ロワールのソーヴィニョン・ブランの頂点は?
私は前回その答えはダグノーのシレックスだと解説しました。
しかし2万以上するワインは手が届きにくく、もっと手軽な上質ソーヴィニョン・ブランは無いかと探してみました。
すると自然に浮上してきたのが、今回紹介するワイン。
非常にたくさんの方に口コミされる事は、売れている事を意味しており、さすがロワール最大の生産者だけの事はあると思わせるものでした。
ダグノーほどの充実感はありませんが、決して軽くもなく、多くの方に高い好感を与えているワインは知っておく価値があると感じています。
《ワイン名》 ドゥ ラドゥセット プイィ フュメ
《価格》
【4500~5500円】
《ブドウ品種》ソーヴィニョン・ブラン
《ボディ》 ライト~ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ロワール地方>サントル・ニヴェルネ地区>プイィ・フュメ
《生産者》 ドゥ ラドゥセット
【プロフィール】
ドゥ ラドゥセットは200年以上の歴史を持つロワールの名門。
現在ではロワール地方最大の造り手で、プイィ・フュメの半分以上を担う生産者です。
1972年に弱冠21歳で当主となったパトリック・ドゥ・ラドゥセット男爵の指揮のもと、それまでと変わらない品質至上主義の信念を貫き、上質なワイン達を世に送り出し続けています。
《味わいの特徴》
フレッシュでミネラリー
適度な奥深さが感じられる
バランスの良い味わい
このワインの特徴は、ソーヴィニョン・ブランらしい爽やかでフレッシュな風味を持ちつつ、適度な厚みを持ったフルーティーな果実味、鉱物的な凛としたミネラル感も適度に持ち合わせた味わいにあり、親しみやすさのある軽快さと奥深さのある味わい深さを適度に持ち合わせたバランスの良さがあるところです。
そのような質の高いソーヴィニョン・ブランの味わいが生まれるのは、ラドゥセット男爵の考えによるところが大きく、
・ソーヴィニョン ブランの繊細でピュアな味わいを表現するために、樽を使った発酵はしない。
・果汁にストレスを与えないために、重力のみでワインが移動する近代設備を整える。
などの取り組みを実践しており、ブドウ本来のポテンシャルを最大限に表現する事を目指しています。
【外観】
淡いイエローゴールド。
熟成するほど濃いゴールドに変化していきます。
【香り】
柑橘類やハーブの爽やかさに白い花の華やかさ、青リンゴやラフランスのフルーティーなニュアンスに、鉱物的なミネラル香も垣間見えます。
熟成するほどフレッシュな香りは落ち着き、蜜のような落ち着いた甘やかさも感じられるようになります。
【味わい】
適度な厚みを持った果実味をキレのある酸がまとめる爽快感ががあり、凛としたミネラル感と適度な旨味は奥行きのある味わいを表現し、心地よい余韻があります。
熟成するほどフレッシュ感は弱まりますが、蜜のような厚みのある果実味が現れ、円熟した味わいが楽しめます。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸味が際立ち軽快さが増します。
少し温度を上げれば、フルーティな味わいが広がる飲み口を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から約2年~15年
※実際飲まれた方々の感想を拝見すると、これくらいではないかと感じました。
【当たり年】
一般的にロワール白ワインのヴィンテージチャートは以下の通りです。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2005年 4
2006年 2
2007年 2
2008年 4
2009年 3
2010年 4
2011年 3
2012年 2
2013年 2
2014年 4
2015年 3
2016年 5
2017年 4
《適正グラス》
【小ぶりorふくらみのあるグラス】
温度が上がりにくいように設計された小ぶりのグラスで飲めば、軽快でキレの良い上品な味わいが楽しめます。
少し温度を上げることで広がる風味を楽しみたい時は、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
真鯛のカルパッチョ
地鶏のタタキをレモンと塩で
など、比較的繊細な味わいから程良いコクを持つ料理に合わせると良いでしょう。
爽やかさとでフルーティさを併せ持ち、適度なコクを持ったこのワインは、料理の味わいを引き立て寄り添ってくれるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
このワインの悪い点を指摘する、具体的コメントは見当たりませんでした。
【良い口コミ】
3年熟成の2013は、暑い日に飲みたくなる爽快さがありますね。柑橘類の冷涼な酸に草原の香り、石灰質の香りもあります。味わいも軽快でフルーティーで心地よいです。
10年熟成の2009です。格上のバロンドLと比べれば華やかで軽快。共通点はキャンディっぽいニュアンスですね。ソーヴィニョン・ブランらしいハーブ感は少なめで、蜜っぽい甘さが私は好きです。
2年熟成の2017は淡いイエローの外観。グレープフルーツや鉱物的な香りで粘性も高め。味わいは果実感は弱めだが、適度な酸とコクに少しの苦味があり、決して浅くはないね。主張はしすぎないものの上品にまとまった良質ワインってとこかな。
2年熟成の2016は私史上最高のソーヴィニョン・ブランかもしれません💛青っぽいニュアンスは抑えられ、フルーティーな風味。果実味の厚みもあり酸のバランスも良く、美味しいですぅ~。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 47%
普通 50%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
驚くような感動があるワインではないですが、決して浅いワインでもなく、適度な奥深さを持った味わいに好感を持った方が大半で、たまたまなのか否定的なコメントが一つも見当たらない事も印象的なワインでした。
若い段階では適度な果実感と豊富なミネラルを持ったバランスの良い味わいで好感度が高く、熟成するほど蜜っぽさも出てくる傾向です。
ドゥ ラドゥセットといえばバロンドLが代表作で有名のようですが、価格と口コミ評価も考慮すると、決して引けを取っていない優れたワインである事が、皆様の口コミから伝わってきました。
そして、ロワールのソーヴィニョン・ブランの頂点と言えるデディエ・ダグノーほどのポテンシャルは無いですが、ワンランク上のソーヴィニョン・ブランを選ぶのであれば、候補に持っておきたい上質白ワインだと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ラドゥセット プイィ フュメは
【価格】
4500~5500円
【味】
フレッシュでミネラリー、適度な奥深さが感じられるバランスの良い味わい。
【飲み頃と当たり年】
・飲み頃
ブドウ収穫年から約2年~15年
※実際飲まれた方々の感想を拝見すると、これくらいではないかと感じた。
・当たり年
一般的にロワール白ワインのヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2005年 4
2006年 2
2007年 2
2008年 4
2009年 3
2010年 4
2011年 3
2012年 2
2013年 2
2014年 4
2015年 3
2016年 5
2017年 4
【口コミ】
驚くような感動があるワインではないが、決して浅いワインでもなく、適度な奥深さを持った味わいに好感を持った方が大半で、たまたまなのか否定的なコメントが一つも見当たらない事も印象的なワイン。
若い段階では適度な果実感と豊富なミネラルを持ったバランスの良い味わいで好感度が高く、熟成するほど蜜っぽさも出てくる傾向。
いかがでしたでしょうか。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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