アルザスの高級辛口白ワインで評判が高いトリンバックやツィントウンブレヒト。
今回は、もう少し手軽な価格でアルザスの上質辛口白ワインを探している方におすすめできる銘柄です。
実際このワインを口にしている方は多く、その口コミ(vinica)からは価格以上のポテンシャルを感じさせるものでした。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》マルク クライデン アンドロー リースリング
《価格》
【3000円前後】
《ブドウ品種》リースリング
《ボディ》 ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>アルザス地方
《生産者》 ドメーヌ マルク クライデンヴァイス
マルク クライデンヴァイスのは300年以上の歴史を持ち、アルザスを代表する生産者のひとつ。
アンドロウ修道院のブドウ畑の一部を引き継ぎブドウ栽培を始め、1850年代からワイン造りを開始。1948年にデニス グレッセールとルネ クライデンヴァイス家の結婚により「ドメーヌ クライデンヴァイス」となり、2020年現在マルク氏が当主としてドメーヌを運営しています。長い歴史を持つ生産者ではありますが、良いワインを生むために新しい手法を取り入れることに積極的。ビオディナミ農法(後述します)の導入や長期間のマセラシオン(果汁と固形物を漬け込むこと)、アンフォラ(粘土の素焼きの甕)での発酵や熟成を行うことなどを実践。また、毎年エチケットのデザインを変えていることも特徴的です。そんなマルク クライデンヴァイスのワインへの評価は日本でも高く、ワイン誌のワイナート15号では グランクリュであるカステルベルグ リースリングが『アルザス随一の畑が生み出す理想に最も近いリースリング』と評価されています。
《味わいの特徴》
厚みのある果実味と
凛とした上品さを両立した
辛口リースリング
このワインはリースリングらしい爽やかでフローラルな香りと、厚みのあるフルーティーでピュアな果実味。キレの良いな酸と鉱物的なミネラル分が豊富さは、凛とした上品さも持ちあわせたバランスの良さがあります。
そのような品質になる理由を2つ挙げます。
■ビオディナミ農法■
農薬や化学肥料を使用しないことはもちろん、天体の動きに合わせて緻密な農作業を行うビオディナミ農法を取り入れています。土地の酵母など様々な微生物の働きも加わった土壌は健全で成分豊かな状態になり、その成分を吸い上げたブドウは、土地の個性を反映した成分豊かでピュアなワインを生みます。
■土壌の個性■
このワインに使用されるブドウの畑は、アルザスにおける格付け最高位であるグランクリュ(特級畑)に隣接しています。
砂岩の下層に粘土質がある土壌は、ブドウに豊富な酸味や凛とした鉱物的なミネラル感をもたらします。
【外観】
輝くレモンゴールド
熟成するほど濃いゴールド⇒琥珀色へと変化していきます
【香り】
青リンゴや柑橘系果実の爽やかさ、白い花のフローラルなニュアンスも加わった香りが広がり、ほんのり蜜の甘い香りも感じられます。
熟成させるほどフレッシュな果実香は、円熟した果実やドライフルーツの落ち着いた香りになり、蜜のニュアンスも強まります。
【味わい】
厚みのあるフレッシュでフルーティーな果実味が口いっぱいに広がり、キレのある酸味と凛とした鉱物的なミネラル感が味わいを引き締めます。ほんのり苦味と上品な蜜のニュアンスを後口に感じると、心地よい風味を残した余韻があります。
熟成させるほどフレッシュな果実味は熟した果実の味わいに変化し、円熟した落ち着きを感じさせるようになります。
《飲む時の適正温度》
【6℃~12℃】
よく冷やせば酸やミネラルが際立ち引き締まった印象になり、爽やかで軽快な飲み口が楽しめます。
温度を上げるほど酸は穏やかな印象になりますが、果実味などの風味が広がり、広がりあるフルーティーな味わいが楽しめます。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~15年
※一般的傾向と口コミから推測
【当たり年】
アルザスのヴィンテージチャート以下の通りです。
※あくまで一般的傾向です。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2005年 3
2006年 2
2007年 4
2008年 4
2009年 3
2010年 4
2011年 3
2012年 3
2013年 3
2014年 3
2015年 3
2016年 4
2017年 5
《適正グラス》
【小ぶりのグラス】
【ふくらみのあるシャルドネグラス】
冷やし気味にして軽快さを楽しむ場合、温度も上がりにくい小ぶりのグラスを選ぶと良いでしょう。
少し温度を上げて広がる風味や味わいを楽しむ場合は、香が取りやすく温度も上昇しやすいシャルドネグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
真鯛のカルパッチョ
天ぷら各種をレモンと塩で
バランス良くコクのある辛口白ワインで、ほどよいコクを持った料理との相性が良く、特にミネラル豊富な魚介類との相性が良いでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
5年熟成の2013は酸化しちゃってるのかな?ちょっと酸が強すぎる気もするので普通かな。
【良い口コミ】
17年熟成させた2000年は熟成感漂う深いゴールド。リースリングらしいペト香はマヨネーズを連想させるもので、白い花のフローラルなニュアンスもあります。大人っぽい落ち着きある味わいでリッチ。時間経過で現れるバターのようなニュアンスもgood!!
このワインは和食によく合いますね~~♪♪3年熟成の2014はドライな飲み口で、酸味や梅干し的な旨味がある。あっという間に1本空いてしまう心地よいワイン♪
2年熟成の若き2016。柑橘類や白い花のフレッシュで華やかな香りに、鉱物的なミネラル香、リースリングらしいぺトロール香(石油香)も僅かに感じられる。粘性のある凝縮された味わいで、果実味、酸味、ミネラル感、旨味がしっかりと感じられる。上品なリースリングらしさを表現した優れた銘柄と言えるだろう。
8年熟成させた09は、キレ味と深さのある味わいのバランスが心地よい。シャンパーニュを飲んだ後にこのワインを飲み、そしてシャルドネへと進めていくと良さそうです♪
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 3%
美味しい 47%
普通 50%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
感動レベルの評価はほとんどないですが、状態の悪さ以外でのネガティブな口コミもないワイン。とてもバランスの良い辛口白ワインといった印象で、価格も考慮すれば満足度は高く、リースリングらしさを感じられる辛口ワインを選ぶ時の候補に持っておきたい銘柄だと感じました。
また、熟成酒を楽しんでいる方が数名おられたことも印象的で、若いうちは生き生きとした味わい傾向も、熟成によって深みのある味わいになる傾向も知っておくと良いと言えるでしょう。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
マルク クライデンヴァイス アンドロー リースリングは
【価格】
3000円前後
【味】
リースリングらしい爽やかでフローラルな香りと、厚みのあるフルーティーでピュアな果実味。キレの良いな酸と鉱物的なミネラル分が豊富さは、凛とした上品さも持ちあわせたバランスの良さがある。
【飲み頃】
ブドウ収穫年から2~15年
※一般的傾向と口コミから推測
【当たり年】
アルザスのヴィンテージチャート以下の通り。
※あくまで一般的傾向。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2005年 3
2006年 2
2007年 4
2008年 4
2009年 3
2010年 4
2011年 3
2012年 3
2013年 3
2014年 3
2015年 3
2016年 4
2017年 5
【口コミ】
感動レベルの評価はほとんどないが、状態の悪さ以外でのネガティブな口コミもない。バランスの良い辛口白ワインといった印象で、価格も考慮すれば満足度は高い。
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