このワインを初めて飲んだ時の驚きは今でも覚えています。
なぜなら1000円台でこれほどの厚みと奥行きのある味わいは他に無いと感じたからです。
確か初めて飲んで驚いたのが8年前後の熟成物で、熟成で円熟した果実の旨味は目を見張るものがありました。
本来ですとそのような熟成物を紹介したいところですが、残念ながらネット上では若いものしか販売されていないようです。しかし、若いワインでも十分に価格以上のポテンシャルを感じますし、熟成を待つ楽しみも味わっていただけたらとも思いました。
というわけで、個人的にもおすすめで日本の一般消費者の方々の口コミ評価(vinica)も上々のワインの紹介です。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》 ジャン マルク ボワイヨ ドメーヌ レ ロケ ブラン
《価格》
【1300~2000円】
《ブドウ品種》
・ルーサンヌ主体
・ヴィオニエ微量
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ラングドック ルーション地方
《生産者》 ドメーヌ ジャン マルク ボワイヨ
ジャン マルク ボワイヨはブルゴーニュの名門で特に白ワインで評判が高い生産者。エティエンヌ ソゼの畑を継承、そしてオリヴィエ ルフレーヴの元醸造長という血筋と実績を持つジャン マルク ボワイヨ氏が、1985年に設立したドメーヌです。今回紹介しているドメーヌ レ ロケ ブランは、そんなジャン マルク ボワイヨ氏が1999年からラングドックで生産するようになった白ワイン。南フランスらしい凝縮された果実味に加え、ブルゴーニュらしい酸味やミネラルも加わった味わいはバランスが良く、私自身も含め多くの消費者を魅了。とあるインポーターの試飲会では「ムルソーと言われて出されても疑わない!」との声も上がるほど。非常にバランスとコスパに優れるワインとして、様々なワイン誌に取り上げられる白ワインです。
《味わいの特徴》
厚みのあるドライな果実味
バランス感覚に優れた
類い稀なコスパワイン
このワインは厚みのある果実味がありますが、キレイな酸や凛としたミネラルに仄かな苦味といった味わいを引き締める要素も持ち合わせており、果実味主体の南フランスらしさと、上品で奥行きのあるブルゴーニュらしさの両方が感じられます。
そして、そのようなバランス感覚と奥行きも兼ね備えた味わいが、手軽な価格で楽しめる点も見逃せません。
栽培や醸造に関する詳しい情報の少ないワインでしたが、そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■南仏の気候条件■
温暖な気候と豊富な日照などでブドウはよく熟し、厚みのある果実味を持ったワインを誕生させます。
■リュット レゾネ■
農薬や化学肥料を極力使用しない減農薬農法(リュット レゾネ)を実施しており、酵母など微生物の働きも加わった健全で成分豊かな土壌のエキスを吸い上げたブドウは、充実した成分とピュアな果実味を持ったワインを誕生させます。
■樽熟成■
熟成は樽で行われ、樽のニュアンスが反映されやすい新樽の使用比率は25%。
適度な樽の風味を付けることで、風味に豊かさと複雑さをもたらします。
※その他にも様々な取り組みをしていると思いますが、土地の個性の表現と味わいのバランスを重視したブルゴーニュスタイルを取り入れているものと推測されます。
【外観】
輝くレモンゴールド
熟成するほどゴールドの色調は濃くなります
【香り】
レモンの爽やかさに白桃のフルーティーなニュアンス。白い花の華やかさに、チョークを思わせるミネラリーな風味も感じられ、樽に由来するバターやナッツの香りも適度に感じられます。
熟成するほど果実香は円熟味を増し、フレッシュさよりも蜜などを思わせる落ち着きあるリッチさが感じられるようになります。
【味わい】
粘性のある質感は、厚みのある果実味と相まってミディアムボディの飲み口で、甘味はやや控えめでドライな印象。中程度の酸味が綺麗にバランスを整えると、ほんのり苦味と蜜のニュアンスを残した心地よい余韻があります。
熟成するほど円熟した果実感や旨味が増し、リッチでボリューム感のある味わいに変化していきます。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば引き締まった印象になり、上品な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど穏やかな印象になり、果実や樽の風味などが広がる味わいが楽しめます。
冷やし気味から徐々に温度を上げていく飲み方もおすすめです。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~10年
若いほどフレッシュでキレの良い傾向。熟成させるほど果実味の円熟味が増し、旨味も増す傾向です。
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【ふくらみのあるシャルドネグラス】
温度も上がりにくい小ぶりのグラスを選択すれば、軽快な飲み口。
香りが取りやすく、温度も上がりやすいシャルドネグラスを選択すれば、風味豊かでボリューム感のある味わいを楽しめます。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
地鶏のタタキをレモンと塩で
クリーム系パスタ
適度なボリューム感のあるバランス型白ワインで、ほどよいコクのある素材や、バターやクリームなどを使用したコクのある料理との相性が良いです。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
ブルゴーニュの生産者が造るから「ブルゴーニュ風」って事らしい。ルーサンヌは知らない品種ですが、ソーヴィニョンほど酸はなく、シャルドネほど華やかさはない感じ。ブルゴーニュらしさと言えばほんのり苦味を感じることくらいかな。悪くはないけどアルコール臭も若干感じられ、また買おうとは思わないでしょうね。
6年熟成の2011。しっかり目の酸は良いのですが、樽が主張気味でクドさを感じてしまい翌日に持ち越し。そして翌日もこの樽感は抜けていないので。。。あぁ。。私には合わないなぁ~が結論。きっとバターやクリーム系の料理に合わせると良くなるでしょうし、この手の味わいが好きな人も結構いるとは思いますよ。
【良い口コミ】
酸が不足気味の南仏の傾向とは違ったバランス型!!千円!?驚異的コスパでしかない。
4年熟成の2016は輝きのある綺麗なゴールドで、やや粘性を伴った質感。柑橘類やリンゴに桃といった果実や草原を思わせる芳香性は豊か。ドライで厚みのある果実味を適度な酸がバランスを整え、フルーティーな後口が残ります。バランスが良くリピート級のワインだと思います。
手頃で旨いから家飲み用で重宝してま~す♪
3年熟成2016は総じて落ち着きある白ワインで、派手さはないが滋味深い。強さはないですが様々な要素が絶妙なバランスで表現されていますね。日常的な家庭料理と共に楽しむワインとしては理想的で、価格(1500以下)も考慮すれば非の打ち所が無いですよ♪♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 0%
美味しい 50%
普通 47%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
多少好みからズレる意見も見られましたが、厚みのあるバランスの良い味わいに、ほとんどの方が値段以上の価値を感じていることが印象的なワインでした。
私自身もこのワインは何度も口にしており、ドライでありながら厚みのある果実感に大変満足しており、皆様の好感にも納得できるものでした。
そして、これは私個人の意見ですが、このワインは非常に手頃ですが熟成にも向いていると感じており、3年程度の熟成物よりも8年程度の熟成物が、円熟したリッチな果実味とコクを持っていて素晴らしかった経験があります。
よろしければ熟成チャレンジをぜひお試しください。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ドメーヌ レ ロケ ブランは
【価格】
1300~2000円
【味】
厚みのある果実味と、キレイな酸や凛としたミネラルに仄かな苦味といった味わいを引き締める要素も持ち合わせており、果実味主体の南フランスらしさと、上品で奥行きのあるブルゴーニュらしさの両方が感じられる。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~10年
若いほどフレッシュでキレの良い傾向。熟成させるほど果実味の円熟味が増し、旨味も増す傾向です。
【口コミ】
多少好みからズレる意見もあるが、厚みのあるバランスの良い味わいに、ほとんどの方が値段以上の価値を感じていることが印象的なワイン。
私自身もこのワインは何度も口にしており、ドライでありながら厚みのある果実感に大変満足しており、皆様の好感にも納得できた。
以上です。
今回は私個人のおすすめと、皆様の口コミ高評価が一致した銘柄でした。
そして私は熟成物をおすすめしますから、リンク先で5年以上の熟成物が販売していましたら、ぜひそちらを試していただきたいですし、若いヴィンテージの場合もご自身で熟成を待ってみるという選択も試みて欲しい銘柄です。(若いのもお値段以上だとは思いますが)
ちなみに、あまりにこの白が美味しかったので赤も購入してみましたが、そちらはどうも私の口には合いませんでしたので報告させていただきます。
※リンク先で白とボトルデザインそっくりで掲載されています。ルージュが赤でブランが白ですから、間違えないようにしてください。
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