頂点、又は、トップクラスである事は揺るぎないワインだと感じた。

いかがでしたでしょうか。

熟成するほど美味しくなるソーヴィニョン・ブランの最高峰でした。

特別な場面にこそ相応しいワインですから、贈り物やプレゼントにも向いているでしょう。

ただしネットで販売されているヴィンテージを見ると、若い物ばかりですから、できれば8年は熟成させたいワインだと思いますし、どうしても開ける必要がある場合は、早めの抜栓やデキャンタ-ジュを考慮しておいた方が良いでしょう。

それでは素敵なワインをお楽しみください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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