セバスチャン・リフォー サンセール スケヴェルドラ

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サンセールらしからぬ奥深い味わい。

スッキリ爽快なワインのイメージのサンセールにおいて、「異端」とも言われる生産者。

王道サンセールを求める方には決しておすすめしませんが、意外性のある味わいは、日本の一般消費者の方々を楽しませており、その味わいへの口コミ量や高評価を拝見すると、紹介すべき特別なワインだと感じました。

《ワイン名》 セバスチャン・リフォー サンセール スケヴェルドラ

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《価格》

4000~5000円

《ブドウ品種》ソーヴィニョン・ブラン
《ボディ》  ミディアム~フルボディ
《甘辛》   辛口
《産地》   フランス>ロワール地方>サントル・ニヴェルネ地区>サンセール
《生産者》  セヴァスチャン・リフォー

プロフィール
サンセールの地において、代々農家を営んできた家系に生まれた現当主セバスチャン・リフォー
先代の父の代から、本格的にブドウ栽培から醸造を手掛けるようになっており、セバスチャン氏は幼い頃からブドウの成長を見守り、収穫を手伝う生活の中で、この道に進もうと決意します。大学で醸造学を修めた後は、ワインショップで働きながら世界のワイン市場の動きを学びましたが、その過程で出会ったナチュラルワインに衝撃を受け、その知識を深めます。
2004年にサンセールに戻ってからは、自身が飲みたいと思えるワイン造りをスタート。王道のサンセールにとらわれないセバスチャン氏のナチュラルワインは「異端」とも表現されますが、品質は高く、多くのレストランや消費者に愛されるようになったのです

《味わいの特徴》

充実した味わいは
奥深さがあり
熟成で円熟味が増す

このワインの特徴は、スッキリ爽快なサンセールとは全く違い、ボリューム感のある果実味や豊富なミネラル、複雑な風味も感じられる充実感と奥深さのある味わいにあり、熟成する事でさらに成分は溶け合い、円熟した味わいを楽しむことができます。

そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。

シレックス土壌
火打石の成分であるケイ酸塩が多く含まれたシレックス土壌から生まれるワインです。
この土壌からは非常に豊富なミネラルが感じられるワインが生まれます。

ブドウの熟度
このワインに使用されるブドウは、
・完熟したブドウ50%
・貴腐ブドウ50%
の比率で構成されており、糖度の高いブドウは王道のサンセールには無い凝縮された果実味や高アルコール、複雑な風味をワインにもたらします
※貴腐ブドウ=熟したブドウにカビの一種である貴腐菌をあえて繁殖させることで、ブドウの水分を蒸発させ干しブドウのようになった極甘口のブドウ。
※糖度が高いことで発酵期間は長くなり、複雑な風味が抽出されると考えられています。

自然派ワイン
このワインの栽培には、化学肥料や農薬を一切使用しないビオディナミ農法が採用されており、土地の酵母をはじめとする微生物などの働きも加わった健全で成分豊かな土壌からは、その成分を吸い上げたブドウが育ちます。
また、醸造においても培養酵母、補糖、補酸しない事はもちろん、酸化防止剤すら使用しておらず、ピュアなブドウの、ありのままの味わいをボトリングしていると言えます。

ヴィエイユ・ヴィーニュ
土地の成分を吸い上げる能力が高いなど、上質なブドウが育つ古木(樹齢約50年)によるワインです。

収量制限
収穫量をあえて制限し、残された果実に成分を集中させることで凝縮感のあるワインを生みます。

マロラクティック発酵をする
サンセールにおいては、爽やかなリンゴ酸をまろやかな乳酸に変える発酵、つまりマロラクティック発酵をしない生産者が多いですが、このワインは行います。
そうすることでこのワイン特有のまろやかさや繊細さが生まれます。

【外観】
オレンジがかったゴールド
熟成するほど琥珀色に近づいていきます。

【香り】
アンズや黄桃などの熟した果実香に、ドライハーブや生姜にスパイスなどの香りも加わり複雑さがあります。

【味わい】
ボリューム感のある果実味は適度な甘味を伴い、豊富な酸が味わいを引き締めることでバランスを整えます。
凛としたミネラル感は気品と奥行きある味わいを表現し、複雑な風味と少しの苦味を伴った長い余韻があります。

《飲む時の適正温度》

6℃12℃
よく冷やせば酸味やミネラルが際立ち、軽快さや上品さが増します。
少し温度を上げれば酸は穏やかな印象になり、少しの甘味を伴ったフルーティーな風味や、複雑な風味の広がりを楽しめるでしょう。

※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。

《飲み頃と当たり年》

【飲み頃】
ブドウ収穫年から約4年~15年
※一般的傾向や、実際飲まれた方々の感想を考慮すると、これぐらいの期間ではないかと思いました。

【当たり年】
一般的にロワール白ワインのヴィンテージチャートは以下の通りです。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

2010年 4
2011年 3
2012年 2
2013年 2
2014年
 4

2015年 3
2016年 5
2017年 4

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《適正グラス》

【小ぶりorふくらみのあるグラス】
温度が上がりにくいように設計された小ぶりのグラスで飲めば、軽快でキレの良い上品な味わいが楽しめます。
少し温度を上げることで広がる風味を楽しみたい時は、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶと良いでしょう。

※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。

《相性のいい料理》


豚肉のハーブソテー


アワビバター

など、上質で中程度のコクを持つ料理に合わせると良いでしょう。
円熟した果実味に、豊富な酸や凛としたミネラル感を持ったワインには、ミネラリーな味わいを持った魚介類や塩との相性も良いですね。

※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。

《飲んだ人の口コミ》

悪い口コミ


6年熟成の2013は美味しいですよ。あまり印象には残らなかったけど。。。


ビオらしいオレンジがかった色合いのサンセール。悪い訳じゃないけど、サンセールっぽさを期待してしまうと裏切られますよ。

良い口コミ

4年熟成の2011は輝きのあるゴールド。アルコール高めのボディのある質感でトロリとした粘性もあります。黄桃やアンズのような熟した果実感に豊富なミネラル。これがソーヴィニョン・ブランなの!?って思えるほどの果実味は甘味も伴っていますが、しっかりと酸が引き締めるので嫌味のない甘味になっています。


6年熟成の2012はオレンジがかったゴールド。完熟果実やドライハーブの香りが広がり、貴腐ワインで感じるセメダイン系のニュアンスもほんのり。スッと飲めるようなキレイな飲み口ですが、ボディの効いたアルコール感、豊富な酸とミネラルは味わいに芯を通しています。モカを思わせる苦味のアクセントを持った余韻は、まだ若いワインなのだとも感じさせる。中々のポテンシャルを持ったワインですが、香は開いているのに味はまだ閉じ気味で理解し難い部分もある。とは言え、非常に面白いソーヴィニョン・ブランなのです。


5年熟成の2013は、全くサンセールらしくありませ~~ん。ソーヴィニョン・ブランに見られる青リンゴ系の爽やかなニュアンスよりも、白桃系のフルーティーなニュアンスがありますね。これはこれで幸せな美味しさ!!(笑)


完熟のタイミングで収穫されるソーヴィニョン・ブラン。12年熟成の2006は凝縮された旨味がありますね。セバスチャン・リフォーはソーヴィニョン・ブランの印象を覆してくれた生産者。今日も楽しませてもらった。

 

という皆様の声でした。

その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、

感動的!!      3%
美味しい      62%
普通        35%

良くない       0%

というニュアンスが伝わってくる結果でした。

感動を覚えるような方こそ少ないものの、ハイレベルな味わいに高評価を与える方々が多い印象で、スッキリ爽快なサンセールの印象を覆す厚みのある味わいは、多くの方々を驚かせ、そして楽しませている事が非常に印象的なワインでした。

王道のサンセールのようなスッキリサッパリを期待する場合はおすすめできませんが、一風変わった味わい深い白ワインは、新たな発見にもなりそうですし、ちょっとワインに詳しい方の集まりなどで登場させても、意外性のあるサンセールは場面を盛り上げそうだと感じました。

まとめ

それでは最後に情報整理です。

セバスチャン・リフォー サンセール スケヴェルドラ

価格
4000~5000円


充実した味わいは奥深さがあり、熟成で円熟味が増す。

飲み頃と当たり年
・飲み頃
ブドウ収穫年から約4年~15年
※一般的傾向や、実際飲まれた方々の感想を考慮すると、これぐらいの期間ではないかと思いました。

・当たり年
一般的にロワール白ワインのヴィンテージチャートは以下の通りです。

5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年

2010年 4
2011年 3
2012年 2
2013年 2
2014年
 4

2015年 3
2016年 5
2017年 4

口コミ
感動を覚える方こそ少ないが、ハイレベルな味わいに高評価を与える方々が多い印象で、スッキリ爽快なサンセールの印象を覆す厚みのある味わいは、多くの方々を驚かせ、そして楽しませている事が非常に印象的。

いかがでしたでしょうか。
独特の造り方や、たくさんの口コミを調べるだけでも、特徴的な味わいである事がイメージできるワインでした。
このような特徴的な味わいを理解するには、まずオーソドックスな味わいをしっかり認識する必要があるとも言えますから、比較的上級者向けのワインと言えるかもしれませんね。
ちなみに今回は セバスチャン・リフォーの中では中価格帯のスケヴェルドラを紹介しましたが、もっと安いラインナップも好評ですし、高い方も素晴らしい評価を獲得しています。それから、本当は紹介したかったのですが売り切れがほとんどなので紹介できなかった「ジュンコ・アライ」のワインも、もし関連商品として↓のリンク先に出てきたらおすすめですから参考になれば幸いです。
それでは、素敵なワインをお楽しみください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

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